CHANT(チャント) 横浜FC

【横浜FC】 横浜FCのカラー 狙うプレーオフへの全力というチーム力 【J2】

2014/09/19 23:06配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム

14戦負けなし。

これはJ2 31節を終えての横浜FCが積み重ねた記録だ。


横浜FCのその時J2・8位の位置となっていた。

6月から続く負けなし状態は現在も続き、ついにチーム記録の15試合負けなしにあと一歩となっていたがあと一歩及ばず31節長崎に敗戦となってしまった。
過去に15戦負けなしの記録を作った年に横浜FCは悲願を達成している。

 

負けはしたものの14戦負けなしを積み重ねた現実。
横浜FCの勢いはまだ止まって位はいない―。


●横浜FC誕生と過去

横浜FCのスタートはサポーターが創り上げたものだった。
今もなお語り継がれる、起きてはならなかったJリーグ最大の悲劇。

横浜フリューゲルスの消滅―。


Jリーグ開幕からオリジナル10の1つのチームとしてリーグを盛り上げ、当時日本で一番熱く、Jリーグ初のダービーとなる横浜ダービーは熱い戦いを毎度繰り返しJリーグの歴史の1ページとなっていた。
たくさんの名選手を生み、スター外国人選手を有し、存在感あるクラブであったものの当時クラブの大スポンサーの1つであった佐藤工業がスポンサー撤退することとなり、それが原因で横浜フリューゲルスは一番のライバルである横浜マリノスと合併することを発表。

横浜フリューゲルスというクラブは横浜マリノスにFという形で残るだけとなり、消滅という形となった。

突然のクラブ消滅に横浜フリューゲルスのサポーターがもう一度フリューゲルスをと作った市民クラブ。
それこそが横浜FCのスタートだった。

本来ならば神奈川県社会人3部リーグからスタートをしなければならなかったが、日本サッカー協会は特例として横浜FCをJFL準会員としてリーグに参加をすることを認め、JFL横浜FCは昇格し、JFL正会員となった。
そしてその次の年にはJFL優勝という成績を収め、チーム発足からたった2年でJリーグ昇格を手にする。

横浜フリューゲルスとしての魂を残しながらも、「横浜FC」という新しい形の「らしさ」も確立している。
それが現在の横浜FCだ。


●環境への取り組み

Jリーグの各クラブはそれぞれのカラーを打ち出しており、そのクラブの色がなければ激戦区である関東ではクラブとして存在感を出すことは難しい。
神奈川県には川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、そして同じ横浜市には横浜Fマリノスという巨大クラブが存在する。
J3にはY.S.C.CにSC相模原もありサッカークラブ激戦区となっている。
それ故にクラブの特色を出すことは必至であり、横浜FCもカラーを発信することで、クラブの色を打ち出している。

横浜FCの色。それは環境保全に対する活動だ。

横浜FCはプロサッカークラブとしてはじめてISO14001の認証を取得した。
ISO14001とは組織を取り巻くすべての人である地域住民や利害関係者、そして水や空気などを含む物に対し、与えている影響を明確に示し、悪いものを与えているのであれば、それを解決するためのシステムとされており、これを取得することで環境保全に貢献している企業として認められたことになる。

地域に対する環境影響を考え、それらをなるべく出さないようにする仕組みづくりを行っていくことを打ち出した横浜FCは、環境・エコというところに基盤を置き、さまざまな取り組みを行っている。

事務所のCO2排出量の削減やヨコハマG30という横浜市が取り組んでいるゴミの削減に取り組み、ホームゲーム試合では環境PR活動を取り入れ、来場者に環境啓発活動を行っている。
さらに2008年には日産スタジアムで行われたホーム試合にてカーボンオフセットマッチを開催。

カーボンオフセットとは、地球温暖化防止のため先進国の温室効果ガスの排出量が決まっているが、どうしても努力だけでは削減できない温室効果ガスがある。
その削減しきれないと見越した部分を他の機会で削減ができた量をクレジットとして購入し、排出削減や吸収を実現し、排出量の埋め合わせをすることだ。

