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【北海道胆振東部地震】地震、被災からサッカーのある日常に戻るまで 地震当日、長い一日。【第2回】

2018/09/09 22:07配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:コラム

北海道胆振東部地震に遭い、サッカーのある日常までを綴ります。
第2回は、地震当日。長い1日。
突然起きる、とはこのこと、というほどの衝撃でした。


第1回はコチラ
【北海道胆振東部地震】 地震、被災からサッカーのある日常に戻るまで 第1回 地震前日、台風。|CHANT(チャント)|コラム|
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●真下から突き上げ身体が跳ねるほどの激震 地震直後、パニックの中での行動

前日の台風により寝不足だった私は、深夜までいつも起きているのですが、その日は少し早めに寝たようでした。
そして突然、ベッドの真下から突き上げるような縦揺れで目を覚ましました。

身体がベッドの上で跳ねているのではないかというほどに、強烈な縦揺れ。
なんだこれは!!!と寝ぼけた頭で考えた記憶があります。
きっと時間にして、一瞬。

気づいた時には大きな声で「なにこれ!?えええええ!?」と言っていました。
別の部屋にいた夫が「地震だから!まず落ち着け!」と言いました。
夫は立とうとしたようですが、立てる揺れではなかったようで、必死にドアなどにしがみつきながら娘が寝ている部屋へ。
鳴り響く音が、何の音なのか頭で理解できないながら、そのけたたましく鳴る不快音が、なにかしらの警告音であることだけはわかりました。
とにかく揺れまくっているという言葉が適すほどに、縦揺れから今度は横揺れになって大きく大きく揺れました。

聞いたことのない建物が軋む音や、ミシミシ、ガリガリという不協和音。
さまざまな物が落ちる音と、ぶつかり合う音。

その恐怖の時間は、ものすごく長く感じました。

揺れが止まると、夫がまず「外に行くから服を着て」と。
外=避難 だと思ったパニックになっている私は、とにかくまず服を着なければという行動をしつつ
同じくパニックの娘を落ち着かせなければと思い背中をさすりながら
電気、電気!と手探りでスイッチを探しました。

「停電してるから!」と夫に言われ、はじめて停電してることに気づきました。

停電してるなら!と思い、台風に備え前日に用意していたライトやラジオ!と思い付き
手探りでそれらを入れた巾着を探し、ライトとラジオを出しました。
すると夫が、「ラジオはいいから!とりあえず車に行って車にあるテレビで情報をみないと!」と。
は。そうか。ラジオではなくテレビで。

停電なので、当然テレビはつかないので車にあるナビのテレビをみて確認すると。

服を大きなバッグに詰めようとしていたパニックな私の手を止めて、
「テレビを見に行くだけだから、荷物なんていらないから!」と夫。
…相当なパニックでしたね。私。

夫は地震直後から冷静で。まずスマホのライトをつけて、なんとか娘の部屋へ行き声をかけ連れ出して、私の元へ。
スマホのライトを付けようとか、スマホで情報を得ようという頭が パニックの私は全然なかったです…。

もう夜・朝方は寒さを感じる札幌。
あたたかく着込むことを頭に置いて着替えをして、まずは家から出ました。
我が家は戸数の多いマンション群なのですが、非常用電源でマンションの共用部の電気はついていました。
停電中は当然エレベーターが使えないため、階段から降りて外に出ると
真っ暗。こんなにも真っ暗になるのかというほどに、外は暗黒という言葉が適するほど真っ暗でした。

手に持った懐中電灯のあかりで車までなんとか辿り着き、
「この規模の地震はきっとヤバイから、なんか買った方がいいかもしれない。食べ物を確保した方がいいかもしれない」
と夫が提案。

一番近くにあるコンビニに向かうと、信号も動いていない道中。
真っ暗。
コンビニにも非常用電源があり、真っ暗ではなかったものの物も散乱し、店員さんもパニックになっていたので、
今は店内は無理です、と。
買い物もできませんとのことでした。

…ですよね。と諦め、近くの大型スーパーの駐車場へ。
広い駐車場に停めることで、もし大きな余震がきたとしても倒れてくるものがないと思ったからです。
そこに着くまでにすでに道路は液状化をはじめていて、水が湧き出ているかのように拡がっていました。

車を停め、テレビをみました。

震源は安平町付近 私たちが住む地域は震度5強。
という情報を得ました。
札幌は私が生きてきた中では、そこまで大きな地震に遭ったことはなく
苫小牧震源の大きな地震の時と、東日本大震災時に震度4というのがありましたが
それでもかなり揺れた記憶で、それ以上の地震を体感したのは初めてのことでした。

