CHANT(チャント) 湘南ベルマーレ

【湘南ベルマーレ】 貫き熟成した湘南スタイル J最速のJ1昇格を掴んだ欠かせない100% 【J2】

2014/09/24 10:39配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム

 

今年、日本サッカー界で大きなニュースとして取り上げるとするならば、外せない出来事のひとつに
湘南ベルマーレの圧倒的強さが挙げられることだろう。

毎年、J2の昇格争いは注目を集めるが、今年のJ2での湘南の戦いは序盤から注目を集めた続けた。

スタートこそ8位となったもののそこから2位を一度踏んでから1位へとすぐに上がり、そのままずっとシーズン中1位をキープするほどに湘南は強さをみせている。

現在湘南ベルマーレの勝ち点は9試合を残し勝ち点84。
残り9試合ということは9試合×勝ち点3=勝ち点27を湘南が全く取れないとしても2位より下にはなることがない現状。

湘南ベルマーレのJ1昇格が決まった。


33試合で得点は70。
当然リーグで圧倒的な得点数を誇る。
そして33試合で失点はなんとたった18。
得失点差52という圧巻の強さを誇っている。

何より驚くことに33試合で負けた試合はたった1。
最近の湘南はちょっと勝つスピードがゆるんだなぁと感じていた人もいるかもしれないが、湘南は一時期よりも勝ち続けていなくとも負けてはいなかった。
引き分けの数は重ねたが、それでも負けはたった1試合のみ。

J最速での昇格となった湘南ベルマーレの強さは、歴史に残る強さだといって良いだろう。
J1から降格し、チームの中心選手だった高山が柏に移籍してしまった湘南だったが、衰えることはなかった。
むしろステージが下がったはずの場所で湘南は去年よりも強く在った。

それはJ1という場所で得た経験から得た強さだった―。

●縦への意識の高さ


湘南ベルマーレが強いある秘訣のひとつに縦への意識の高さと統一がある。

海外のサッカーを毎日のようにチェックし、なぜ強いチームは強いのかというところに重点を置き勉強を続ける曺監督が見つけ出した、ひとつの道が「縦パス」というひとつの武器だった。

バルセロナやバイエルンといえばパスサッカーだが、パスは攻撃のためのひとつの手段だと曺監督は考えている。
サッカーは難しいながらも単純に考えることを捨ててしまっては全体を観ることはできない。
前に出されるとイヤで後ろに下げられるとラク
そのサッカーの単純明快な部分をシンプルに考え、縦パスを積極的に使うことに徹底した。

縦パスを使うことで相手にそのボールを取られてしまうリスクが生まれるが、常に縦にパスが出ることを考えた戦術が湘南には組まれている。
縦パスがどんな状況でもどんな選手からでも出るように考えられて練習を重ね、縦パスが出て相手にカットされたことを考え、その縦パスが奪われたときに即座に2人3人で囲みボールを奪いに行くというスタイルが湘南スタイルのひとつなのだ。

ボールが動く前から選手たちが意識を持ってすぐに相手を囲み、ボールを出すところを防ぐことや、プレスによって相手にパスコースを限定させることでボールを第3、第4の選手が奪う。
そして即座に湘南は攻撃へと転じ、縦パスを入れる。

縦パスを入れるコースがないのなら選手たちが連動して動くことでコースを作る。
それは選手たちにしっかりと根付いた湘南の動きだ。

若い選手起用と、この湘南スタイルを徹底してきたからこそ一昨年のJ1昇格があった。
そして昨年は1年で降格となってしまったものの湘南はJ1に爪痕を残す記憶に残る結果をポイントながらに残してきた。

降格となっても湘南はスタイルを変えることはなかった。
湘南フロントは十分に曺監督の功績を認め、もっと成熟させることでチームを作る未来をみていたのだ。

降格になったり成績が悪いとすぐに責任問題へと発展し、監督の交代やフロントの責任ある立場の人間が解任や辞任など
責任=辞めろ
という道になることが多いが、それはひとつの道ではあるが絶対ではない。
新しいことを取り入れることはとても難しくリスクも背負う。
手ごたえがあることは多少のリスクを背負ってでも続けることで負う責任もあるのではないだろうか。

湘南ベルマーレは降格をしても下を向くことはなかった。
目指すものは湘南スタイルの確立だった。

やることは変わらない。
しかし、J1で自分たちが通用したところ、そして通用しなかったところという大きな課題を持って降格したからこそ
それを無駄にすることはできない。
その課題を克服するためにチーム作りを行ったことで今の結果がある。

