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【FC町田ゼルビア】 サッカー選手を支える人々 ホームタウン担当 星大輔 【J3】

2015/06/08 22:29配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


たくさんの人に応援され、プレーできる選手たち。
応援という形はさまざまであり、サポーターに声で支えられ応援されることはもちろん、家族や指導者、スタッフやスポンサー。
たくさんの人々に応援されてるからこそ、プレーすることができる。

Jリーグのクラブも同じく、だ。

プロプレーヤーだけでなく、将来プロを目指す選手たちもたくさんの人々に支えられ、サッカーをすることができる。

サッカー選手を支える人々 第4回目は
選手としてJリーグでも活躍し、現在は町田ゼルビア ホームタウン担当を務める 星大輔氏にお話を聞いた。


●選手からフロントへの転身

星大輔氏といえば、どのクラブを思い浮かべるであろう。
現役時代を知る人は、さまざまな地域に点在しそれぞれの印象を持っているのではないだろうか。
横浜Fマリノス、FC東京から大宮アルディージャ、モンテディオ山形、京都サンガ、栃木SC、そして地元であるFC町田ゼルビアと数々のチームでその名を残してきたサイドハーフ。
その容姿からプリンスと呼ばれ、たくさんの人々に愛された選手だった。

選手としてのラスト2年を地元であるFC町田に帰ってくる形でプレーし、ゼルビア最大の転機となったJFLからJ2への昇格にピッチ内外から貢献。
その後、惜しまれつつ引退した。

引退した時、当初はゼルビア側からユースのコーチというポストを紹介された。
関東はJクラブが多く、アカデミーとしての激戦区でもある。
その中で存在感を示し、優秀な選手たちを選別し育てるのはチーム育成に大きく関わる部分である。
そのポストを与えられるということは、ゼルビアからの信用と共に星大輔という存在を大切に想ってくれているのだと伝わり、感じたという。

しかし、駆け抜けてきたサッカー選手。
サッカーをすることにこだわり、走り抜けてきただけに、すぐに指導者という道は、ピンとこなかった。

多くの選手たちは引退後、指導者という道をまず第一候補に進むことが今の王道となっているが
当然引退する選手全員にその道が与えられているわけではない。
毎年多くの選手たちが引退を発表する中で、Jクラブ、それも引退したクラブでポストを与えられるというのは今となっては一握りの選手だけに与えられる貴重な道だ。

しかし、ユースのコーチという指導者の道に引退直後はまだピンとくることなく、指導者としての道を選択することはできなかった。

サッカー選手が現役を終えると、その後生きていく手段を選べることはほとんどない。
与えられたポストに収まるのが一番の道と考える選手が多い中で、星氏は中途半端な気持ちで引き受けるわけにはいかないという想い、そしてもっと別の角度から町田のためになにかしたいという想いから、ユースのコーチへの道は断った。

それから4年。その時引き受けていたら今はもう監督になっていたかもしれない。
Jクラブのアカデミーのユースの監督となれば、指導者キャリアとしては輝かしいキャリアになるに違いない。
それでも星氏は自分の選択した道に後悔はないと語る。

ユースのコーチの話を断り、なにか違う角度から力になりたいと望んだ星氏に与えられたのは、まったく新しいポストだった。
ホームタウン担当。
ホームタウン町田市と町田ゼルビアを繋ぐ役目を地元出身選手である星大輔氏が担当し、FC町田ゼルビアの地域密着に務める役となった。

町田市民は繋がりを大切にする。
昔から地元愛が強いんですよ。

と星氏。

町田で育った星氏だからこそ、できること。
それが、ホームタウン活動だった。

●ホームタウン活動から伝える 選手として在ることの特別さ

町田ゼルビアは年間300回を超えるホームタウン活動を行っている。
町田市民が集まるところには全部行きたいと口にするほど、大きい小さい関係なく積極的にイベントにでかけ、ゼルビアとして参加し、たくさんの人たちとコミュニケーションを図っている。

