CHANT(チャント) FC東京

営業もサッカーも「武藤頼み」なのか。FC東京の現状。

2014/09/22 16:54配信

武蔵

カテゴリ:コラム

FC東京、Teddy Bear Dayを巡ること

早いもので、2014年のJリーグも9月23日(火・祝)で第25節を迎えました。いろいろな事が多かったW杯イヤーでしたが、本当に早いものです。そのW杯の影響もあってか、単に祝日で動員が見込めるからか、Jリーグは20日(土)から23日を経て27日(土)と連戦になり、その中日と言える23日に、露出的には今をときめくFC東京がホーム・味の素スタジアムに最下位・徳島ヴォルティスとの一戦でした。

相手の徳島は、エステバン、アドリアーノ、村松大輔といった選手を獲得する大型補強を敢行し、その上で5バックへの移行をし、残留へ向けひとつでも多く勝ち点を積み上げるべく、シビアな戦いをしているチームでしたが。結果は4-0の快勝とやっと勝ちきることが出来ました!


ところでこの一戦はご多分に漏れず、ありがたいことに今やJリーグの試合では欠かせぬ存在となった「○○プレゼンツ」のような企業協賛マッチであるのですが、この試合は、FC東京にとって最早この時期の風物詩ともなった三菱商事協賛による「Teddy Bear Day」なのです。

これは、アウェイ側以外のゲートから入場するお客さんに10cmほどの熊型ストラップと抽選券を配布し、ハーフタイムの抽選に当選すると、大小それぞれの熊のぬいぐるみが貰えるというものです。ちなみに大きい熊だからといって大熊さんが貰えるわけではありません。

問題はそのような小ネタではなく、その宣伝にあります。問題といってもさしたる問題ではなく、むしろ涙ぐましい営業努力なのですが、FC東京公式サイトのトップページにあるこの徳島戦の告知が、現在では武藤嘉紀になっていますが、これは途中で、というか代表戦で武藤がブレークした後、差し替えられたものなのです。ちなみにその前には徳永悠平でした。

熊のぬいぐるみが誘い水となっている試合は当然、女性や子供、そして家族連れがメインターゲットとなることでしょう。そこに既婚であり、ルックスも野性的な徳永が熊と並んで収まった写真を掲載するよりは、代表戦でブレイクした武藤にするというのはある種当然で、責められるべき事柄は何もないと思います。

しかし、私はこれを見て、あからさまだなぁ、と感じました。
そのようなこともあり、クラブの営業としてもかなり武藤にシフトしているのを感じる中、代表戦後、最初のリーグ戦であった神戸戦では2万人を割っていました。神戸側であるアウェイ席の入りが非常にさびしく感じたとはいえ、FC東京ホームゲームの平均動員は2万5千人前後、土曜の夜、代表のベネズエラ戦直後、また、対戦相手の神戸にも代表に3分出場した森岡亮太がいた事を考えると寂しい数字です。この数字は徐々に改善していくとは思いますが・・・

神戸戦、川崎戦のFC東京

神戸戦を見ていて感じた事ですが、FC東京のサッカーが、武藤頼みになっているのではないかということです。もちろんサッカーは1人では出来ませんし、「FCハリウッド」とも言われたタレント軍団であるFC東京でそのようなことが可能なのかという疑問は先に立ちます。しかし、少なくとも点を取るという作業においてはそういった部分があることは否めません。


「攻撃」ではなく「点を取る作業」と表現したことには理由があり、基本的にサッカーは攻撃と守備との境界が曖昧だからです。特に今年のFC東京には良い守備から良い攻撃に繋げるというテーマがある様に見え、その完成度により下位に沈み、一方で中断明け後の6戦4勝2分を達成したという部分があります。

FC東京は4312でブロックを作ります。後ろは43とし、主に7人の形を保って守ることがほとんどですが、これはサッカーのブロック形成において最少人数であると言えます。これ以下で守る場合はカウンターを食らった状態である、とまでは言いませんが、相手の遅攻に対する守備参加する人数が6人以下では、守備が機能しているとは考えられません。

また、43であっても、フィッカデンティ監督のシステム構築における手腕、また、タレント軍団であるFC東京の高橋秀人、米本拓司、羽生直剛の個人能力、バランス感覚でギリギリ保たれている、というのが現状ですので、どこのチームも真似出来るというものではないでしょう。そして、特にこの内の米本と羽生は俗にインサイドハーフと呼ばれるポジションであり、攻撃の際には短くない距離をスプリントし、フィニッシュに絡まないと攻撃に厚みが出ない仕様になっています。特にここ2戦のFC東京にはこれがないことが多く、どうしても前3枚で攻撃を完結させなければならないシーンが散見されることになっています。

その中でも、助っ人FWであるエドゥがその2戦合計して3つのド決定機を逸しており、不調と言われても仕方がない状態であること、また、その3つのドのつく決定機の全てを武藤がメイキングしているということも、いわゆる「武藤頼み」であることを感じさせます。また、天皇杯4回戦の清水戦では、代表戦により不在であった武藤の代わりに出場した渡辺千真は、そのポジションのプレーモデルである武藤の役割を全くと言って良いほど果たせず、リーグ戦ではダブルを決めている相手に苦杯を舐める結果となったことも後押ししていると言って良いのではないでしょうか。

武藤の強みと今後

武藤の強みはいろいろ考えられ、オンザボールではサイドでの1対1の仕掛けに強いこと、オフザボールの動きで、特に相手のSBの裏を取れるポジショニングセンス、勘の良さ、またこれはシーズン当初では信じられないことですが、向上してきたシュート精度などなど多岐に渡り、いわゆる万能選手ではありますが、このようなFC東京の現状を考えると、苦しい時にボールキープ出来る強さ、相手DF裏にロングボールが出た時の反応力であり瞬発力、動き出しや守備を繰り返せるスタミナなどの身体能力がクローズアップされがちとなってしまいます。

そして、プレーにおいて身体能力が前面に出てばかりいると、選手としてそういう方面の成長をしてしまうことは、Jリーグにおいて前例があることから、大いに考えられます。

武藤の万能さ、身体能力の凄さがJリーグの上位陣にも通用し、またそれであるから、それをチームの根幹に据えているという側面もあるでしょうが、チームの成績が頭打ちとなってきている以上、その方向性の転換、または他の選手達の奮起が求められるのではないでしょうか。

Good!!(50%) Bad!!(50%)

この記事も読んでみる