CHANT(チャント) 日本代表

日本の次のサイクルとボランチ

2015/01/29 14:29配信

武蔵

カテゴリ:コラム

●ひとつのサイクルの終わり

日本のアジアカップが終わりました。もちろん、アジアカップ2015自体は未だに開催中であり

悲願のアジアカップ優勝を目指す韓国は決勝進出を決め、

地元開催でなんとしても優勝をつかみたいオーストラリアがその韓国の待つ決勝へ向かうために、準決勝を戦います。

大会自体はまさに佳境と言って良いでしょう。

しかし、日本は敗退しました。

準々決勝のUAE戦にPK戦で敗北、96年大会以来のベスト8での敗退です。

日本のアジアカップでの、これほどの早期敗退を経験したことがないという向きも多いのではないかと思います。

そんな前代未聞の事態に面して、うろたえる人というのは少なくないでしょう。

結果が出なかったから、アギーレ監督を解任せよという声が著名なサッカー関係者の中からも漏れ聞こえてきます。

中でも残念なのは、大手のマスコミは自分たちの巻き起こしたアギーレ監督の

「八百長疑惑」と今回の結果とを合わせ技で解任だという論調がある事です。

自分たちが散々煽った「八百長騒動」の辻褄を合わせようという狙いがあるように見受けられ、

およそ日本サッカー界を思っての言動とは思えません。結果に内容を重ねて吟味し、

それでアギーレ監督は解任した方が良いだろうそういう流れの論調ならばいくらでも拝聴したいと思いますが、そうではなさそうです。

重ね重ね、至極残念なことです。

今回のアジアカップの結果は、日本にとってポジティブなものではありませんでした。

しかし、それはサッカーでありがちな言を用いれば「サイクルが終わった」ことを示しているのではないでしょうか。

このサイクルとは、南アW杯最終予選辺りから固まった、

チームの軸と言えるボランチコンビの遠藤-長谷部体制を主に指すものですが

それは、ネガティブなことではなく、あって当然のものですしその後の運用次第でポジティブにもネガティブにもなり得るものです。

このような、ひとつのサイクルが終わった時に限らず常に必要なものはチーム内の競争です。

それが若干、急を要するようになったということに過ぎません。

アギーレ監督に限らず、就任から半年で結果を出し、サイクルの循環も完了させる、というのは不可能と言っていいでしょう。

アギーレ監督の真価が見られるのは、確実にここより先だということは言えます。

再スタートとして、また3月シリーズの代表選考ではワクワクするような新戦力の発掘を見ることが出来ると期待しています。

そういったワケで、日本の次のサイクルを担う選手を挙げたいのですがこの選手より重要な「新戦力」はいないだろう、という選手です。

難しいのは、今回のアジアカップへ向けて10月くらいから準備してきたサッカーは

どう考えてもアジアの格下相手を強く意識した戦術であったということです。

リスタートである3月シリーズ以降でもそれを踏襲するかどうかは微妙ですが

そもそもの出発点として考えられるのが、日本人選手のゾーンディフェンスへの

無理解があるのではないか、という説があるのでまたなんとも微妙なところではあるのです。

アギーレ監督がスペインのどのクラブでも採用していた442を採らないのもこれがあるからではないか

ザッケローニの失敗を学習した結果ではないか、という懸念があります。

従って、今回はアジアカップ仕様のサッカーをベースに考えていきたいと思います。

とはいえ、この選手はどちらにせよ強く推せる選手ではありますが。

●山口蛍(C大阪 1990年10月6日生)の動向

既にW杯のスターティングメンバーさえ経験している選手を挙げるのはいささか気が引けますが、「アギーレ体制」においては新戦力です。

また、もちろん年齢に関しても2018年には主力となっていてほしいものであります。

彼の特徴は「気が利く」ことだと思っています。

今では運動量を生かし、ボールの有無、攻守を問わずに動いて、局面を変える力のある選手ですが、

ユース~プロ入り直後は典型的なボールプレイヤーでした。

そこで壁に当たり今に至るワケですが、そこでの経験が生きているように思えます。

つまり、高いレベルのボールプレイヤーの気持ちを汲み取って動くことが出来るバイ・プレイヤーへと進歩したと言えるのではないでしょうか。

高いレベルのボールプレイヤーの多い現代表において、彼の価値は相対的には高いレベルを維持していると言えるでしょうし

また、現代表に無い、高いボール奪取能力は、現在のトレンドと言える素早い切り替えからのカウンターにおいては主役となり得ると言えます。


懸念材料があるとすれば、チーム事情です。


昨季、所属チームであるC大阪では残留争いに巻き込まれましたが

その中でケガを負ってしまい、9月以降は試合に出ることが出来ませんでした。

問題は、その残留争いのさ中、復帰を焦ってケガをこじらせてしまったことです。

クセになりやすい筋肉系のケガではないとはいえ、明らかに運動能力にマイナスに働くことでしょう。

それと、ここでも書いたとおり、今季はJ2が主戦場となります。

海外移籍の噂は絶えませんが、それも早くて夏以降となる見通しです。

思えばG大阪がJ2で戦っていた2013年、遠藤保仁と今野泰幸はJ2と代表のレベルの違いに苦しんだと言います。

代表に選出されるのであればハンデとなる可能性がありますしそもそもの選出に関しても不利となってくるかもしれません。

しかし、アジアカップでも一定の結果を出した柴崎岳とともに遠藤-長谷部ラインを超えるコンビを形成できると思うのは

山口蛍をおいて他にはいません。

日本代表の次のサイクルを、彼らが担えば、今度こそ結果と内容が付いてくるのではないかと思います。

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