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【FC町田ゼルビア】 ホームタウン活動から繋がる地域密着 町田市のシンボルとなることを目標とするFC町田ゼルビアの色 【J3】

2015/06/15 14:39配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


日本全国に現在52ものJクラブが存在する。

東京神奈川千葉埼玉…関東にはJ1からJ2・J3とたくさんのクラブが存在している。
関東地区にチームが多いからこそ、そのそれぞれに「色」が必要であり存在に違った魅力が求められる。

Jリーグ百年構想にも掲げられる地域密着。
Jリーグのクラブは地域密着が義務付けられており、地域とクラブが連携して活性化をしていくこととされているが、その活動や連携の仕方はさまざまだ。

年間320回以上ものホームタウン活動を行い、クラブが強くなるよりも街のシンボルになりたいという目標を掲げているクラブがある。
FC町田ゼルビアのホームタウン活動に注目した。

●年間320回以上を数えるホームタウン活動

FC町田ゼルビア。
2012年、JFLからJ2に昇格したのは記憶に新しいであろう。
現在はJ3にて戦っている町田は、もともと全国的にも有数のサッカークラブだったFC町田を母体として作られたチームだ。

FC町田からは、日本代表の太田宏介等、数々のJリーガーを輩出してきた。
FC町田含め町田市からサッカー選手になった選手の数は静岡県清水市に次ぐ2番目の人数となっており、サッカーの街として知られている。

少年サッカーから強豪と言われ続けてきたFC町田があっただけに、町田市民にはサッカー文化が当たり前のように浸透している。
子供の身体のバランスを養うにはサッカーが良いとして、子どもたちにサッカーを取り入れた活動を多く町田市が行ってきたことも関係し、その中から選抜チームとして作られたチームがFC町田の始まりだった。
町田市のサッカーへの取り組みは教育に取り入れたことから始まっており、その土台があったことでたくさんのJリーガーが生まれたのだ。

東京都ながらも東京23区ではなく町田市として存在し、23区そしてすぐお隣となる神奈川県の横浜市のベッドタウンとして例えられることも多い。
東京都というと首都東京の高層ビル群を想像するが、町田は駅前は賑やかなもののたくさんの住宅街が存在し、緑豊かな場所だ。

町田の人たちはあたたかい
そう表現するのは幼き頃から町田で育ち、プロサッカー選手としてキャリアを重ね、引退以前2年間をFC町田ゼルビアで過ごした星大輔氏だ。
現在は、FC町田ゼルビアでホームタウン担当という仕事をこなしている。
町田には言葉では表現しきれないほどの、地元愛が溢れているという。

FC町田ゼルビアは、クラブとしての目標をJ1昇格といった成績の目標を掲げているクラブではない。
結果としてそこを目指していくのはもちろんのことだが、FC町田ゼルビアが目指すべきところは
町田市のシンボルとなること。

町田といえばゼルビア―。
そう呼ばれるようになるには、当然結果も必要となり全国へ名前を知られるようになることが条件であるが、
強くなりたいだけではなく、町田市のシンボルになりたいからこそ強くならなくてはならない。
そういった目標で日々取り組んでいるのだ。

町田市民にゼルビアを知ってもらうことはもちろん、町田市の人たちとたくさんコミュニケーションを取り、触れ合うために
大きい小さい関係なく、町田市や地域自治体、町内会などのイベントやお祭りに町田ゼルビアとして参加することが多いという。

ホームタウン活動を活発化させた頃は、ゼルビア側から町田市民の方々に知ってもらおうと積極的に参加させてくださいと手を挙げたが、
今では来てくださいというオファーが多くなった。
ホームタウン活動を始めたことや、J2昇格というJリーグに参入したという成績があったことで町田市にFC町田ゼルビアの名前が一段と浸透した。
FC町田ゼルビアとして、たくさんのイベントやお祭りに参加し、
サッカースクールや少年団などにサッカーを教えに行く出前サッカーと呼ばれる普及活動や、共働きの家庭が増えたことにより現在学校が終わった後、学童にて過ごす子供たちが増えたことから、学童の子供たちのところへ出向きお話会を開くなどし、交流の場を持ってきた。

その活動を積み重ねることにより、FC町田ゼルビアという名前を知り認識してくれる人が増えたという。
町田市民の8割以上はFC町田ゼルビアがサッカークラブであることを知っており、イベント等に参加すると声をかけてもらうことも多く、マスコットのゼルビーの人気も高くなったという。

出前サッカーや学童訪問など、子どもたちの場に向かう時や、地域のイベントやおまつり、市のイベント等は行政町田市と連携し、そういったイベントの詳細を決める集まりの場に町田ゼルビアからホームタウン担当の星氏が出向き、どこにゼルビアが参加できるかを決めているという。
町田市との関係が良い関係だからこそ、さまざなな場所にゼルビアが参加でき、予定を組むことができるという。

出前サッカー等、サッカー教室などのサッカー普及関連が年間120回以上
それ以外のイベントやお祭り、学童等の訪問や参加が年間200回以上
年間320回以上のホームタウン活動の実施となり、
FC町田ゼルビアとしてはどのクラブよりも身近な存在へ、そして地域に密着したクラブになりたいと考えている。

●ホームタウン活動における工夫

ホームタウン活動といっても、ただ回数を重ねているだけではもちろんない。
ホームタウン活動を通じて町田ゼルビアを知ってもらい、会場に足を運んでもらうこと、応援してもらうことを目標としている。
FC町田ゼルビアの今現在の一番身近な目標は、スタジアムに1万人の人を集めることだ。

