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メッシらの代表引退で アルゼンチンのサイクルはどうなる?

2016/06/30 21:04配信

武蔵

カテゴリ:コラム

南米サッカー協会設立から100周年を記念して行われた

コパ・アメリカ・センテナリオが終わりました。


フィナーレたる決勝戦は昨年のコパ・アメリカと同じく

アルゼンチンとチリの組み合わせとなり、昨年と同じくPK戦にもつれ込み

昨年と同じくチリが優勝を果たしました。

これにより、チリは「連覇」となったわけです。

ただ、昨年とは違い、今年は中立地・アメリカでの開催の中での優勝であり

昨年、ホームの大声援に押された中での優勝から

また一歩、階段を上がったように思えます。


決勝トーナメントではメキシコに7‐0、コロンビアも2‐0と盤石の内容で

アメリカ大陸の統一王者に相応しいものだったと言えるでしょう。


アレクシス・サンチェスやビダル、ブラーボらの主力がピークを迎えつつある今

2年後のW杯も楽しみと言って良いでしょう。

そんな中、今大会を最後に代表引退を示唆した選手が表れました。

それは決勝で敗れたアルゼンチンのメッシとマスチェラーノです。

他にはアグエロやイグアインも代表引退するという報道もあります。


こういった大陸別選手権のような大きなコンペの後には

これを区切りに代表引退を決意する選手が珍しくありません。


彼らの保有権は、基本的に所属クラブにあり

収入の大半をそのクラブからの給与で得ているからこそ

所属クラブと代表チームという、2つの違うチームで

同じように好パフォーマンスを求められるというのは

非常に難しいということでしょう。

また、年齢を理由にする選手も少なくありません。


ただ、今回はより一層の波紋を呼びそうです。

なぜなら今回は、リオネル・メッシという世界ナンバーワンの選手であること

メッシやアグエロ、イグアインはまだ20代の選手であること

そして、今大会は通常のコパ・アメリカと違い

既にロシアW杯の南米予選期間であることなど、様々な理由があり

他の名選手のそのニュースよりも、衝撃が伝わってきます。


とはいえ、一度示唆されたものは、そう易々と撤回することはしないでしょう。

アルゼンチンは、メッシやアグエロの後釜を探さねばなりません。

エリク・ラメラ(トッテナム)

24歳のラメラは、その候補足り得るでしょう。

日本でいうプラチナ世代(ただし、早生まれ)の彼は

ローマでの2シーズンの活躍の後

3000万ユーロの違約金でトッテナムへと渡りました。


そこではレアル・マドリードへと移籍したベイルの後釜として

いきなりエース級の働きを期待されていましたが

チームの大型補強の影響からか、まとまらないチームの中で埋没し

その間、絶え間なくイタリア復帰の噂が巷を飛び交いました。

しかし、翌シーズンも残留したラメラはレギュラーを獲得し

同タイプのシャドリやソン・フンミンなどを押しのけ

昨シーズンのトッテナムの躍進に大いに貢献しました。

「時間を必要としている」との自他ともに認めた言葉通り

2年目にはプレミアリーグに適応して見せました。


ラメラは、今ではお馴染みとなった、逆足サイドのドリブラーで

右サイドからの強烈なドリブルシュートが持ち味で

偽FWや偽ウイングの役割が多くなったメッシとは違いますが

同ポジションの後継を狙うことになるでしょう。

パウロ・ディバラ(ユベントス)

アグエロが代表引退をするというのなら

パレルモの名物会長・ザンパリーニが「新たなアグエロ」と評したこの選手も

当然、候補となるでしょう。

そしてこの選手は、メッシの代わりともなり得る選手です。


攻撃的な選手ではありますが、左利きの万能プレイヤーと言え

ドリブルから裏抜け、ポゼッションからカウンターまで対応可能です。

創造的な守備で見るものを楽しませてくれる

ユベントス現監督のアッレグリの下で重用されているのも

その引き出しを増やすことに関して、良い方に作用しているでしょう。

3200万ユーロという違約金もそれほど高くはなかったのではないでしょうか。


今回のコパ・アメリカ・センテナリオにはともかく

リオ五輪も予備登録に留まりそうだという情報から

昨季19得点を挙げたユベントスにおいて

文句無しの主力という評価を受けていると見て間違いないでしょう。

五輪に行くレベルの選手ではない、と。

メッシ以上に気になるあの選手の後釜

メッシは歴史の教科書に載るレベルの偉大な選手です。

それだけに、その後継者を選定するには苦労することでしょう。

ただ、アルゼンチンという豊かな土壌においてはアタッカーが豊作で

メッシほどではなくとも、世界有数のプレイヤーが出てくるでしょう。

いや、もう既に出てきています。


気になるのは、マスチェラーノの後釜はなかなか見つからないだろうということです。

この、世のアンカーマン達のプレーモデルとなっている選手もまた

メッシと同じく、世界最高であるということです。

豊潤なアルゼンチンの土壌でも、なかなか難しいものがあります。


アトレティコ・マドリードの新鋭、クラネビッテルに注目が集まりますが

クラブでの出場機会も少ない現時点では荷が重く

この穴はメッシの穴よりも大きいと言えるかもしれません。

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