W杯戦士を最も輩出したクラブはどこだ? セレッソじゃない意外なクラブが…。
2014/05/15 03:10配信
カテゴリ:コラム
ブラジルワールドカップに臨む23人の日本代表選手が選ばれましたね。
難しいと思われていた大久保嘉人選手が選ばれるなど、積み重ねと勢いのバランスを評価した素晴らしい選考だったと思います。
さて、ここ数年「日本代表選手を最も多く輩出したクラブは?」という質問をすれば、少しサッカーを知っている人であれば、迷わず「セレッソ大阪!」と答えることと思います。
今や世界のスターになった香川真司選手を始め、清武、乾、柿谷、山口螢、最近ではブラジルW杯の予備登録選手となった南野拓実など、若手有望株を次々と日本代表選手へと育て上げる育成手腕は、褒めちぎるしかありません。
しかし、一方で思うのです。
清武は、大分でも大きく成長していたのでは?
柿谷も、徳島時代がなかったら、今の柿谷曜一朗ではなかったのでは?
と。
どんな名選手でも下積み時代というものはあり、その時代を過ごしたクラブの影響を無視してはいけないと思うのです。
最終的に日本代表に選出された時のクラブだけが評価されるのではなく、成長過程に所属したクラブのことも評価してあげたい。
そんな思いから、今回のブラジルワールドカップ戦士たちの経歴を洗い出し、本当の意味で最も選手を育成したクラブを炙り出したいと思います。
選考方法
現在所属しているクラブだけでなく、過去に1度でも所属したことがあるクラブを全てピックアップします。
これには、特別指定選手で過ごした期間も含んでいます。
半年だけの所属と、5年間の所属を同じ価値として評価する訳にはいきませんので、「在籍回数」ではなく「在籍年数の合計」で評価をすることとします。
また、今年の在籍期間は、夏までは所属するものとして0.5年で計算をします。
例)田中マルクス闘莉王: 広島2年 水戸1年 浦和6年 名古屋4.5年 と計算します。
1位になったのは意外にも…。
結局セレッソ大阪が1番になりそうかな…と思いながらも、広島や大分の健闘を祈って集計していたのですが、見事に意外なランキングが出来上がりました。
順位 | クラブ | 在籍年数 |
1 | FC東京 | 24.5 |
2 | セレッソ大阪 | 22 |
3 | ガンバ大阪 | 16 |
4 | サンフレッチェ広島 | 15.5 |
5 | 鹿島アントラーズ | 13 |
6 | 大分トリニータ | 13 |
7 | 名古屋グランパス | 9 |
8 | 浦和レッズ | 6.5 |
9 | ヴィッセル神戸 | 6.5 |
10 | 清水エスパルス | 6 |
11 | 横浜F.マリノス | 5.5 |
12 | 川崎フロンターレ | 5 |
13 | 柏レイソル | 4.5 |
14 | アルビレックス新潟 | 4 |
15 | コンサドーレ札幌 | 3 |
16 | 大宮アルディージャ | 3 |
17 | 徳島ヴォルティス | 3 |
18 | 京都サンガ | 2 |
19 | ジュビロ磐田 | 1.5 |
20 | 愛媛FC | 1 |
21 | 横浜フリューゲルス | 1 |
22 | アビスパ福岡 |
1 |
FC東京!?
FC東京が見事セレッソ大阪を抑えて、1位という結果に…。
内訳は、以下の通りです。
権田修一:7.5年
今野泰幸:8年
長友佑都:3.5年
森重真人:3.5年
伊野波雅彦:2年
計24.5年
よく考えれば、最終ラインは2010年の…。
確かにFC東京は地の利があって、よく代表監督が視察に来やすく、代表に呼ばれやすい傾向があるような気がします。
(ここ最近だけでも、高橋秀人、長谷川アーリア・ジャスールや東慶悟など。。)
ただ、1番というのは少し意外でした。
ただ、よくよく考えれば、長友がイタリアに移籍する夏までの2010年シーズン。
FC東京の最終ラインは、
---------------------------
長友 今野 森重 徳永
権田
---------------------------
だったのですね。。。
このうちブラジルワールドカップに行く4人が揃っており、徳永も代表クラスでありながら、この年に降格してしまうという。^ ^;
もし吉田麻也が怪我明けで調子が悪く、森重が起用されたら不吉です(笑)。
…もちろん、冗談ですm(_ _)m
ただ、他にも候補として高橋秀人や米本拓司、徳永、韓国代表でブラジルW杯メンバーに選ばれたCBキム・ヨングォンなどなど。。
FC東京といえば、原博実時代から「攻撃サッカー」を標榜しているチームですが、代表クラスの選手はむしろディフェンスの選手が多いというのが面白いです。
ちなみに、ユースを含めると
そろそろ「育成といえば、ユースを無視するな!」という声が聞こえてきそうです。
上記は、プロのキャリアだけの集計ですので、ここでユース時代も育成期間として含めて、改めて集計をしてみます。
すると、全く予想通りの結果になりました。笑
順位 | クラブ | 在籍年数 |
1 | セレッソ大阪 | 40 |
2 | FC東京 | 30.5 |
3 | 大分トリニータ | 25 |
4 | ガンバ大阪 | 19 |
5 | サンフレッチェ広島 | 18.5 |
6 | 名古屋グランパス | 15 |
7 | 鹿島アントラーズ | 13 |
8 | 横浜F.マリノス | 12.5 |
9 | 柏レイソル | 10.5 |
10 | アルビレックス新潟 | 7 |
11 | 浦和レッズ | 6.5 |
