CHANT(チャント)

なぜサッカー選手の移籍金は高騰し続けるのか?

2018/02/19 19:33配信

武蔵

カテゴリ:コラム

冬の移籍市場というのは、一般的に夏ほど大きな動きを見せるものではない。理由は単純明快で、シーズンの真っ只中だからである。

前半戦でチームとしてのベースを作り上げて「さあこれから」というときに、いきなり主力選手を引き抜かれてしまったら、たまったものではないだろう。そのため、冬はビッグディールが成立しにくいのだ。

しかし、そんな通例に反して、今冬の移籍マーケットでは数多くのビッグネームが動きを見せた。

念願のバルセロナ移籍を果たしたコウチーニョを筆頭に、ファン・ダイク、ラポルテ、オーバメヤン…。

冬のマーケットでこうもビッグネームが大きな動きを見せるのは異例だと言える。

では、なぜこのようなビッグディールが次々と成立したのか。その背景に欧州移籍市場における移籍金の高騰があるのは間違いない。

かつて史上最高額でレアル・マドリードへ移籍したジネディーヌ・ジダンの移籍金がおよそ70億円。

しかし、今ではそんな移籍金も珍しいものではなくなってしまった。アーセナルへ渡ったオーバメヤンの移籍金が89億円。

DFとしては史上最高額でリバプール移籍を果たしたファン・ダイクが110億円。

コウチーニョに至っては168億円というのだから驚きである。

史上類を見ないレベルで移籍金の高騰が続く近年の欧州移籍市場。およそ“クレイジー”とも言えるこうした傾向はなぜ生み出されてしまったのだろうか。

理由1:放映権料の上昇による各クラブの収入増加

まず理由の一つとして考えられるのが、インターネットの普及に伴う放映権料の高騰だ。

インターネットが広く普及した今、サッカーというのはテレビではなくインターネットで見るものになりつつある。

世界中の人が動画配信サイトを通して、好きなときに好きな試合を視聴できる。そうしたトレンドの中でサッカーの放映権を巡る争いは激しさを増し、放映権は高騰。それが各クラブに巨額の放映権収入をもたらしているのだ。

理由2:中国や中東におけるサッカー熱の高まり

中国リーグや中東リーグの台頭も移籍金の高騰の一因と言える。

これまで旬の過ぎたベテラン選手が最後の稼ぎ場所としてアジアに拠点を移すことはあったが、いまやトップレベルの選手がビッグマネーにつられてアジアへ渡ることも珍しくない。

そうした背景にはアジアにおけるサッカーに対する関心の高まりが存在する。

2022年に自国開催のW杯を控えるカタールしかり、トップレベルの選手をかき集めて自国リーグの地位を押し上げた中国しかり、国家全体で自国サッカーを盛り上げようとする動きが増えているのだ。

そうしたサッカーへの関心向上が巨額の投資を促し、移籍市場における競争激化に繋がっている。

まとめ

潤沢な資金を持つクラブが札束を積んで無理やりビッグネームを獲得し、莫大な移籍金を手にしたクラブがまた新たなビッグディールを引き起こす。近年、欧州移籍市場ではこうした大型移籍の連鎖が日常的に起こっている。

傍観者として見ている分には派手な動きがあった方が面白いだろう。しかし、こうしたトレンドが各クラブの戦力差をますます拡大し、欧州サッカーを単なるマネーゲームへと変えてしまう可能性も秘めていることに、私たちは気づかなければならない。

Good!!(100%) Bad!!(0%)

この記事も読んでみる