CHANT(チャント) 日本代表

日本対UAE 「取りこぼし」を呼び込んだ準備不足

2015/01/27 14:31配信

武蔵

カテゴリ:コラム

アジアカップ準々決勝・日本対UAEを改めて振り返ってみたいと思います。

誰もが知っての通りだと思いますので、結果から先に書いておくと1-1の同点のままPK戦に突入し、PK戦で日本が敗戦となりました。

この敗戦で言えることは、日本は96年以来のベスト8での敗退となること次回のアジアカップ2019には予選からの参加となることなど

いろいろありますが、だから「UAEの勝利」ではなく「日本の敗退」と書いているワケではありません。

もちろん、自国贔屓というワケでもなく。単に、試合の内容的に「日本の取りこぼし」というのが相応しいからです。

●UAEの「準備」

これは改めて言うまでもなく、PK戦は運の要素が強いです。

通常のサッカーとはまるでかけ離れたところにあるのがPK戦であり経験者ならばより分かると思いますが、

PK戦に対する準備、練習並びに実戦においても、指導者も選手も、スパッと180度頭を切り替えて臨まなければなりません。

従って、有名な選手がいるとかFIFAランクがどうのとかでは計ることは出来ません。

ただ、そこも含めて、日本はアジアカップで勝つための最善の準備よりもチームとしての完成度を重要視したとも言える可能性があり

PK戦に関して周到に用意した痕跡がありありと見えたUAEとは差があった、ということが言えるでしょう。

特にUAEのオマル・アブドゥルラフマンのクッキアイオは見事でした。

アレにより、GK川島のリズムは完全に崩され、以降の5本のうち、4本まで逆を衝かれる結果となりました。

UAE2人目のマブフートのキックの時にはクッキアイオを意識したのか川島はⅠ歩も動けませんでした。

それはUAEのGK・ナセルが、PKストップは無かったもののことごとく日本のキッカーのPKに反応出来ていたのとはあまりにも対照的でした。

日程の面では日本が非常に不利だったと言えます。

日本は中2日なのに対してUAEは中3日でした。

真夏で高温多湿のオーストラリアにおいての中2日は非常に不利であったと言えます。

現に、立ち上がりに喫した失点は、よくいう「フワッと試合に入った」という現象だったと思われます。

つまり、疲労を意識したトレーニングメニューが続き選手の意識もそこに固まっていたため、スタートから試合に入っていくことが

出来なかった、ためらわれた、ということが言えるのではないでしょうか。ただ、それに関しては最初から分かっていた話です。

GL初戦・パレスチナ戦の後半の停滞のおかげで得点が不足そのため、GL3戦目のヨルダン戦もターンオーバーをすることが出来ませんでした。

日程面を逆算した戦い方、心構えが出来ていなかったと責められても仕方がありません。

ちなみに失点シーンは、4141で守る日本の穴を衝いたものでもありました。

守備が得意でない乾の裏のスペースに入れて、対面の長友を引き出し、

日本のDFラインがズレるかズレないか判断の迷いがちなところへすかさず裏への縦パス

日本を格上と見るような国でも出来るシンプルな崩しでの得点でした。

UAEは用意周到にこのパターンを窺っていたのでしょう。

キチンと準備をした結果の崩しで、非常に良かったと思います。

準備不足といえば、この場面でGKの川島はこのシュートに対する準備が出来ていないように思えました。

あのタイミングでシュートが来るとは思っていなかったという節が見受けられます。

このように、日本には随所に準備不足がありました。

この準備不足が試合を方向づけたと言ってよいでしょう。

●日本の「準備」は空回り

日本の準備とは、中東対策としては定石といえるものでした。すなわち、サイドを突破しクロスを上げるというものでした。

これ自体はなんの非難される謂れもありません。全盛期のサウジアラビアやイランより下の中東の国は、

なぜか軒並み、クロスに対してボールウォッチャーになってしまう傾向があります。それは今回のUAEも同様でした。
現に日本はこの試合でクロスから決定機を複数作ることに成功していました。
前半の乾のヘディングシュートは、前半の日本の最大のチャンスであったと言えます。
クロスがやはり有効であること、乾のヘディングが弱いことを憂慮したのか後半頭から乾に代え、よりフィジカルに優れる武藤を投入しその武藤がクロスにフリーで飛び込んで、ドの付くほどの決定機を迎えます。
正直、決定機を決めることに関しては選手の責任だと思いますのでクロスを戦術の中心に考えるのは間違っていなかったと言えます。
ただ、終ぞ今回のアジアカップで出番のなかった選手はフィールドプレイヤーでは5人いるのですが、その中の小林悠を使っていれば決めていたのではないかと思いました。小林悠にとっては得点パターンと言える形だっただけに、惜しいことをしたと思いました。ただ、100%結果論ですが。
またその後、岡崎のアクシデントで投入された豊田もクロスから決定機を迎えますが枠を捕えられませんでした。
結果に結び付かなかったのは非常に残念です。
そして準備の質と言えば日本の得点シーンです。日本の得点シーンでクロスに出番はあったでしょうか。
サイドからのクロスが有効に働いて、UAEの守備は真ん中が空くことになったと言えるでしょうか。
その2つともが、NOと言わざるを得ません。ゴール自体、特にシュートの質は素晴らしかったですが
UAE戦を前にしてきた日本の準備は、残念ながら空回りだったと言わざるを得ません。
準備に関してもうひとつ付け加えるなら
UAEは日本との力の差を感じたのか、延長後半にはPK突入のための時間稼ぎをすることがありました。
日本は長友にもアクシデントがあったため、実質10人となっていたにも関わらずです。
準決勝以降は累積警告がリセットされることからか、わざとではないかと言えるイエローカードの貰い方をする選手もいました。
UAEはそれだけ自信の持てるほどの準備をしてきたということでそれが理解できた時には、日本は敗退していました。

Good!!(100%) Bad!!(0%)

この記事も読んでみる