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YBCルヴァンカップ ベスト8の見どころ

2016/08/31 20:14配信

武蔵

カテゴリ:コラム

大会スポンサーの社名変更に伴い、装いが新たになったリーグカップ。

決勝トーナメントから、ナビスコカップ改めYBCルヴァンカップとして

開催されることになりました。


9月の国際Aマッチウィークの最中である8月31日に1stレグが行われます。

今回は、ベスト8の各試合、各チームの展望を、簡単に。

横浜Fマリノスvs大宮アルディージャ

横浜はここ3試合で2ndステージの優勝争いから脱落しつつあり

やや息切れ気味と言われても仕方がない状況です。

問題として挙げ得るのはケガ人の多さでしょうか。

中村俊輔、下平匠をコンディション不良などで欠くことで、ビルドアップに問題が生じ

両サイドハーフの個人技に懸かる攻撃の比重が重くなったことで

その両サイドハーフの負担が増え、持ち前のバランス、手堅さが

失われ気味となりがちとなっています。


中3日続きのルヴァンカップを乗り切るためには

フレッシュかつ、知将モンバエルツの戦術を理解した若手が出てくることが

必須条件と言えるでしょう。

天野純はここ4試合連続で先発出場をしていますが、フル出場はありません。

ここで決定的な仕事をして、鬼の居ぬ間にブレイクスルーを果たしたいところです。



不調といえば大宮も横浜に引けを取らないと言えます。

埼玉ダービーのようなハイテンションな試合をしたかと思えば

下位を相手に取りこぼす試合も徐々に増えてきており、上位から離れつつあります。


2ndステージは3勝5分2敗となっており、その悔しい引き分けの1つとなったのが

先々週のアウェイ・ニッパツ三ツ沢での横浜戦です。

その試合では1人少ない横浜相手に後半ATの失点で追い付かれてしまいました。

その因縁の相手に勝ち、イヤな流れを断つことをタイトル奪取に繋げたいところです。

ガンバ大阪vsサンフレッチェ広島

G大阪は上げてきたと言えるでしょう。

宇佐美貴史がドイツへと去ったことで、大駒自体の数が減り

アデミウソンや遠藤保仁といった他の大駒へのフォロー体勢が整ったと言えます。

特にサイドハーフに倉田秋、大森晃太郎や阿部浩之を置けるようになったことで

チームの運動量が保証され、それをベースにしたな戦い方が出来るようになりました。

三冠を獲得した一昨年に戻りつつあるとも言えます。


また、連続得点を挙げ、前節は遂にスタメンの座を奪った長沢駿は

その試合で2得点を挙げ、殊勲賞モノの活躍をしました。

連戦となるルヴァンカップにおいても、要注目と言えます。



広島はとにかくケガ人が多すぎます。

再ブレイクの兆しを見せていた宮吉拓実の離脱に加え

直近では、新戦力のアンデルソン・ロペスの中期離脱をしてしまいましたし

前節の仙台戦直前にはピーター・ウタカが急性胃腸炎で出場を回避してしまいました。

得点王のウタカは、迎える1stレグの出場も難しいとのことです。

その中で前節勝利し、年間順位4位をキープしている辺りはさすがの王者ですが

ルヴァンカップをきっかけに「新戦力」の発掘を行いたいところです。


そんな緊急事態を救う「新戦力」は、リーグカップお決まりの若手・・ではなく

仙台戦で復帰を果たしたベテラン勢となるでしょう。

仙台戦でのウタカの代役は、もちろん佐藤寿人でした。

第2節以来の先発出場となったものの、2得点に関与するなど存在感を出しました。

昨年の9月以来のベンチ入りとなった森崎浩司も途中出場を果たし

サポーターに向けて、久しぶりに元気な姿を見せました。

広島の、特に攻撃陣の緊急事態を救うのは

ここまで期待ほどは貢献できなかったベテラン陣ではないでしょうか。

ルヴァンカップでは、この「新戦力」に注目です。

浦和レッズvsヴィッセル神戸