チームマスコットであるゼルビーや星氏をはじめとしたゼルビアスタッフ、監督や選手もホームタウン活動に参加することもある。

星氏が現役選手だった頃も、ホームタウン活動に参加した経験がある。
それは町田に限らず所属してきたクラブの多くでホームタウン活動に参加し、トークショーやサイン会などに出向いた。
しかし、選手だった時代にはあまり周囲の支えに気づけない日々だったという。

大きなスポンサーの方が来ているということや、大きな金額を出してくれているスポンサーはどこかといった大まかなことは理解していたものの
地元の自治体に関してや、町内会や地域の方々、小口のスポンサーであるお店の方々など、そういったたくさんの人たちに支えられていると知ったのは、今のホームタウン担当になり知ったことだと話す。

大きい小さい関係なく、ホームタウン活動に参加することで、たくさんの人たちと直接ふれあうことになり、自分が選手だった頃こんないたくさんの人たちが支えてくれていたからサッカーをする場所があったんだと気づいたという。
たくさんの人々の行動や想いに支えられてサッカーができているんだということを 今の選手たちに現役時代に気づいてほしいと思っていると星氏は語る。

星氏の現役時代、ホームタウン活動に参加していた時よりも、もっとメッセージ性を持って感受性を持って、今の現役選手たちをホームタウン活動に参加させたいと星氏は考えているのだ。
ただホームタウン活動だから、イベントだからと駆り出されるのではく、たくさんの人に触れ合うことでもっとがんばろうという自然発生のモチベーションに繋がるようなホームタウン活動にしたいと考えている。

星氏は言う。
選手が一番良いんですよ、と。

選手で在ることが、一番の幸せだと改めて感じるのは引退をしてピッチから離れて現場を見ることになったからであろう。
選手はサッカーが出来る。
そしてたくさんの人に応援され、支えられながらサッカーができる。
ピッチから感謝を伝え、表現することができる。

それを引退してから振り返った時に知る選手が多いが、現役時代にもっと知っていたらあの場面でもっと走れたかもしれない、サッカーでもっと人に伝えなきゃと頑張れたかもしれないのに
と星氏。

だからこそ、今の選手たちに星氏から伝えるために、ホームタウン活動をと積極的に選手たちに伝え続けている。


ホームタウン活動を企画し、運営し、町田ゼルビアを知ってもらうことはもちろん
現役選手たちにどれだけ自分たちは支えられているのかを知って感じてもらい、練習や経験だけでは出てこない、頑張ることができる力になるモチベーションを持ってほしいのだと星氏は言う。

町田ゼルビアの選手たちは積極的にホームタウン活動へ出ていき
地元のおじいちゃん、おばあちゃんから子供たちまでたくさんの人々と交流を持つ。
介護施設に行き一緒に遊び、体操をし、手を取って笑顔で時間を共にする。
サッカー選手としてではなく、あの時一緒に体操したお兄ちゃんとして接し、それが応援してもらうことに繋がり、名前を呼んでスタジアムに駆けつけてくれる。

ホームタウン活動で出会った人々が、自分の名前を大きな声で呼んでくれたら、時間を共有した親近感のある応援の声となり、苦しい時間でも走れる力になる。
そのモチベーションはコミュニケーションを大切にしたホームタウン活動から生まれた力なのだ。

選手であった星氏が仕掛けるホームタウン活動は、選手たちがなぜサッカーをすることができるのかという現実に出会った元選手の星氏だからこそ生まれるホームタウン活動である。
選手の頃、ホームタウン活動を実際に選手としての立場で行ったからこそ、もっとこんなこともできたなといった案やこんなことをしたらもっと喜んでもらえるんじゃないかといった案も生まれる。
そして選手ではなくなった今だからこそ、自分が出ていける場所も増え、ピッチの外で伝えるというツールを持った。
そこから生まれるホームタウン活動は、地元町田への恩返しとFC町田ゼルビアのためにという想いで発信されている。


ピッチの外からFC町田ゼルビアにおけるホームタウン活動という形で、選手たちを支え、現役時代に気づいてほしいことをメッセージとして伝えている。


サッカー選手を支える人々
FC町田ゼルビアホームタウン担当 星大輔


サッカーバカなんです、と笑う星氏の第二の人生は
サッカーをする人たちをピッチの外から支える 大切な仕事となっている。

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