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「乱獲補強」と言われて・・・ 浦和の補強の是々非々

2015/01/09 14:35配信

武蔵

カテゴリ:コラム

12月22日(一部地域では23日)発売のサッカー専門紙・エルゴラッソにて

「乱獲補強」という見出しとともに紹介された、今冬の浦和の補強。

乱獲という言葉の意味からすれば、非常に過激で攻撃的な見出しで

「獲れるから獲った」

「とりあえず名前が売れている選手を」

「自チームの現段階の編成を考慮に入れていない」

というような批判を交えた取り上げ方ととられても仕方のないものでした。

では、浦和の今冬の補強は本当に、その手の批判に値するものだったのでしょうか。

契約社会においてはお門違いな批判

それは移籍に対する考え方です。

まず断りを入れておきたいのは、移籍は自由だということです。

移籍オファーがあり、所属元のクラブと選手が同意すれば、移籍は完了します。

それは契約切れによるゼロ円移籍でも、違約金の発生する移籍でも同じことです。

そこにはただ一人の悪者も存在しません。


サポーター心理として、強いて悪者を作り出したいという気持ちもあるでしょう。

しかしそれならば、強いて言うならば、

対策を講じることなく流出を許した所属元のクラブが

責められるべきではないかと思います。

規模の小さいクラブが、選手や、時にはスタッフの流出を許すのは仕方のないことです。

選手にも夢や希望があります。

在籍時の言動などはひとまず置いておいて、その移籍を批判するということは

サポーターがその選手を下に見ているから、サポーターはお客様だと奢っているから

ではないでしょうか?

今回のエルゴラッソはその心理におもねる形になっているように見えます。

「被害者の会」などという表現は、明らかに行き過ぎです。

例えば昨今のアルビレックス新潟のように

複数年契約を結ぶ努力をしたり、選手に新潟でのやりがいを説く

一方で、契約でゴネる選手はエースでも干し、放出も辞さないという対策を

することは可能なはずです。


今回のエルゴラッソの記事は、そのようなクラブ側の努力の放棄に

手を貸した格好となったと言えるのではないでしょうか。

浦和が目指すもの、目指すべきもの

さて、実はここからが本題です。

浦和にとって問題というか、考えるべき点が全く無いワケではありません。

つまり、上記で挙げた点の3番目

「編成」を考慮に入れた獲得であるのか、ということです。

合意を得ていれば責められる筋ではありません。

しかし、例えば出場機会がなければ選手にとって不幸な移籍となるかもしれませんし

クラブ側も、投資額に見合わないリターンしか得られないことになります。


浦和が目指すものは、来年に持ち越しとなった、2007年以来の主要タイトルの

獲得です。

特に、2014シーズン、あと一歩のところで逃したJリーグのタイトルは

来シーズンの最大目標となるでしょう。

今冬の補強はその為にあるべきです。

一方、目指すべきものといえばなんでしょうか。
それは下部組織の選手を生かし、トップで育て上げ
そして、ゆくゆくは成績と両立させていくことでしょうか?
いいえ、そうではないはずです。
目指すべきものも、目指すものと同じく、タイトル奪取であるはずです。

浦和は2009年、初代・Jリーグ最優秀育成クラブ賞を受賞しました。

この賞の受賞基準は、その年に下部組織から昇格した選手がどれ程活躍したかが

メインとなってきます。

その年の浦和は、飛び級昇格の原口元気、山田直輝、高橋峻希、濱田水輝などの

2008年の高円宮杯の決勝で名古屋U-18に9-1で勝ち、優勝した

いわゆる黄金世代が軒並み昇格し、原口と山田に関してはいきなりの活躍を見せ

文句無しの受賞となりました。

しかし、それらの選手達は浦和にタイトルをもたらすことはありませんでした。

原口はドイツへ移籍、山田直輝は度重なるケガの後、今冬は湘南へのレンタル移籍

高橋峻希は現在では神戸でレギュラーに定着という現状です。

つまり浦和は、一度は育成部門の頂点を極めながらも

育成をトップチームの結果に結び付ける事が出来なかった、と言えるのです。

ミシャ・ペトロビッチ監督の招聘以来続いてきた、いわゆるミシャ式への

順応性の高い選手を引き抜くという強化方針は「育成型クラブ」からの

変換の結果なのです。

そして結果を見てみれば、タイトル獲得まであと一歩のところまで

ようやく戻ってきたと言えるのではないでしょうか。

今はこの路線で、何より結果を求めるのがベターだと言えるのではないでしょうか。

個々の補強診断

今冬、獲得した選手達を見ると、理に適った補強と言える選手が多数です。

ズラタンは今トレンドとなっている、デカくて速い選手で

大宮では既に実績を挙げています。

ペトロビッチ監督と気心の知れた東欧系で、

特殊な戦術への適応もスムーズにいくことが見込まれます。

高木俊幸は、原口放出後の待望の、1人でフィニッシュまで行けるドリブラー獲得と言えます。

しばらくWBへの対応が求められていた梅崎よりも、生粋のドリブラーと言える

高木俊幸の加入は大きいのではないでしょうか。


フィジカルに優れた石原は、技術豊かな選手の揃う浦和において、良いアクセントになるのではないでしょうか。

広島からの移籍ということで、戦術への対応も可能なのではないでしょうか。

浦和の左サイドは、槙野や宇賀神、梅崎のような逆足カットインを得意とする選手が

多く所属しますが、その中で橋本和は異彩を放ちます。

33節の鳥栖戦、李忠成のPK奪取へと繋がった、右サイドからの宇賀神のフィードを

より頻繁に左サイドから供給してくれるのではないでしょうか。


加賀は3バックでこそ生きる選手です。

特に、攻撃時に広大なスペースを空けるため、カウンターでの失点が目立つ浦和に

とっては、個人能力でそれを防ぐことに長けた加賀は

要所でその能力を発揮することになるでしょう。



総年俸では2位を大きく離したダントツの1位である資金力を存分に生かした

格好となった今冬の補強、という見方が出来るでしょう。

そのおかげもあって、層の厚さはJリーグでも随一と言える陣容が揃いました。

今年はACLもありますし、それを含めたタイトル奪取へ向け、

重要な1年になることは間違いありません。

Good!!(30%) Bad!!(70%)

武藤に対して何もない…

名無しさん  Good!!1 イエローカード0 2015/01/13|18:47 返信

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