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武藤嘉紀先発デビュー 示した可能性と課題

2015/08/26 17:43配信

武蔵

カテゴリ:コラム

ドイツ1部・ブンデスリーガ第2節

武藤嘉紀は先発デビューを果たしました。

そこで見えた課題、そして今後の可能性について。


昇格組のインゴルシュタットを迎えた

ホームでの開幕戦を0‐1で落としたマインツ。

武藤は0‐1で迎えた後半33分から出場しましたが

ハッキリ言って、見せ場らしい見せ場はありませんでした。

チーム自体が低調だったこともあり

これは時間がかかるな・・

と思った矢先の先発出場のチャンスとなりました。

相手はボルシア・メンヘングラードバッハ。

昨シーズンは3位に入り

今季は欧州チャンピオンズリーグへの出場を果たしています。

442の堅い守備からの速攻が持ち味のチームです。

センターフォワード・武藤嘉紀

武藤は時間がかかるかな・・と思った理由の1つに

周囲との連携の無さというものがあり

この試合でも見られました。

4411、または4231の1トップでの出場となった武藤は

体を張ったボールキープを試みますが

たいてい、フォローが間に合わなくてロストしてしまいました。

「参考にしているのはスアレス」

という会見での受け答えや

古巣・FC東京のチーム事情もあり

今や、センターフォワードとしての道を歩み始めた武藤。

そのFC東京では相手を背負い

孤立気味になりながらもボールをキープする場面が

幾度となく見られましたが

ここドイツ1部では、相手の強さが違います。

それでは、そのスアレスのように

またはマインツの前エース・岡崎慎司のように

動き出すことによりボールを引き出そうともしましたが

良いパスが出てくることは数少なかったように思えます。

連携が足りないことには理由があります。

それは武藤のポジションについてです。

武藤を獲得したマインツGMのクリスティアン・ハイデル氏は

「2列目のどこでも出来る」と

武藤を評しました。

ただ前述の通り、センターフォワードとしての道を歩み始めた武藤は

2列目での起用に応えることが出来ませんでした。

練習試合でも、セリエA・ラツィオ戦では

1トップで出場し、アシストを記録しています。

ただ、直近の練習試合となった

ドイツ5部のハダマー戦では右サイドでの起用となり

結果を出せませんでした。

これが、ドイツ杯1回戦や開幕節での

ベンチスタートの原因となったと言えましょう。

そうした、役割や適性に関する周囲とのギャップが

武藤の1トップとしての、周囲との連携が足りない

大きな要素となっています。

私は、開幕節を見終えて

それを埋めるための時間が必要だと見ていました。

そして、先発出場となった、このボルシアMG戦も

そのような気配が漂っていました。

「守備にスランプ無し」

それでも武藤は「守備にスランプ無し」とばかりに走りまわりました。

守備時には、しばしば深追いして

最優先である、縦関係になる相手ボランチ間のコースを

切ることが出来なくて、背走することもありましたが

マルティン・シュミット監督の心を掴んだことでしょう。

その証拠に、それまで武藤の近くで数少ないチャンスを演出した

10番ユヌス・マリを1‐1の後半19分に早々と交代させています。

走力とカウンターの精度を大事にする監督にとって

走力と献身性をアピールした武藤の優先順位が

高くなるのは当然でしょう。

この試合で、武藤が85分から90分までに迎えた2度の決定機は

両チーム通じてトップとなる走行距離と

2位となるスプリント数を記録したこと

そのご褒美として在ったのでしょう。

ただこの試合のボルシアMGの

ラファエル、ヘアマン、またはトルガン・アザールらの作り出した

決定機逸というトレンドに

武藤も乗っかってしまった格好です。

武藤は2度目の決定機逸の直後に交代しました。

試合はマインツが2‐1で勝ちました。

武藤の特徴は「学習能力の高さ」

武藤は可能性を示しました。

決定機を作り出した時の動き出しは

まさにイメージ通りでしょう。

90分動き続けての2度の決定機創出は

必ず、次に繋がるものです。

まして、開幕節ではドルトムントに0‐4で敗れたとはいえ

ボルシアMGの堅守はブンデスリーガでも屈指です。

それを考えれば、収穫と言える内容でしょう。

そして、内容は内容として

結果を残せなかったことは、本人も悔いるところでしょう。

結果、つまり決定機を決められなかったことで

チームを1点差で何分も過ごすストレスから

救うことが出来ませんでした。

もちろん、得失点差の問題もあります。

また、1トップ仕事に関しても改善の余地があります。

半ば時間が改善する問題とはいえ

意識を高く持つことが重要となってきます。

ただ、武藤の特徴の1つは、学習能力の高さです。

武藤は、経験によって得るものが他人よりも多い

経験を得た後の成長速度が異様に速い

ということが言える選手です。

FC東京加入年では、このボルシアMG戦のような決定機逸が

開幕節の柏戦など、何回もありました。

しかし、ヤマザキナビスコカップの神戸戦で

プロ入り初ゴールを決めると

4日後にはリーグ戦初ゴールを記録しています。

そこから、あのベネズエラ戦までが5ヶ月です。

また夏場の平山相太離脱後は

チームのセンターフォワードとして、またエースとして

1試合12km以上走りつつ

ボールを引き出すために20回以上のスプリントを繰り出したり

ボールキープのために体を張ったり

クロスに飛び込む回数を増やしたりしました。


そういった順応力の高さが武藤の大きな武器と言えます。


従って、改善するべきポイントは複数存在します。

ですが、この試合で示したアピールポイントと

マルティン・シュミット監督が1トップに求めるもの

それとマインツのFWの層の薄さ。

これらを考えるに

武藤の当面の出場時間は確保されたと言えるでしょう。


それは武藤が順応し、結果を出すためには

充分な時間と言えるのではないでしょうか。

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