震度5強…あれで。震度6とか7とかっていうのはどんな地震なんだろう。
あれでも震度5強なんだ、というのが率直な感想でした。
私の中では超絶揺れた!というくらいの衝撃だったからです…。

そのまま数十分、車の中でテレビを見ていましたが、1台、また1台と駐車場に停めてテレビで情報を確認する人たちが増えました。
その後マンションに戻りましたが、
道路はこんな時間にありえないでしょ、というほどの交通量が。
信号がついていないにも関わらず、たくさんの車が行き交っていました。

マンションに到着しても、車が駐車場から何台も出て行く光景。
きっとなにか買わなくてはという行動により、だと思います。みなさん家から出て行く。

停電のためオートロックが解除され、マンションの入り口が解放されていました。
マンション前の駐車場では多くの人が出てきていて、みんなで話をしていました。

家に入って、水を確認しなければと思い、水を出してみると…なんと出ない。
これはまずい!と思い、夫に報告すると
マンションはポンプで水を汲み上げているところが多く、電気ポンプのため停電すると水が止まるところも多い、と。

LINEを開くと娘のお友達のお母さんたちや、近所に住む友達からの連絡が多数きていたので
水出る?と聞いてみましたが、みんな 出る。とのこと。
これはマンションだけが出ないのか!?と思い、近くの公園に確認に行くと
公園の水飲み場の蛇口をひねると水が出ました。

電気ポンプということは…電気が戻らないと水も出ないってこと…?

停電。というと、すぐに電気が戻るというイメージでした。
停電しても、そんなに時間はかからない。
その時は、まだそう思っていました…。

・ポイント まずは情報を手に入れ、ライフラインの確認を

大きな地震が突然襲ってくると、パニックになる方も多いでしょう。
(私は完全にパニック)
ですが、できるだけ冷静になってまずは情報を入れることとライフラインの確認、そしてドアをすぐに開けることが大切です。
水が出るか否か、電気が点くか、ガスが点くか。
我が家はガスはすぐに点検せず、1時間後位に確認しました。

情報を手に入れる場合には、電気が点かない=テレビがつかないときはスマホまたはラジオ
そして車のナビ等のテレビで確認しましょう。

・ポイント 周辺地域の水が出ていても、マンションは出なくなることがある

地震直後に水が出るか確認した時は、出ていたんです。
と、いうのもマンションは貯水槽的なものがあり、そこから電気ポンプで供給されるので、
たぶんそのときはその間の水道管に残っていた水が出たのだと思います。
しかし、電気が止まったことで供給はストップ。
周囲の一軒家や施設で水が出ていても、マンションは水がストップしてしまいます。

・ポイント マンションの高層階は非常時大変!

我が家はマンションの低層階寄りなのですが、高層階の方々の話では
高層階は揺れがより大きくなる構造のため、大きく揺れたことで窓ガラスも割れてしまい、
冷蔵庫や食器棚のものも全部出た、と。冷蔵庫の中の飲み物を入れるところに差さっている牛乳等も抜け跳ぶように飛んできたと話していました。

高層階だと水が出なくなった時に、重い水を持って階段を昇らなくてはならないですし
外出するにもエレベーターが使えないときはやはり相当な体力を使います。
災害時に水が止まると、本当に多くの水を使うことになるので、1日に何度も水を汲むとなると
非常に大変です。

窓ガラスも割れてしまい、水を運ぶのも大変なため、避難所に行かれた方も多かったです。

・ポイント 液状化している道路や道路がぐにゃぐにゃと曲がってしまっている場所は注意

液状化というとどんな状態?と思うかもしれませんが、雨も降っていないのに道路が水浸しになっている状態は危険です。
水が湧き出て道路が見えなくなりますから、その下の道路が陥没していても見えませんし通るのはやめましょう。

地震直後の運転は、普段通っている道路であっても変形してる可能性があるので
かなりゆっくり運転した方が良いです。

・車は万能!充電も情報も簡易避難もできる!

家以外の密室空間でいられるのが車です。
あまり長い時間同じ体勢でいるとエコノミー症候群など注意が必要ですが
専用の充電器があれば電気がない中でも充電できますし、ナビ等テレビ機能がついていれば情報を得ることができます。
ナビ等ついていなくてもラジオも聞けますし、落ち着いて座って密室空間で情報を手に入れることができるのは
心強いです。

家の中が壊滅的になったり、寒かったり暑かったりしてもエアコンがありますし
車はちょっとした避難空間にもなるので、ガソリンだけ気を付けながら利用すると
災害時にはとても便利です。

―第3回 地震当日、地震後の生活の確保に続きます。

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