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戦術でも技術でもなく「走れる」という重要性。チームに必要なのは『汗かき役』。

2018/03/12 21:48配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:コラム

 


2018シーズン Jリーグがはじまり早くも3試合を終えたJ1とJ2。
そしてJ3も開幕した。
今季は多くの波乱と表現されるここまでの3試合となっている。

チームを変革するにあたり、まず舵を切る方法として選択されるのが、監督交代。
そしてチームの不調の責任はフロントにも追求されることとなるが、
果たして、チームの状況というのは監督、そしてフロントに真髄があるのであろうか。

監督を交代することで、求めるものは戦術的なものが第一なのであろうか。

戦う上で一番大切なものは、なにか―。

技術だろうか。
戦術だろうか。

一番大切なのは、「走ること」に、あるのではないでろうか。

●今一度考えたい、苦しい時こそ「走る」ことの必要性

シュートが鮮やかに決まったり、パスの出し方が技術の高いものだったりと
サッカーの見どころとなり、人々が魅了されるポイントとなることは間違いのない瞬間だが、
ゴールを決めるにも、チームのゴールを守るにも必要なことがある。

それは「走ること」だ。

技術や戦術理解など、能力の高い選手を集めることでチームは勝てるようになるのかといえば
答えはNOであろう。
強いチームには必ずといって 汗かき役 が1人に限らず何人か存在する。
どんな時でも走れる、後半の一番苦しい時間帯でも走れる選手たちがチームにいるかいないかということが重要なのである。

今季、サンフレッチェ広島が3節を追えて負けなし3連勝で首位に立っているが、
広島がリーグを獲った時も含めて広島が何より強かった要因のひとつに
一生懸命苦しい時間帯でも走れる選手がいる、ということが特徴であった。
今季の広島は、城福監督となり、よりその部分が大切にされているように感じる。

と、いうのも城福監督はヴァンフォーレ甲府を指揮していた頃、Jリーグクラブの中ではかなり少ないとされる人件費の中で形成する選手たちで
どう勝つのかという時に、技術や質という部分では勝ることができない部分を チームのために走る選手たちで戦うことで
難しい中でも残留という結果を出した。

そのサッカーを甲府時代に経験した選手が広島には今多く在籍しており、チームのために汗をかく選手がいるからこそ
今勝利という結果として表れているように感じる。
日本代表選手はいない。それでも広島が勝てるのは、チームのために苦しくても走れる選手が多くいることが関係しているはずだ。

どんなに技術に優れている選手が多く在籍していても、質が高くても
チームのために走れなくては意味がない。
そして監督が交代しても、ピッチにいる選手たちが苦しい状況の中でもなんとか走ろうとすることができなければ、戦術や技術を魅せる前に勝てる試合はできないであろう。

戦術や技術も必要だが、まず「走る」という土台があって、チームとなる。
チームの11名全員がそういったサッカーができることが理想であり、そういったサッカーを確立したのが日本では湘南スタイルと呼ばれる湘南サッカーが代表されるが、
理想である全員ではなくとも、汗かき役となる選手がピッチ上にいるかいないかという点が勝敗に左右し、チーム状況にも左右するのではないかと感じる。

11名がいるサッカーでは、任ううが多いだけにチームのバランスが取ることができる。
汗かき役が、技術優先の選手をカバーできることもある。
苦しい時間帯に汗かき役がいることで、体力をさほど使わずに質の高いプレーをキープできる選手だって出てくるであろう。

そういった選手がいるかいないか。
まずはチーム編成の上で、技術や質、能力や経験ではなくそういった選手がいるか否かというところが、
重要なのではないであろうか。

監督やフロントに、それを見定めることはできても、監督やフロントが口を出すことや指示ができても、
実際にピッチで戦うのは選手たち。
ピッチに出たからには、チームのために走るのは当たり前のことのようで
Jリーグでは今、どこか最優先ではなくなった気がする。

日本代表が2010年、南アフリカW杯で世界と戦いベスト16まで勝ち上がり
記憶に残る感動を残したときも、
2012年、ロンドン五輪で世界の技術を前に果敢に戦い4位となったときも
「走る」を徹底したチームだったことが印象に残っている。

鮮やかなゴールも
センスを感じさせる華麗なパスも
相手の視界から消えてボールを奪取するプレーも
サッカーの魅力の上では欠かせないものかもしれない。
しかし、その影でそれらのプレーが生まれているのは、チームの全体を見定めて苦しくても走ってくれる選手がいるから。

チームが勝つために、絶対に必要なのは
監督でもフロントでもなく、技術でも戦術でもなく

苦しいときに、チームのために走れる選手なのではないであろうか。

 

 

 

 


 

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