CHANT(チャント) 湘南ベルマーレ

湘南ベルマーレvs川崎フロンターレ 戦評 貫禄感じる落ち着きある自信の組み立ての川崎に耐えた中で見えた湘南スタイル

2018/09/27 13:13配信

サカログ花子

カテゴリ:マッチレポート


延期となっていたJ1リーグ
湘南ベルマーレvs川崎フロンターレの試合が行われました。
スコアは0-0。
ゴールがなかった試合ですが、非常に興味深き記憶に残る一戦となりました。

・開始から目立った川崎の試合の運び方と支配。決定打を打たせなかった湘南スタイルの一歩

川崎フロンターレは1試合少ない状況で、首位サンフレッチェ広島に勝ち点4差。
この試合に勝てば広島との勝ち点を1にまで縮められるということもあって重要な試合となっていたことでしょう。

現在残り7試合を残して自動降格となってしまう17位から15位が勝ち点30
それより上も勝ち点1から3の間にひしめき合う混戦の中、湘南ベルマーレは勝ち点31で迎えた試合でした。
残留のために1試合多い湘南は少しでも勝ち点を重ねたい試合だったと思います。

試合開始から10分ほどは、湘南がボールを持つ時間もあり川崎ゴール前まで攻め込むこともありながら
開始10分までは様子をうかがっていたのではないかと感じるほど、川崎はスイッチが入り
そこからは川崎がボールを動かし続ける試合展開に。

川崎の現在のサッカーは、人が動くサッカーではなく、ボールを動かすサッカーであり
少ない運動量で多くのパスによってボールを動かしますが、パスの本数が多いためプレスに向かうことが難しく
相手の体力を奪っていきます。
Jリーグチームの中でも一番と言われているほど走り負荷がかかるトレーニングを積み重ねている湘南でさえ
前半ということもあってか、プレスに向かう足が止まり(後半に向けての時間配分であまり追わなかったことも考えられますが)
川崎は適格確実なパスを回し何度も湘南ゴール前に襲い掛かりました。

それでも枠内シュートはかなり少なかったように感じます。
川崎の選手がシュートを枠内に入れられなかったというよりはシュートの場面で湘南の選手が一歩寄せていたり
コースを消していたりという働きをしていたからだと思います。

川崎は、ボールを奪われてもすぐに奪い返し、目指すゴールに近い高い位置でボールを奪っても
スピードで相手を切り裂くのではなく、一度落ち着かせて再び組み立ててから
相手選手が近くにいようとも、速いシュートパスによってゴール前でパスを通すところは
チームの熟成さと選手たちに共有された川崎ismのようなリズムを感じさせるものを感じさせます。
誰がこれを止めることができるのか、と思わせる圧倒さのあるサッカー。

それでも決定的な場面とならないよう、湘南は一歩をしっかりと寄せて危機的な場面とならないよう
戦っていました。
サッカーはボールを持たないと鬼ごっこのように追うことになり
体力はどんどん奪われていきますが、前半の終盤には湘南がボールを奪い攻撃をしかける場面も増え、
0-0で折り返します。

・耐え守った大雨の中での自陣ゴール。満足せず守護神が口にした「不満」

後半に入るとより川崎がギアを上げ、ボールを回します。
昨季タイトルを獲った川崎ですが、昨季までは後半途中で攻め疲れのような体力が低下する時間帯ができてしまうことがあり
その時間帯に運動力を上回られゴールを許してしまう場面もあった川崎。
悲願の初タイトルを獲りながらも、チームとしての進化を止めずさらに強くなっているなと感じるのは
90分を戦う上でのペース配分と試合コントロール。

この日も試合冒頭の10分間の様子を見るような試合の入り方から、
その後、スイッチを入れたように細かいパスでボールを動かし支配しながら
決してスピードを入れることなく組み立てて崩すサッカーでゴールを狙うサッカー。
奪われたボールは高い位置ですぐに奪い返し、最終ラインから再び組み立てる。

決してカウンターを仕掛けずにひとつひとつ組み立てて時間をかけてゴールを奪いに行く
その自信ある展開は、タイトルを獲りなおも進化と追求を続ける川崎が王者と呼ばれることになるのではないかと思わせる貫禄すら
感じる戦いが続きました。

湘南はどこでハイプレスをかけ、ここはプレスにはいかず、というメリハリをつけ戦い
雨脚がどんどんと強くなり大雨のピッチで視界も悪くなる中で、川崎のセットプレーを全員で意識を持って跳ね返し
後半に入るとよりゴール前に速いパスによって崩しにかかる川崎の波状攻撃にも
守護神・秋元選手のスーパーセーブを中心に守ります。

その中、与えたPK。
川崎の攻撃をなんとか阻止続けてきたところでのPKとなりましたが
なんとこれを秋元選手がストップ。
真ん中に蹴った川崎・小林悠選手のシュートを両手で弾きました。
ゴールが狭く見えるほど、秋元選手の存在感は大きく、絶対に止めるという気持ちが伝わる姿でした。

試合終了までほぼ、川崎陣に入ることができず防戦一方
ピッチの半分でサッカーが行われているような状況ながら、湘南は最後まで川崎の攻撃から耐え
0-0スコアレスドローで試合終了となりました。

試合後、秋元選手はインタビューで
難しい試合の中、耐えている中でPKを与えてしまうのがうちの悪いところ、という部分と
全員で我慢しながら戦っている中だからこそ声が必要となる場面が多いのに対し、そういった声が少なかったことが残念と
チームとしての課題を口にした守護神からは、耐えて勝ち点1を掴んだ結果に満足するのではなく
耐えた中でも内容と足りなかった部分をきちんと見つめて、悔しさと怒りのような不満を口にする姿に
湘南スタイルもまた、常に進化を続けていることを感じました。

逆に、川崎フロンターレとしてはゲームを支配しながらも
決定的な場面は多く作れなかったこと、ゴールに繋がるようなプレーがあったものの決めきることができなかったこと。
雨が降っていてピッチ状況もボールも重くなる中でもパスを繋げ支配できたことは
川崎だからできたことだと思いますし、細かい部分のパフォーマンスの質…例えば雨だからこそ
イレギュラーが常に起こるかもしれないと頭に置いてゴール前で動く家長選手や、司令塔である中村憲剛選手にボールが入ったときの
強力な前線の選手たちが同じ共有意識を持って動き出す力など、
Jリーグ屈指のチームであることは間違いはなく、相手の攻撃をほとんど受けることのない圧倒的なサッカーを
この日も展開し、この日も0に抑えるという結果は。勝ち点3に及ばずとも悪くない結果であったであろうと感じます。

これで、川崎フロンターレは首位サンフレッチェ広島に勝ち点3差。
湘南ベルマーレは勝ち点1をプラスし、勝ち点32で13位。

0-0だったこの試合は、川崎も湘南もより強く進化させる
思うところが濃い試合だったのではないかと思います。
見ているこちらも興奮する試合でした。

だから、Jリーグは面白い。
そう改めて思うことができた試合でした。

 

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