12 | ヴィッセル神戸 | 6.5 |
13 | 清水エスパルス | 6 |
14 | FCみやぎバルセロナ | 5 |
15 | 川崎フロンターレ | 5 |
16 | コンサドーレ札幌 | 3 |
17 | 大宮アルディージャ | 3 |
18 | 徳島ヴォルティス | 3 |
19 | 京都サンガ | 2 |
20 | ジュビロ磐田 | 1.5 |
21 | 愛媛FC | 1 |
22 | 横浜フリューゲルス | 1 |
23 | アビスパ福岡 | 1 |
さ、さすがセレッソ(笑)
ユース出身の選手が多いだけに、圧巻の大差でTOPに君臨です。
ただ、柿谷が4歳からセレッソに所属しており、柿谷1人で17.5年も稼いでいるのが大きいですが^ ^;
また、やはり上がってきたのが大分トリニータ。
セレッソについでスターを生み出していると言っても過言ではないクラブが、一気に3位に浮上。
清武弘嗣と西川周作が中学時代から大分ユースですし、森重も大分で花開いた選手。
その他、東慶悟や、梅崎司、金崎夢生、家長昭博、高松大樹などの一流選手を生み出す影の名門が、ブラジルワールドカップにも見事に爪痕を残しています。
これだけの育成力があり観客数も多かったクラブが、資金難で低迷してしまっているのは、Jリーグにとって残念でなりません。。。
また、広島の順位が高く、補強が積極的な浦和の順位が選手層の割に低いことを見ると、育成という点では少なからず傾向が見えているような気がします。
今後は、こういった「影の名門」を評価するような仕組みができていくと、クラブももっと育成に力を入れるようになり、将来もっと名選手が生まれるかもしれませんね!
おまけ:ユースのみの場合
最後におまけになりますが、ジュニアユース・ユース時代のみのランキングです。
(引き算でわかるところですが。。)
順位 | クラブ | 在籍年数 |
1 | セレッソ大阪 | 18 |
2 | 大分トリニータ | 12 |
3 | 横浜F.マリノス | 7 |
4 | FC東京 | 6 |
5 | 柏レイソル | 6 |
6 | 名古屋グランパス | 6 |
7 | FCみやぎバルセロナ | 5 |
8 | ガンバ大阪 | 3 |
9 | サンフレッチェ広島 | 3 |
10 | アルビレックス新潟 | 3 |
あまり目立っていなかった横浜F.マリノスが3位にランクイン。
正直、1人選手がいるかいないかだけで大きく変わるランキングではありますが、それとなく育成力のあるクラブが上位に来ている気がしますね。
ブラジルワールドカップでは、こんな昔の所属クラブなどの背景も考えて見てみると面白いかもしれないですね!
おまけのおまけ:全選手の経歴詳細(プロのみ)
最後に、この記事のもととなった全選手の経歴を書いておきます。
遠藤が最初に所属したのが、消滅してしまった横浜フリューゲルスだったなど、意外と思いもよらないクラブに在籍していた過去なども知ることができて、興味深いですね。
GK
川島永嗣 :大宮3年 → 名古屋3年 → 川崎3.5年
西川周作 :大分5年 → 広島4年 → 浦和0.5年
権田修一 :FC東京7.5年
DF
今野泰幸 :札幌3年 → FC東京8年 → G大阪2.5年
伊野波雅彦:FC東京2年 → 鹿島3.5年 → 神戸1年 → 磐田1.5年
長友佑都 :FC東京3.5年
森重真人 :大分4年 → FC東京3.5年
内田篤人 :鹿島4.5年
吉田麻也 :名古屋3年
酒井宏樹 ;柏4.5年
酒井高徳 :新潟4年
MF
遠藤保仁 :横浜F1年 → 京都2年 → G大阪13.5年
長谷部誠 :浦和6年
青山敏弘 :広島11.5年
山口螢 :C大阪5.5年
大久保嘉人:福岡1年 → C大阪4年 → 神戸5.5年 → 川崎1.5年
岡崎慎司 :清水6年
本田圭佑 :名古屋3年
香川真司 :C大阪4.5年
清武弘嗣 :大分4年 → C大阪2.5年
FW
柿谷曜一朗:C大阪3年 → 徳島3年 →C大阪2.5年
齋藤学 :横浜FM3年 → 愛媛1年 → 横浜FM2.5年
大迫勇也 :鹿島5年
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付け加えれば、長友は2010シーズン途中でイタリアに行っているので残留争いが本格化した後半戦には不在でしたね。この年は石川、米本らの負傷、長友ら主力の移籍、森重の不安定なパフォーマンスとマイナス要素が重なりながらそのいずれにも有効な対策がなく、選手というよりもプロチームとしてのマネジメントの脆弱さが噴出した年でした。
名無しさん | 1 0 |2014/05/20|15:15 返信
FC東京が降格した2010年ですが、梶山・米本の故障により徳永は主にボランチでの出場でした。ですので、実はそのDF4人の並びでの試合は数える程ですよ。
名無しさん | 1 1 |2014/05/18|18:52 返信
大久保の福岡は1年間強化指定選手としてアビスパ福岡にいたのがカウントされてるのではないかと思います。
名無しさん | 0 0 |2014/05/18|08:45 返信
大久保の福岡ってなんですか?
名無しさん | 0 0 |2014/05/17|17:36 返信
原博美さんのお力でしたか
名無しさん | 1 1 |2014/05/17|00:03 返信
大分凄い
名無しさん | 7 0 |2014/05/16|19:34 返信
素晴らしい集計ですね。
ひらすけ | 2 0 |2014/05/16|16:28 返信