ジェフ千葉のここが変わった 4つの変化
2016/09/13 17:24配信
カテゴリ:コラム
ジェフ千葉が好調です。
J2第25節の清水戦後に、監督が長谷部茂利コーチに交代となり
交代後初戦の横浜FC戦には敗れたものの
そこからの5戦で3勝1分1敗としています。
5戦で勝点10というのは、リーグ戦を勝ち抜くために目標としたい
試合数×2のペースに乗ったということです。
まさに理想的な勝ち点の積み上げ方をしていると言えるでしょう。
ジェフ千葉の何が変わったというのでしょうか。
①監督が代わり、守備が大幅に良化
まず、上記のとおり、監督が代わりました。
それにより、組織的な守備が良化したと言えるでしょう。
3勝は全て2‐0と完封勝利で、引き分けも0‐0と、これまたクリーンシートです。
5試合で3失点というよりも、5試合で完封が4というのは
勝ち点を稼ぐ上で非常に理想的と言えるでしょう。
関塚隆前監督時代は、形としては442であっても
442の急所である2トップ脇や、そもそもの圧縮やスライドが甘く
そして改善の気配も無く、放置されていました。
これは長谷部ジェフにとっての初戦となった、横浜FC戦でも衝かれた弱点です。
弱点がハッキリしていたことで、相手に関わらず戦いぶりは不安定となり
3‐4と敗れた清水戦のような、劇的な敗北を喫したり
勝っても、町田戦のようなジェットコースターな戦いぶりに終始しました。
指揮官が交代してからは。同じ並びでも明らかに整備されました。
「関塚さんと比べて細かく言われる」(吉田眞紀人)
「これまでなかったことをやっている」(丹羽竜平)などとし、変化を感じ、受け入れ
今の状態は、その答えを出しつつあると言えるでしょう。
そして、その変化の象徴と言える選手がいます。
それが、442の重要拠点であるSHに定着した菅嶋弘希です。
「気の効く」菅嶋の定着
今シーズン、東京Vからレンタル移籍にて加入した菅嶋ですが
攻撃の切り札としてベンチ入りする回数こそ少なくなかったものの
その序列は低く、出場機会自体はほとんどありませんでした。
その菅嶋が、ここ4試合で3試合の先発起用となり
いずれも90分近くプレーし、全ての試合で勝利を挙げています。
これ以上ないほど分かりやすい形で、チームのキーマンとなっていると言えるでしょう。
では、なぜそうなったのでしょうか。
それは、ドリブラー、あるいはストライカーとして
東京Vや年代別代表で名を挙げた菅嶋がここにきて
チーム戦術のために労を惜しまない選手に成長しているからです。
菅嶋は、右SHとして定着し、前述の弱点を埋めるなど
チームにとって欠かせない選手となっています。
攻撃面以外では個性を発揮できない、というところから脱却し
「(長谷部監督から)大事と言われた」運動量と球際への意識を高め
そのベースの上に自らの個性を乗せ、チームの中心となっている姿は
東京V・下部組織出身の先輩である、河野広貴を思い起こさせます。
彼が2014年にブレイクしたのも、チームの組織的守備の中心となったからです。
今後も、そのベースを疎かにすることなく気を効かせ続け
かつ、攻撃面で数字を残せるようにしていきたいところです。
進化した「レジェンド」町田也真人
その菅嶋とは反対側の左SHに定着し、同じくチームの中心となっているのが町田です。
町田はここ4試合で3得点を挙げ、計10得点とし、チームの得点王となっています。
町田といえば、庄司悦大や長澤和輝らとともに専修大学4連覇の第一歩を記した
言わば、関東大学サッカー界のレジェンドと言える存在ですが
その当時から、技術の高さと、小柄な体格を生かした持久力を基に
動きまわって相手のライン間で受けつつ、自身もゴールに迫ると言った選手でした。
ただ、プロ入りして以降は、ライン間で受けたりしても
相手に脅威を与えるプレー、得点に絡むプレーがなかなか出来ていませんでした。
ここに来ての活躍は、攻撃時に中に入ると、もちろんライン間で厄介な上に
サイドから豊富な運動量を生かして飛び出したり、相手マークを外すなどして
より、決定機に絡めるようになったことによるものと言え
そしてそれは、大学時代の特徴をさらに磨き上げたことによるものだと言えます。
前節の岐阜戦、そして前々節の岡山を一蹴した試合での得点は
プロサッカー選手として成長した、進化したことを示すものと言えました。
④クラブとして、地に足が着いた
最後に、クラブとしての今シーズンの目標が定まったことも強みと言えるでしょう。
「みんなのスポーツ ちば」というフリーペーパーには
当然のようにジェフ千葉のコーナーがあるのですが
そこには、J1昇格プレーオフの日程が記載されていました。
毎年のように
「目指すは自動昇格」
「J2にいるクラブではない」
と、うわごとのように繰り返してきましたが
強化部が刷新され、そして監督も代わったことで
ここにきて、地に足が着いたと言える状態となったと言えるでしょう。
6位の京都とは残り11試合で勝ち点差は8です。
そして、ホームでの直接対決もあります。
ここまで変わったジェフ千葉が、現実的な目標となったプレーオフに進出した場合
一昨年までとは違って、プレーオフで勝負強さを見せる可能性も大いにあります。
ジェフ千葉は、上記のとおりに変わったことで
そういった楽しみの持てるチームとなっています。
次節、1クール目ではコテンパンにされた山口戦が非常に楽しみです。