●J1で得たものは常に強くあれということ

湘南ベルマーレがJ1でできなかったのはどういったところなのか。
若いチーム上の経験か
それともJ1の技術や質についていけなかったからか

そういったものではない。

湘南がJ1で落し物をしたとすればそれは、強気であることだ。

リードしているときに守りに入ったが、相手に得点される試合があった。
リードしている点を守るのもひとつの試合の流れ方ではなるが、その結果追いつかれては意味がない。
守るはずが守れないのではなく、リードしている時も積極的に次の得点へ向けて攻撃をすること。
もう1点を取りにいくチャレンジが足りなかったと曺監督は振り返った。

そういった守りに入ることを否定することではないが、湘南スタイルとしては違った。
リードしていても得点を奪いに行くことはやめない。そう決めたのだ。

J1ではどれだけ走っても簡単な一本の縦パスからやられてしまったり、どれだけチャンスを作ってもゴールまでが遠く感じたこともあった。
だからこそ、J1で得たことを踏まえてその基準で練習していくことを決めた。

J1はやはりJ2よりも難しい場所だった。
その経験、その悔しさを無駄にしないために、糧とした。


●走り続けるということ

湘南の選手たちが1試合で走る距離の平均は125キロ。
サッカー選手は11キロから12キロ走ると言われているが、ポジション別にみるとGKはもちろんポジションによってはそこまで距離がつみあがらないポジションも存在する。
しかし、湘南ベルマーレはGK以外のポジションの選手は全員で攻撃全員で守備といったサッカーをするため、どんな選手もポジション関係なくピッチの上を走り回る。

かなり高い位置でのプレスに行くのは縦パスを入れることのリスクをフォローするためだ。
奪われたらすぐに奪い返す。
その湘南スタイルをするには誰より走ることが求められる。

それだけ走るのだから、選手たちの疲労は相当なはずであり、キツい試合が続く。
それでも今年の湘南の選手たちは本当に試合が終わった後、良い表情をしていた。

自分たちのしていることが、そして監督のサッカーが、湘南スタイルが
形となって結果を出していること、出せていることに
手ごたえを感じながら、楽しい!というのが全身から出ているのだ。

それだけ走る試合だからこそ、試合が終わったあと勝っているチームながら足をつってしまう選手もいる。
それでも笑顔でやりきった!という表情をみせ、喜ぶ姿は今の湘南というチームがどれだけ良い雰囲気かということが伝わってくる。

豊富な運動量とそこから生まれる速いプレス、素早い攻守の切り替え、ドリブルやスペースに走り込む速さ
それらすべてが湘南ベルマーレの武器となった今年

圧倒的な強さをみせつけ、J2のクラブは湘南ベルマーレに食いつくことができない結果となった。

圧倒的な存在感と強さで湘南ベルマーレはその勢い止まることなく昇格を決めた。


9試合27勝ち点を落としたとしても2位以下になることはない。
勝ち点27差以上ついている3位以下との差。

この数字だけでも驚異的であることがわかる。

まだリーグを9試合残しているものの、考えてしまわないだろうか。

今の湘南ベルマーレがJ1相手にどんな戦いをするのか、ということを。

クラブライセンス交付前に昇格条件である成績条件を満たした湘南ベルマーレは、ライセンスの交付はほぼ決定的であるため来年再び湘南ベルマーレはJ1の舞台に立つことになる。
J2で圧倒的な強さを誇った湘南がJ1でどこまでやれるのかというのは、J2全体のひとつの物差しにもなる。

J2で優勝し次の年にJ1で優勝をしたクラブも存在する。
湘南ベルマーレの来年の戦いが今から楽しみになってしまいワクワクしてしまう。

まずは残り9試合も湘南スタイルを貫き、残っている勝ち点27をすべて取りに行くつもりで戦ってほしいと願う。

昇格、そして次の近い目標はJ2優勝だろうが、それで終わりではない。
今年一年J1を意識し戦ってきたからこそ、J1でどれだけチャレンジできるか、そこが目標だ。

降格の悔しさ。
自分たちが通用しない部分でぶつかった壁への衝撃はまだ忘れていないはずだ。

その壁をぶち壊すために、また湘南スタイルを熟成させ、挑む。

湘南ベルマーレが積み上げた湘南スタイル。
それは曺監督とそれを信じて一体として戦う選手たち。
そして共に歓び共に戦い、共に苦しみ共に魂を持ってきたサポーター

すべてが欠けることなく100%で戦うことが

「湘南スタイル」。


2014年9月23日。

J1昇格を決めた湘南ベルマーレに

 

 

おめでとう。

 


 

Good!!(95%) Bad!!(5%)

この記事も読んでみる