スタジアム来場者1人につき、×1㎏で二酸化炭素が発生し排出すると測定計算し、その排出量に相当する排出権をクレジット購入することで、カーボンオフセットするという取り組みをしており、2009年からはホーム試合のすべてで取り組んでいる。

難しい話だが、簡易的に言うと来場者が一人でも増えることで地球に排出されるCO2を削減できる。
という取り組みなのだ。

選手やサポーター、クラブ職員などで行うゴミ拾い活動をすることで、試合のウォーミングアップをピッチ横で見られる抽選に参加できたり選手が練習に行く際にハイタッチできる権利を得ることができるといった機会や
不用衣類や古布の回収に協力してくれたサポーターには好きな選手のサイン色紙をプレゼントするなど
環境への取り組みをイベントとして取り入れることで多くの人たちを取り込んでいる。

横浜FCの環境への取り組みに賛同するエコパートナーというスポンサーも多く実現し、環境への取り組みをサポートしてもらうことに成功している。

クラブハウス内や事務所内でも積極的に環境保全活動に努めており、節電対策やゴミの削減、CO2排出削減などに取り組み結果を出している。

地球があるからこそサッカーができる

と当たり前ながら当たり前ではない原点を見つめ、その当たり前に感謝し、当たり前が当たり前であるように保全という行動をすることで、その環境を守っていくのが横浜FCなのだ。

壮大なプロジェクトに感じるが一人一人が意識を持つことでみんなでひとつになって取り組めることとして横浜FCは「色」を打ち出しているのだ。

 

 

●山口監督の想い

現在負けなしを続ける横浜FCを指揮しているのが、山口素弘監督だ。
山口素弘といえば横浜フリューゲルスと思い浮かべる人がほとんどではないだろうか。
そして日本代表でのW杯予選で魅せたあの伝説のループシュート。

横浜FCの監督を山口素弘が務めることになるなんて。
と感慨深いフリューゲルス時代からのサポーターも多かったことだろう。

横浜フリューゲルスでの活動が最後となる天皇杯。
少しでもこのメンバーで戦おうとサポーターとひとつになり挑んだ天皇杯で,横浜フリューゲルスは一番長くプレーすることになる決勝にまで駒を進め、優勝。
有終の美となる最後を自分たちで勝ち取った。
天皇杯を高々と掲げたのは山口素弘キャプテンだった。

あれから13年経った2012年。
山口素弘は監督として横浜FCに就任した。

その時はクラブの英雄である山口素弘を監督にするにあたって、良い状況では決してなかった。
託された時はチームはJ2最下位。
その状況をどうにかして打開しようと横浜FCが招いたのが山口監督だった。

まだJのクラブでコーチの経験すらない監督を頭ごなしに否定する偏見が襲った。
選手と監督は違う、と。

当然その声は山口監督本人の耳にも入っていた。
それでも山口監督は自分のできる自分の指導をストイックに選手たちに浸透させた。

苦しい状況であるクラブは負のオーラに満ちている状態であることが多い。
自分たちに自信を失い下を向いていることが多いのだが、その選手たちに顔をあげろ切り替えろといっても簡易的な言葉だけで動かせるものではない。

監督は切り替え方、顔を上げる理由を選手たちに説いた。
なぜそうしなけれなならないのか、どうして勝たなければいけないのか。
1から10まで選手たちが認識しているとわかっていることでも、コミュニケーションを取りながら言葉にして会話にして指導した。

プレー面でも、どうしてこういったプレーがダメなのか、どうして今のプレーが良いのかという点をこと細かに身体を使って表現し、評価した。
それによって選手たちは自信を取り戻すことができ、顔が上がった。

そうして横浜FCは最下位の位置から快進撃を見せることとなる。

結果的にその年の横浜FCは4位という結果を残し、その年から導入されたプレーオフに出場。
惜しくもJ1昇格を決める場まで駒を進めることはできなかったものの最下位にいたクラブをプレーオフに出場させ4位という結果を残したことは記憶に残る結果となった。

しかし一転、2013年は厳しいシーズンとなった。
チームは10位以上に身を置けたのはリーグスタートから数試合であり、下位に低迷。
降格圏になることはなかったものの結果的に11位というシーズンに終わってしまった。


