CHANT(チャント) シャルケ04

内田篤人の選手生命について シャルケと日本代表のアンバランスな関係

2015/04/28 16:15配信

武蔵

カテゴリ:コラム

今、内田篤人の周りが騒がしい

と言っても、岡崎慎司や武藤嘉紀のように移籍話のようなポジティブな話ではないのです。

内田の所属先であるシャルケが日本サッカー協会を批判したのです。

シャルケのSD(スポーツディレクター)のホルスト・ヘルト氏の発言をまとめるならば、

内田の2つの負傷、つまり昨年2月の太モモの負傷と昨年のW杯前の右ヒザの負傷への処置に関して

シャルケと日本代表で食い違っており日本代表の取り扱いのせいで、

内田にとってそのケガがより深刻なものとなってしまった、ということです。

クラブと代表との関係

一般論として、雇い主である所属クラブが

FIFAの定める国際Aマッチウィークの規定に沿って選手を供出することは

ほとんどが「渋々」であり、快く思わないのは当然です。

しばしば、クラブから代表への批判話が取り上げられてもいます。

最近では、クロアチア代表のルカ・モドリッチが

ユーロ予選期間中のケガが元で3ヶ月の離脱をした件で

所属先のレアルマドリードは160万ユーロもの賠償金を受け取ることになりました。

これはFIFAが加入している保険によるもので支払いはもちろんFIFAがするものです。

つまり、期間内に実際に選手を取り扱う代表チームとクラブとの関係を

改善してくれるものではないと言えるかもしれません。

何も無かった以前よりはマシになるにしても、この「緊張状態」は続くでしょう。

そして内田の話に戻ります。

今回の内田のケースは、賠償金は支払われません。

そもそもの発端はシャルケ対ハノーヴァー戦での負傷だからです。

火種はあくまでその後の処遇です。

しかし賠償金が払われたとして、それで済ませていい話ではありません。

我々の願いは、内田の選手生命が短くなることとは真逆でしょうから。

そう、これは選手生命を左右する話なのです。

内田の「無理」とその代償

まず、現在の内田の状況です。

3/10のCL決勝T1回戦・1stレグ レアルマドリード戦以来「シャルケでの」公式戦の出場がありません。

原因は昨年のブラジルW杯前に発症した右ヒザの問題です。

ブラジルW杯では右ヒザに痛々しいほどのテーピングをしており無理を通していたのではないかと思います。

その右ヒザの疾患は、同じ年の2月の、件の太モモのケガが元で発症したものと言われてもおかしくはありません。

内田の右太モモの負傷は、ただの肉離れでなく腱の断裂であったことそれ故、シャルケ側は手術を勧めたこと

しかしブラジルW杯の調整期間に間に合わせるために治療やリハビリの段階で無理をしたこと・・・

体のバランスが崩れた状態で負荷をかければ他の箇所に影響が及んでも不思議ではありません。

この時、内田はあるインタビューで、印象に残る返答をしています。

「右ヒザは大丈夫か?」と聞かれ

「大丈夫じゃないけど、人間には無理をする時というものがあって、今がその時」

とのことでした。

これには素直に感動しました。

前回の南アW杯直前で、戦術変更と体調不良によりスタメンから外され

内田がW杯に対して並々ならぬ思いを持っていることは分かっていたにせよ、です。

実際、内田はザックジャパンにとって押しも押されぬ主力であり

ブラジルW杯でも日本の長所であり続けました。

今でも、日本代表にとって代えの効かない存在であることは

アジアカップで証明されたと言えるでしょう。

そして、その「無理」の代償を、今の今まで引きずってきました。

昨シーズンは、その2月の負傷以来リーグ戦を全休したにもかかわらず

ブラジルW杯の全3戦にフル出場しました。

そして今シーズン、内田にとっての開幕節は第5節までズレ込みました。

その右ヒザの影響で、ブンデスリーガの開幕に間に合わなかったのです。

日本代表とシャルケの思惑、そして内田の意思は?

そして、今年の3月シリーズです。

上記の通り、公式戦の出場が無かった内田は日本代表に招集されました。

それだけならまだしも、2戦目のウズベキスタン戦で45分の出場をしました。

それまでの公式戦出場はもちろん無く

そして3月シリーズ後にクラブに合流した後も出場が無い状態であるだけに

シャルケが不快感を露わにするのも無理からぬことです。

依然として右ヒザにはテーピングがされていました。

ただ、シャルケの不快感にも伏線がありました。

実はシャルケはここのところ不調でした。

内田のリーグ戦での欠場が始まった25節のヘルタ戦から

28節のフライブルク戦まで3分1敗と勝ち星に恵まれませんでした。

そして29節、ドローに終わったヴォルフスブルク戦

来期のCL出場が難しくなったその試合後に不満を表す地元メディアから

内田をどうして使わないのか、という質問が飛んだのです。

それに対するヘルトSDの返答が、先の「不快感」だったのです。

つまりシャルケとしては、ここ一連の不調を内田の不在を理由にし

その原因を、日本代表を運営する日本サッカー協会に求めることで言わば、ガス抜きを図ったとも言えます。

一方の日本代表としても、ハリルホジッチ新体制発足に伴い

海外組の招集は必須事項であり、その中でも人気のある内田の

招集と出場は避けられなかった、という思惑があったのではないでしょうか。

そして、ハリルホジッチ監督自身としても、招集した主力の内田を

使ってみたいと思うのは当たり前のことです。

しかし、一番肝心な、内田の意思はどこにあったのでしょうか。

ウズベク戦後、ドイツに戻ったものの試合出場はおろか

クラブ側医師に「休養が必要」と言われてしまい

争点は手術をするかしないかというところまで来てしまっています。

おそらく、W杯程ではないにしろ、内田にとって、今は

「無理のし時」だったのかもしれません。

なぜならクラブも日本代表も新監督を迎え、戦術は一新されました。

シャルケでは3バックに変更され、内田のポジションもSBからWBへ変化しました。

日本代表もフォーメーションはともかく、やり方に関しては同様です。

居場所を失う危険というものに常に晒されるプロに対して

「無理をするな」

とはおいそれと言うことは、私には出来ません。

内田篤人への願い

しかし僭越ながら、我々の願いを言わせてもらえれば

それはつまり、内田篤人の活躍が見たいということです。

シャルケでCLを目指すのも良いですが

出来ればW杯で・・・と思ってしまうのです。

それも出来るだけ長く。

ロシアW杯への過程で、そしてその本番で、その先で、です。

そういうことを言えば

「今が無ければ未来も無い」

などと言い返されてしまうかもしれませんが、しかし

大きな目標から逆算して

一番良い選択をしてほしいと願っています。

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