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リオ五輪 ダメージ被る3クラブ

2016/07/25 21:51配信

武蔵

カテゴリ:コラム

いよいよ、リオデジャネイロ五輪が始まります。


U-23日本代表の初戦は、日本時間の8/5になりますが

Jリーグサポーターにとってのリオ五輪は既に始まっていると言えます。

なぜなら、直前合宿は7/21から始まっていますので

Jリーグ所属の各選手は、J1 2ndステージ第4節とJ2第24節を以て

所属の各クラブを離脱することになるからです。

ちなみに、バックアップメンバーの4名はまだ帯同しておりません。


さて、五輪の本メンバーは18名。

海外組を除いた16名が最大5試合の離脱となるワケですが

各選手、所属クラブでは主力であることが多く

各クラブにとって、痛い長期離脱となります。


その中でもダメージの多いクラブはどこでしょうか。

離脱を見越しての夏補強もあり、チェックしておきたいところです。

大島離脱で「再注目」の中村憲剛

川崎は確固たるチームの中心である大島僚太を欠くこととなります。

川崎は、今やA代表に選出されるまでになった大島の1人立ちと

新加入のエドゥアルド・ネットを固定することにより

大黒柱・中村憲剛の位置を上げられるようになったことで

攻守のバランスが大幅に改善されました。


それだけに、ただでさえ大島の離脱は痛く、厄介です。

さらに大島の離脱の穴を埋め得る中村憲剛は

2ndステージ第2節の名古屋戦で、イ・スンヒの危険なタックルを受け

1ヶ月ほどの離脱、という重傷を負ってしまいました。


幸い、予定よりもだいぶ早くの

第5節・多摩川クラシコでの復帰が有力視されていますが

大ベテランと言える年齢なだけに、朗報とばかりは言っていられないかもしれません。


しかし、同じポジションの原川力も五輪メンバーに選出されました。

川崎にとって生命線である、ボランチの位置での攻撃のクオリティの問題以前に

単純に頭数が揃わないという危険性があるかもしれません。

それだけに、大島離脱の川崎においては

中村憲剛が本職と言えるボランチで「再注目」を集めることになりそうです。

遠藤航の穴を埋めるのはあの男

浦和も川崎と同じく2名を供出します。

ただ、興梠慎三はオーバーエージ枠での選出となりました。

オーバーエージ枠での招集は、クラブ側の心の準備の問題があります。


直前となってから打診を受ける首脳陣も大変ですし

新聞各紙の報道などでやきもきさせられるサポーター諸氏も負担があります。


特に興梠の場合は「一度は断った」とするなど

他のオーバーエージ枠での選出となる塩谷司、藤春廣輝よりも

一週間以上遅れての五輪メンバー内定となったため、なおさらと言えます。

浦和にとって不動のレギュラーであり

「ぬか喜び」となったサポーターもいることでしょう。


逆に、手倉森ジャパンにとっての大黒柱となる遠藤航に関しては問題ないと見ます。

なぜなら彼は今年加入した選手であり

当然、それを踏まえての獲得であるからです。


また、控えるのは、あの那須大亮です。

帰ってからのレギュラー争いは

五輪以上に遠藤にとっての悩みの種と言えるかもしれません。

海外組・浅野拓磨の穴

最後は広島です。

塩谷の招集は早い段階で取り沙汰されており

一見、ダメージが少ないと言えるかもしれません。

ただ、ここには複数の事情が絡んできます。


まず、広島の守備陣はケガ人が続出しており

佐々木翔、水本裕貴、青山敏弘らが離脱を余儀なくされています。

森崎和幸が3バックの一角に入り、アンカーに丸谷拓也が入るなど

「やりくり」と言える状態が続きました。

ただ、広島の夏補強は活発です。

かつては水戸から塩谷を夏補強で獲得し、チームの中心まで育てましたが

今年は横浜FCから野上結貴を獲得しました。

桐蔭横浜大4年時に横浜FCに加入して以来、昨年までの3年間において

レギュラーとして活躍してきましたが

ここにきて、ステップアップのチケットを手に入れました。


そして、さっそく練習試合でアシストを記録しました。

広島のCBは攻撃的な能力も求められますが

野上は即戦力として、見事に期待に応えられるでしょうか。


そして、その得点を決めたのが

こちらもまた夏補強による加入のアンデルソン・ロペスです。

彼は浅野拓磨の後釜として期待されています。



広島は守備時541、攻撃時415のいわゆるミシャ式をベースに

森保一監督がこれを改良し、今までタイトルをいくつも勝ち取ってきましたが

ここにきて、それぞれ532、3142に着手しています。


そこでキープレイヤーなるのは、浅野拓磨のはずでした。

浅野をインサイドハーフに置き、裏抜けを連発させることで

その機動力を存分に生かすのが、このシステムの肝の1つでした。


ですがご存知のとおり、浅野はアーセナルへの完全移籍となりました。

鹿島戦の敗戦というのもありましたが、浅野の移籍により

3142の優先順位はオプションということでひとまず落ち着いてしまいそうです。

広島を4年で3度の年間王者に導いた森保監督の引き出しは

Jリーグの中でも特に注目すべき話題だと言えます。

その引き出しが、浅野の離脱により閉まってしまったことは残念至極と言えます。




もちろん、他にもダメージの多いチームはあります。

中村航輔の離脱する柏や、室屋成のいなくなるFC東京など

これら不動のレギュラーの地位を築いた選手の離脱は痛手と言えます。

夏場ということもあり、若いレギュラーの不在によるダメージは測り知れません。



ただ、リオ五輪の日程的に、グループリーグなどで早期敗退しても

出場できるJリーグの試合が増えるとは言い難い状況です。


そして、J1 2ndステージ第4節には、各地で壮行セレモニーが催されました。

そこでは、敵味方関係なく拍手を以て歓迎したクラブのサポーターもいました。


このように大々的に送り出された選手たちが、リオ五輪で一番良い結果が出るように

どうか、日本代表の試合に注目し、応援してほしいと思います。

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