浦和はこの180分において、主力4人を欠きます。

西川周作、柏木陽介、遠藤航を代表招集で、槙野智章をケガで、それぞれ欠きます。


浦和とリーグカップといえばベスト8に終わった昨季が特に印象的です。

ビッグスワンで迎えた1stレグ、新潟に5‐0で敗れ、大勢が決してしまいました。

確かにここでも西川と槙野を代表招集で欠き、他にも主力を休ませたことは否めません。

しかし、同じく代表組を欠いたホームでの2ndレグでは

3‐0とあと一歩のところまで追い詰めたことからも

やはりその試合に臨む姿勢、気持ちの差が大きかったように思えます。

浦和ほどのビッグクラブであれば、代表招集とは無縁でいられません。

リーグ戦とは違うメンバー、空気であることを受け入れることが

13年ぶりのリーグカップ制覇への課題と言えるでしょう。



神戸は目下のところ絶好調と言えます。

2ndステージでは首位と勝点差3の5位に付け、完全に射程圏となっており

もちろん、その勢いを駆って挑むルヴァンカップにおいても

チャンスは十分と言えるでしょう。


好調の要因としては、若手の台頭が挙げられます。

小林成豪はケガで長期離脱となってしまいましたが

中坂勇哉は2ndステージ第8節のFC東京戦で、後半から出場し

持ち前の技術と運動量で、後半4得点を挙げる大逆転勝利に貢献しました。

ニューヒーロー賞の候補にもなっている中坂は要注目です。


また、リーグカップ制覇のために重要となる

代表招集を受けない優秀な外国籍選手の存在という点も

レアンドロ、ペドロ・ジュニオール、そしてニウトンと満たしております。

キム・スンギュは韓国代表の招集を受けたものの、GKの層には自信を持っており

戦力にそれほどの影響は無いと言えるでしょう。


前節2‐1で勝利した浦和との連戦という点も有利に働きそうです。

右側のブロックから決勝に上がるのは、神戸が有力ではないでしょうか。

福岡vsFC東京

福岡は年間順位で最下位と苦しんでいます。

また、規約の関係で天皇杯は磐田とともに1回戦からのスタートとなっており

8月20日からリーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯1,2回戦の連戦が続き

コンディション面でかなりの不利を被ることが予想されます。

本当のことを言えば、厳しい残留争いにエネルギーを注ぎたいところではあります。


しかし、ベスト8の相手は、シーズンダブルを食らわせたFC東京です。

しかも、2ndレグをホームのレベルファイブスタジアムで行うことが出来ます。

これはまたとない僥倖と言えるのではないでしょうか。

あとのことはあとで考え、ベスト4進出による賞金を狙って

このルヴァンカップに懸けるというのも、クラブ全体の利益に繋がるかもしれません。



一方、FC東京は、上記のとおり最下位・福岡にダブルを食らったものの

その時の監督に別れを告げて以降は3勝1分1敗と上向きです。

降格圏とは残り7試合で勝点差16となっており、一応の危機は脱しましたので

このルヴァンカップに注力してもバチは当たらないでしょう。


ただ、代表招集で森重真人、丸山祐市の両CBが不在です。

もともとのCBの層に不安のあるFC東京は、唯一残った本職の吉本一謙と

いったい誰が組むのかが一つの大きな問題と言えるでしょう。


ここではFC東京U-18所属の岡崎慎を推しておきたいと思います。

今季のFC東京U-23で全試合フル出場を果たしている岡崎は

4バックのCB、SB、3バックの左CBなどをこなす中で

吉本とも幾度となく組んでおり、連携面で不安はありません。

あとは、J1レベルで通用するかどうかですが

もし起用されれば、昇格の内定している来季へ向けた、良い試金石ともなります。

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