町田市の8割以上の方が現在クラブのことを認識しているものの
スタジアムの観客人数は1万人には届いていない。
スタジアムは近年改修工事が終わり、1万人以上が入るスタジアムへと生まれ変わったが、まだ1万人を集めることはできていないのだ。

今季ホーム開幕戦では、さまざまな取り組みをし、プロモーション活動に時間をかけた。
しかし結果は、約7000人。
それでもJ3ではかなり多い人数を集め、周囲から評価はされたものの、1万人には届かなかったため、目標を達成できなかったショックが大きかったという。

町田市の人口は約43万人。
その8割がゼルビアのことを認識してくれているのは大変心強いと話し、地域密着してきているといえるが、知るところからさらに一歩踏み出し、スタジアムに足を運んでもらうというところが難しいと星氏は話す。
チケットを買い、日曜日の予定を空け、スタジアムまで足を運ぶ。
そこまでの行動力が起きるまでになるには、まだまだ深く踏み込んで心を動かさなくてはならない。

もちろんそのためにはステージの昇格や、結果というものも大きく左右するであろう。
ただし、それだけではない。
例えJ1であってもJ2であっても集客に頭を抱えているクラブは多くあり、ステージや結果に反映されるものはあってもそれだけではない。勝敗やステージに関係のない魅力を町田と密着しながら確立していきたいのだ。


ホームタウン活動をする上での工夫もゼルビアは仕掛けている。
ホームゲームの割引チケットなどを配布する場合は、そのチケットの裏にアンケートを載せ、アンケートに答えてもらう形式をとっている。

どこでそのチケットをもらったか、年齢や職業、どこに住んでいるか等、割引チケットを使ってどういった層が試合に足を運んでくれているのかをリサーチしているのだ。
そのリサーチを元に新たなプロモーション活動の案を練ったりと、役立てている。

そして町田ゼルビアのスタッフの名刺には
この名刺をホームゲームのチケット販売所で提示してくれた方には、バックスタンド席のチケットを2枚無料でプレゼントと明記されている。
ゼルビアに少しでも関わる人を試合に招待し、ゼルビアの戦いやスタジアムの雰囲気を知ってもらうことで、それが口コミで拡がったり評価として拡がったりする。
まずは見てくださいというゼルビアからのメッセージ付きの名刺なのだ。

ホームタウン活動というと各クラブどうしても似たり寄ったりの活動となってしまう中で、そういった独自の工夫も織り交ぜている。

●時間を重ねて浸透してきたゼルビアの地域密着

最初はFC町田の知名度はあったものの、ゼルビアに対しての認知度はまだまだ低かった。
その頃、町田の夜の巡回活動をしたFC町田ゼルビア。
当時チームマスコットのゼルビーも当然あまり知られた存在ではなかったが、夜に町田の飲食店街を警察と共に巡回していた時、お酒に酔った人々に酷い扱いを受けたこともあった。
マスコットという存在であるが故に、酒に酔って殴られることもあり、笑われることもあった。

しかし、今はホームタウン活動を重ね、巡回活動も重ねたことでゼルビーだと好意を持って近寄ってきてくれる人が多くなった。
夜の安全を守る啓発活動を行っても、トラブルはなく歓迎してもらえるまでになった。

3年間続けたFC町田ゼルビア介護事業も好評だった。
デイサービスを主とした介護サービス施設に出向き、選手たちが一緒に体操などを行い、お年寄りと同じ時間を過ごす活動で
選手たちもお年寄りの笑顔の中で自然と笑顔になりながら、手をとり共に身体を動かした。
デイサービス施設の出張タイムとして、ゼルビアが練習する小野路グラウンドにお年寄りたちが訪問し、芝の上で一緒に身体を動かしたりもしてきたという。
そしてその後、試合会場に試合を観に来てくれるお年寄りたちが、あの時一緒に身体を動かしたお兄ちゃんとして名前を叫び応援してくれるのだという。
そういったふれあいからの応援は、選手たちにも響き、いつも以上のモチベーションにつながることもあるという。

人々との触れ合いや、ホームタウン活動を重ねることにより、その交流にあたたかみが生まれ、それが地域密着になっていくことを
身をもって知ることができる。

人々の心に触れ、ゼルビアが浸透していく。
それがFC町田ゼルビアのホームタウン活動なのだ。


FC町田ゼルビアのホームゲームはたった5人で設営を行っているが、ゼルビーランドなどJ3の中でもイベント多彩なホームゲーム会場作りを行っている。
J3というカテゴリーはまだまだ知られていないが、たくさんの人が楽しめるイベントを用意し子どもから大人までサッカー以外でも楽しめる場を作り、その上でサッカーで魅せることを目指している。
たくさんの人がFC町田ゼルビアを知ってくれている。
しかし、まだまだ満足することなく甘えることなく、向上し、「町田市にゼルビアがある」という存在になっていきたい。
それがFC町田ゼルビアの目標なのだ。

町田ゼルビアがあるから引っ越したいと、人々が町田市を選択する理由になれるくらいの存在になりたいと星氏。
住みやすい街ベスト3の中に町田市が入って、その理由にFC町田ゼルビアがあるからと挙げられる程の存在になりたいと話す。

まずはスタジアムに1万人の人を呼ぶこと。
それがホームタウン活動の一番近い目標として掲げ、目標達成のために日々活動を重ねている。

この街にはFC町田ゼルビアがある―。

それをたくさんの人に発信し続けていくホームタウン活動にFC町田ゼルビアは全力で取り組む。

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