そして今年。
シーズン中期までは決して良い成績を残しているという状況ではなかったものの、決して悪いチームではなかった。
選手たちのプレーする姿は日に日に団結を魅せ、プレーすることに手ごたえを感じているのではないかと思うような試合展開も多かった。
そして現在、負けなしが続き14戦負けなしとなり一時期は20位まで落ち込んでいたものの 昨年ほとんど上ることができなかった一桁順位である8位の位置につけるなど結果を出してきている。


山口監督は選手たちに自分が現役だった頃はといった言い方は絶対にしないように心がけているという。
自分の経験を俺の時は、と説くことは意識的にやめているのだ。

自分がフリューゲルスだった頃
自分が日本代表だった頃

それを言葉にして説明することはない。

自分の時代は自分の時代。
今は今だと変化を受け入れていること、そして選手時代に自分が感じていた・自分が行動していたことのすべてが正しいと押し付けることが嫌なのだ。
あの時、自分は
という経験は口にするのではなく姿から選手たちが汲み取れば良い。
それを汲み取れないのだとしたらそれは自分の力不足であり、自分が出せていないのだから伝わらない。
そういう考え方である山口監督のそういった人間性に信頼が生まれているのだろう。


当然、横浜FCに対しての深き思い入れは持っている。
いつか監督として―。
漠然と抱いた夢であったかもしれないが、それが現実となり、自分が結果を出さなくてはいけないとクラブの歴史と過去を背負って戦っているだろう。

監督山口素弘が今、横浜FCを率いているのだ。
それはきっと欠かせない1ページとなるであろう。

●日本のサッカーの王 キングがいるという強み

横浜FCといえば思い浮かべるのはやはり三浦知良だろう。
日本サッカー界を常に牽引してきたキングこと三浦知良は47歳を迎えた今も横浜FCで現役としてプレーしている。

その年齢で現役選手としてピッチを走ることができること、そしてその肉体を造りあげることは容易ではない。
しかし、いつでもスタイリッシュでかっこいいカズはそういった努力の姿をあまり見せることはない。

人一倍…いや。人より何倍もの努力がない限りプレーを続行することはできないであろう。

キングという存在がビジネス的にもクラブのPR的にももちろんプラスなのは間違いない。
しかし、それだけでなく三浦知良は今でも誰よりもフットボーラーなのだ。


日本で一番有名な選手であり、その選手がボールを持つことでどれだけの人たちが元気をもらい、勇気をもらい、希望を抱いているだろうか―。

横浜FCにはカズがいる。

これは全国のサッカーファンだけでなく普段サッカーを観ない人たちにとっても代名詞といって良いほど、三浦知良という存在は特別な存在なのだ。

プロサッカープレーヤーといえばカズ。
それはJリーグが発足して21年。変わっていない歴史だ。

 


横浜FCのチーム史上最高の負けなし記録は15試合。

それを達成した年、横浜FCは念願のJ1昇格を手にした。

現在。
引き分け数が多いものの、それでも追い付いく場面も多くなりサポーターからも周囲からも期待のかかる今。
横浜FCの今後はどんな戦いとなるのか。

決して難しいことをやっているわけではない。
良い意味で特別質が高いわけでもない。
しかし、「チーム」を感じる力を今の横浜FCは持っている。

最後まであきらめないプレー
それはサッカーをする上で当然のこととしたいが、それがなかなかできない難しいことであることはサッカーを観ている人たちは知っている。
望んでいてもなかなかそういった場面を見ることはできなかったりする。

しかし、今の横浜FCは最後まで全力でプレーする。
それを選手たち一人一人が チームメイトである一人一人を励ましながら、チームとして表現しているように見える。


負けなしというものにこだわらなくても、これから11試合。
横浜FCが勝利に繋ぐ試合をどれだけ重ねるのか、注目したいと思う。

 


 (2014.922修正)

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JFL2位で昇格ではなく、2年連続優勝ですね。

名無しさん  Good!!0 イエローカード0 2014/09/22|06:33 返信

コメントありがとうございます。
そして修正箇所のご指摘ありがとうございます。

大変申し訳ございませんでした。
修正いたしました。ありがとうございます。

CHANT編集部   Good!!0 イエローカード0 2014/09/22|10:11

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