CHANT(チャント) FC東京

「FC東京戦前の監督解任」は5年連続

2016/08/25 19:58配信

武蔵

カテゴリ:コラム

8月23日、J1名古屋が小倉隆史監督の休養を発表しました。

強力な親会社のバックアップを受け、J1でも有数のビッグクラブである名古屋も

今季はここまで年間順位で16位と低迷しており

J1残留圏内の15位・甲府との勝ち点差は7と開いてしまっています。

また、リーグ戦では17戦勝ち無しという危機的状態を招いており

監督としても、また兼務していたGMとしても、責任を取らされた格好となりました。


各紙が軒並み「事実上の解任」と報じていることからも

「休養」はあくまで建前のこととして扱って良いかと思われます。



後任は、8月1日、アシスタントコーチに就任していたボスコ・ジュロヴスキー氏です。

この新監督は、J1優勝を果たしたドラガン・ストイコビッチ政権を

ヘッドコーチとして支えた名参謀であることで知られています。

今回の氏のコーチ就任からここまでの経緯などを考えると

小倉氏の監督解任、合わせてボスコ氏の内部昇格について

この時点では、そこまでの影響は無いと見えます。


それよりも、ボスコ新監督が自身の就任会見で発表した

田中マルクス闘莉王の、名古屋での現役復帰の方が衝撃的であり

チームを活性化する可能性が高いのではないでしょうか。


ちなみに闘莉王は今週26日の金曜日に来日し

試合出場は最短で9月10日からとなるようです。

ホッと胸を撫で下ろしたJリーグサポーターも多いのではないでしょうか。

彼はまだ、それだけの存在と言えます。

FC東京の、ある珍記録

さて、そういった名古屋の激震とは関係なく、リーグ戦は続いていきます。

今節、名古屋がホーム・豊田スタジアムに迎えるのは年間12位のFC東京です。


FC東京も今季就任した城福浩前監督を6年ぶり2度目の解任とし

篠田新監督となってからは3勝1敗として、窮地を脱しつつあります。

名古屋としても、是非ともその「解任ブースト」にあやかりたいところです。


ところで、このFC東京。

このJリーグにおいて、また1年、記録を伸ばしました。

その記録とは

「リーグ戦での対戦を控えた相手が監督を解任する」

というものです。

これは今年で5年連続となり、2012年のJ1再昇格以来全ての年で

「監督解任後初のリーグ戦」の相手を務めることとなりました。


以下がこれまでの、FC東京の「相手チームの監督解任後初のリーグ戦」での戦歴です。

・2012年 神戸 西野朗 →安達亮  J1第32節             H●0‐1

・2013年 磐田 森下仁志→長澤徹 J1第10節             H△2‐2

・2014年 清水 ゴトビ →大榎克巳 J1第18節             H○4‐0

・2015年 鹿島 セレーゾ→石井正忠 J1 2ndステージ第4節  A●1‐2

このとおり、過去4年の戦績を見ると1勝1分2敗と負け越しています。

監督を解任するまで追い込まれたチームは、原則的にチーム状態が悪いと言えますし

まして、2012年と2013年においては、その年にJ2に沈んでいくことになる

神戸と磐田との対戦であったにもかかわらず、相手に勝ち点を献上してしまいました。

従って、この戦績からは、数字以上に分が悪いということが言えるでしょう。

FC東京はかつて、それまで2戦連続で7失点を喫し

その年にはJ2降格をする東京ヴェルディ相手にスコアレスドローとするなど

伝統的、戦術的に相手の弱みを衝けないところから

「良い人・東京」とクラブ内外で揶揄されてきました。

今回のこのデータも、それを裏付けるものと言えるかもしれません。

名古屋が期待したい、メンタル面のダブルの改善

なぜ監督を解任するのかと言えば、成績不振からです。

ここから挽回して、今回の名古屋でいうJ1残留という目標を達成するためです。


監督解任に期待される効果は主に2つあり、1つはサッカー自体の内容の向上です。

そして、もう1つは選手のメンタル面に対するショック療法的効果

いわゆる、監督解任ブーストと呼ばれるものです。


サッカーはメンタル面が非常に重要です。

理想は、チーム戦術と、それを実行するための個々の技術を土台にして

最後の上乗せとして選手の気持ちがある状態ですが

何もかも無くしてしまいがちな、負けの込んだチームにおいては

気持ちだけでも強化することは非常に重要と言えます。

まして、選手個々の能力はJ1でも上位の名古屋のことであればなおさらです。

そして、差し迫ったJ2降格という危機を前にして

一番、手っ取り早い強化策を採るのは当然です。


監督解任というショックにより、クラブの危機感が選手たちに伝播し

メンタル面が改善する効果は大きいものがあります。

そして今回は、あの闘将・闘莉王の加入決定により

通常の監督解任よりも、さらなるメンタル面の効果が見込まれます。

少なくとも、これからの残留争いにおいて

名古屋が気持ちで負けるということは考えにくいかと思えます。



とすると、先ほどの「良い人・東京」のデータを持ち出すと

FC東京はそういった、気持ちや勢いといったものに弱いという見方も出来ますが

今回はどうでしょう、星を五分に戻すことは出来るのでしょうか?


J1 2ndステージ第10節 名古屋対FC東京の試合は

愛知県豊田市の豊田スタジアムで、18時から行われます。

Good!!(0%) Bad!!(0%)

この記事も読んでみる