CHANT(チャント) 日本代表

日本vsチュニジア ハリルホジッチが示した基準

2015/03/30 18:07配信

武蔵

カテゴリ:マッチレポート

3月27日金曜日

大分でハリルホジッチジャパンの初戦が行われました。

相手はチュニジア。

日本と対戦した後は南京で中国と対戦するということでさながらアジアツアーといったところでしょうか。

今回来日したメンバーは

細貝や原口と同じヘルタに所属し10番を背負うベン・ハティラ

CLでアーセナルを破ったモナコでレギュラーとなりつつあるアブデヌルなどの

主力が勢揃いしており、一応の体勢は整っているとみるべきでしょう。

ちなみに、フル出場したオシン・ラグはPSG時代、ハリルホジッチ氏に

指導を受けていたという経歴があります。

53位対25位ということで

FIFAランク的にはダブルスコアがついた両チームですが

日本にとって3戦3勝であり、ブラジルW杯不出場のチュニジアは少なくとも、格上とは言えない相手です。

日本のフレッシュなスタメン。その意図は?

GK権田からCFW川又までフレッシュな顔触れとなったスタメン。

とりあえず言えることは、各紙各ライターの予想は大きく外れたということです。

そもそも、練習を非公開にしていたので無理があったということでしょうか。

日本チュニジアともに4231のメンバーでした。

この日本のフレッシュなスタメンを見て分かったことは

「やはり4日でゾーンディフェンスを仕込むことは不可能」

ということです。

ロープを使って味方との距離感を覚える前時代的なゾーンディフェンスの特訓や

アギーレ時代の前からハメていく守備へのダメ出しなど

基礎からみっちり叩き込む覚悟を示したハリルホジッチ監督ですが

さすがに、来日から2週間、4日の合宿では出来ることは限定的だったということです。

ただ、ハリルホジッチ監督は協会への要望として

毎月最低1回は代表合宿を行いたいとの意向を示しました。

合宿初日から示し続けた覚悟は、これから結果として表れると期待しています。

実際の試合で、そうであったように

アピールに燃えるフレッシュなメンバーであるとともに

前線から追っかけてこそ生きる、またJリーグで1位と2位の

スピードがあることを示した武藤と永井の併用をしたことには

とりあえずは運動量と気持ちで追いかけ回すことで守備の収支を合わせよう

という意図があったものと思われます。

また、親善試合の交代枠というのもありました。

実際にFW永井の運動量は90分を意識したものではなかったと思います。

つまり、分かりやすく言えば

ロンドン五輪時よりハイペースだったと言えたと思います。

攻守ともに世界標準を取り入れるという決意表明

チュニジア戦で一番重要だったことそれはビルドアップの形です。

スタメンを見て、槙野が使われていることに気付いた私は

ボランチが降りてきて、3バックとなることで槙野のドリブルを生かそうという

ものではないかとの予測を立てました。

しかしそうではなく、ビルドアップで主役となったのは、外の選手達でした。

外を使うビルドアップ

つまり開いた右SB、や右SHに付けて、そこに右ボランチも寄り

外外とボールを前進させる形を多用しました。

これは、世界的には珍しいものではありません。

有名なところでは、ドイツ代表が行っている形でしょう。

日本がそれを取り入れるというのは悪いことではありませんし

むしろ、世界のスタンダードを取り入れようという動きは大歓迎です。

つまり、合宿で取り入れたゾーンディフェンスの基礎という守備面

世界標準のビルドアップを取り入れる攻撃面

攻守ともに「自分たちのサッカー」ではない武器となり得る

トレンドの導入を目指すという決意表明がなされたと見てよいでしょう。

そして、スタメンでフレッシュなメンバーを起用した意図は

そのトレンドである攻守を連動して一繋ぎに機能させること

言わば、ファンクショナルトレーニングが必要になるという

選手を始めとする、見る側へのメッセージだったと思います。

これからも、切り替えの速さや運動量は求められ続けるでしょう。

試合を決めたのは確かに「BIG3」だったが・・・

結果として、ゾーンディフェンスの導入は見送られ

外を使ったビルドアップは、2~3回を除いて不発だったと言えるでしょう。

その形も、人員配置も初めてのことなので仕方ないのですが

酒井宏樹、永井ともに力不足だったことは否めません。

特にそのビルドアップの形がチュニジアに読まれてからは

上手くボールを前進させることが出来なくなってしまいました。

そのためそのサイドに、頻繁にボランチの長谷部が寄ってくるため

攻→守の切り替え時に、そのスペースを使われてしまう場面がありました。

そこで本田と香川を投入

一転して中をメインにした細かいパス回しによる崩し

つまりは「自分たちのサッカー」をメインにするとともに

岡崎を投入し、スピード豊かな前線を相手に疲弊したチュニジアDF陣に

プレッシャーを掛けます。

実際に得点は、その消耗したチュニジアDF陣の繋ぎのミスからの

ショートカウンターで、本田→香川→岡崎という「BIG3」流れが1点目

そして2点目もそれに準じたもので、岡崎→香川→本田となっただけです。

試合を決めたのは、客観的にもこの「BIG3」でした。

しかし、この試合でハリルホジッチ監督の示した基準に沿わなければ

例え「BIG3」といえども、今日のようにオプションのひとつとなるでしょう。

途中出場の「BIG3」の実力は確かなものですが

今日の活躍に限っては、途中出場だから出来たことだとも言えます。

相手が消耗しきっていたのは事実だからです。

そして、ハリルホジッチ体制ではメインウェポンとなるであろう

外を使ったビルドアップの形は、本田香川投入後は鳴りを潜めました。

ここも、前述の理由があっての戦術転換ではあるものの

特に2列目で使われた本田や香川にその形が出来るかどうかは未知数と言えます。

むしろ、その戦術転換こそが、今日の結果を出すための

割り切りであった可能性は否定できません。

つまり、

「これが出来なければスタメンでは使わないよ」

そういったハリルホジッチ監督の基準は

合宿からチュニジア戦までで攻守両面に渡って示されたと言えるのではないでしょうか。

次のウズベキスタン戦では、新しい試みにチャレンジする本田と香川が

見られるのでしょうか。

それとも新たなテストが行われるのでしょうか。

つまり、その先が楽しみになるチュニジア戦だったと思います。

結果だけでなく、内容も伴った「テストマッチ」だったと思います。

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