CHANT(チャント) 湘南ベルマーレ

意図のある連敗 来期へ向け「試す」湘南の課題と期待

2014/11/25 13:23配信

武蔵

カテゴリ:コラム

Jリーグディビジョン2で圧倒的な強さを誇り、昇格をいち早く決め、更には優勝までも決めてしまった湘南ベルマーレ。


9月23日にJ1昇格を決めるまで、6分1敗。
そしてあとの26戦は全て勝ちという、まさに圧倒的なペースで勝ち点を積み重ね、史上最速の昇格を決めたというわけです。

しかし、優勝を決め、賞金の2000万円獲得を決定させたあとから連敗を喫しました。

もちろん今年になり初の連敗です。

その原因はどこにあったのでしょうか。

そこには、既に来期へ目を向けた故の課題が見えてきます。

それは決して、よく走るチーム特有の夏場の不調などではなく、もっといつでも起こり得る課題のように思えます。

ただそれらは意図して引き起こしたものであることも明記しておきます。

課題①:プレッシングでプレッシングが不発

今期の湘南を称して「日本のドルトムント」と言われることが多いです。

なぜそう言われるかはそのまま、湘南のボール奪取法に理由を求めることが出来るのですが、

それはつまりゲーゲンプレッシング(≒カウンタープレッ

シング)ということが出来るでしょう。

ドルトムントはサッカーの高速化をもたらしたと言われます。

それがセンセーショナルなものであることはご存知の向きも多いと思います。

湘南は日本において、それに負けず劣らずスピーディーな戦いぶりを見せています。

その根幹となるのがゲーゲンプレッシングです。

ボールを失った時に、人数をかけ、また猛烈なスピードでプレッシャーをかけ、ボールを奪い返すことで、

相手は自陣に近い状態でボールを失っているため、その相手に守備が整ってない状態での守備を強いる、

カウンター返しのような状態に追い込むことが出来るというものです。

このゲーゲンプレッシングで重要になってくるのは

ボールを保持する時から、プレッシングをかける時の事を想定することや

ボールを縦に入れた時にあわよくば収めてそのままフィニッシュまで行けてしまう前線、ドルトムントではレヴァンドフスキ、

湘南ではウェリントンのような強力なFWもそうですが

なにより相手のゴール近くでボールを保持することです。

つまり、自分たちの意図する形でポゼッションをしなければならないということです。

ポゼッションが安定しないうちに苦し紛れに放り込むことになれば、前線で収めることが難しくなるばかりか、

準備と人数の不足により、ゲーゲンプレッシングをかけることもままならなくなります。

湘南は3バックで、3CBを務めるのはいずれも他のポジションも出来る技術に長けた選手たちですが、

この2戦では、それならばなおさら自由を奪わねばならぬとばかりにプレッシングをかけられていたように思います。

自由を奪われた湘南はこの2戦、ゲーゲンプレッシングも不発だったと言えます。

これに関して湘南はひとつ、札幌戦で左利きの大竹を、主に2列目の利き足のサイドに置くことを試しました。

また、ゲーゲンプレッシングのかからない状況で、やり切る、フィニッシュで終わる形を増やすことで乗り切るつもりかもしれません。

ですが、その崩す形においてはまた別の課題が出てきました。

課題②:ウェリントンがいない時

これは明らかに「試し」でしょうが、この2戦でウェリントンが不在でした。

その状況で目立つのは、ウェリントンの不在により小兵揃いとなった前線による細かいパス交換による中央突破です。

湘南の攻撃の特徴として、豊富な運動量で人数をかけてサイドを崩し、ラストパスを送るという形があります。

WBにサイドのCBが勢いを持って駆け上がり、サイドを崩すというのが湘南の常套手段ではあります。

しかしその場合、あくまで崩すのはサイドなので、ラストパスはクロスとなる場合が多く、ウェリントンの得点パターンのひとつであり、今年の湘南を何度

も窮地から救ってきたパターンと言えます。

それを、この2戦のウェリントンの不在で自ら封じたことで、中央突破を繰り返し、奪われてカウンター、という場面が特に札幌戦で目立ちました。

ウェリントンは来期も湘南にいるとは思いますので、これは崩しのパターンを増やすべく取り組んだ明らかなテストケースではあるでしょう。

前線3枚のスタメンも、2戦のうちで武富を除いて入れ替えられていることからも分かります。

しかし、今年のウェリントンのイエロー累積が6枚ということ、前線のプレッシングが作戦の柱であること、来期はもっとシビアなJ1での戦いであることを

踏まえたものであるかもしれません。

そしてそれは実を結んでいなかった事は明記せねばなりません。

チャレンジャーであり続けた湘南に対する来期への期待

とはいえ、湘南に対しては非常に期待する部分が大きいです。

なぜかというと、日本において特殊で特化したサッカーであるからです。

このサッカーで、日本のトップカテゴリーでどこまで行けるのかが単純に楽しみです。

また、このサッカーは、王者か挑戦者かといえば間違いなく挑戦者のものだと言えるでしょう。

J2でも挑戦者であり続けた、走り切るサッカーで得た自信は、来期間違いなく挑戦者として挑む際には十分に生かされることとなるでしょう。

そんな湘南は残りのJ2ライフを有意義に過ごし、完成型に近い状態で来期に挑むことが出来るでしょうか。

目が離せません。

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