CHANT(チャント) 鹿島アントラーズ

美しく勝とうとした日本チームが敗れたACL

2015/03/18 23:20配信

ユッキー8番

カテゴリ:マッチレポート

アジアチャンピオンズリーグ(ACL)第3戦

鹿島アントラーズは、中国広州の天河スタジアムで広州恒大と戦い、3対4で敗れました。これでACLは3連敗で最下位、Jリーグを含めると公式戦5連敗となってしまいました。

まず始めに、このマッチレポートは、テレビ観戦を基にしたものであることをお断りしておきます。広州まで応援に行ったサポーターには頭が下がりますね。

この試合を報じた新聞各紙の見出しは次のとおりです。

朝日新聞「名門チーム最下位 攻守に迷い公式戦5連敗」

毎日新聞「鹿島が3連敗」

読売新聞「鹿島、泥沼3連敗 V候補に大量4失点」

東京「鹿島は3連敗」

いかにも、苦しい状況であるかのような見出しが立っていますが、私が感じた印象はずいぶんと違うものでした。

確かに、4チームで戦うリーグ戦で3連敗ということは、全ての対戦相手に負けているということで、目も当てられない結果というほかありません。次節にも予選リーグ敗退が決まりかねない崖っぷちの状況です。

しかし、この試合を見る限り、「鹿島はうまいなあ」というのが私の印象です。負けているのにうまいと感じた理由をご説明します。

立ち上がりこそ、相手に押し込まれ、前半10分という早い時間帯にフリーキックから失点してしまいますが、半分を過ぎたあたりから徐々にボールをつなげるようになっていきました。前半36分には高崎のゴールで追いつき、そのまま前半を終了します。前半の前半だけみると、相手にまったく歯が立たない感じでしたが、徐々に慣れてくるとボールをまわせるようになり、パスがつながり、相手陣で過ごす時間が増えてきていました。その中での得点で、むしろ鹿島が押し返している印象でした。

後半は、相手も気を引き締めなおしてくるだろうと予想しましたが、後半7分に逆転弾を打ち込んだのは鹿島でした。後半立ち上がりの広州恒大は、気を引き締めるどころか、ディフェンスラインがルーズで、これならいくらでも崩せるなあと思いました。しかし、ダメ押しの追加点を取る前に相手に、同点弾と逆転弾を許してしまいます。同点弾はフリーキックからでした。

フリーキックを与えるのは審判ですが、このへんの審判のジャッジはひどいもので、「倒れたら笛」という感じでした。前半に土井聖真にスパイクの裏を見せながらスライディングしてきた選手は見逃しておきながら、鹿島の選手が体を張ってディフェンスに入ると「ピーピー」笛を吹いていました。これに気を良くたのか、広州恒大の選手は本当に良く倒れていました。そしてボールはすべて相手ボールでのリスタートとなってしまったわけです。

確かに、相手の3点目、リカルド・ゴウラーのシュートは鹿島のミスからでしたし、4点目も中央を割られてのゴールでした。その前の2点はいずれもフリーキックからでした。

一方、鹿島の3点はいずれもボールを回して相手の守備を崩してのゴールでした。

そこを見る限り、鹿島は優勝候補と呼ばれている広州恒大を、ちゃんと3度も崩して得点しているわけで、堂々とした戦いぶりでした。

相手のブラジル人二人はさすがに、力があって個人で打開できる能力を持っていました。

一方の鹿島は、流れの中からきちんと相手を崩して3点取っているわけですから、私は言われるほど差があったとは思いませんでした。

この違いは、よく日本代表のサッカーでも言われることですが、「きれいに崩そうとし過ぎる」という批判が当てはまると思います。

パスを回すことで少しずつマークをすらして、相手のギャップを突く、美しいサッカー志向が強すぎて、強引さが足りないように思います。

これは、個人の決定力の不足を組織で補おうとする日本サッカーに共通するメンタリティーではないでしょうか。

「1人で突破できないなら、数的優位を作れ」 その結果、日本人選手は、相手陣に入ってもゴールマウスを見るのではなく、味方選手を探す傾向が強いように思います。広州恒大の二人のブラジル人選手はそうではありませんでした。最短距離でゴールに向かうメンタリティーがありました。

私が特にそう感じたのは、交代で入った二人の鹿島の選手のパフォーマンスの違いがとても印象深かったからです。

カイオは懸命に一人で仕掛けようとしていたし、本山は連携で相手を崩そうとしていたからです。

ACLにおける日本チームの成績は惨憺たるものです。ここまで鹿島と浦和が3連敗、ガンバが2敗1分けです。

1人柏レイソルだけが気を吐いていますが、今度、じっくりと吉田達磨新監督のレイソルを見てみたいと思いました。そこにはACLを勝ち抜くメンタリティーが隠れているのかもしれません。そして、そのメンタリティーはとりも直さず、日本が世界で勝つためのメンタリティーに通じているはずですから。

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