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【RKU】 「ゴールを決めないと満足できない」渡邉新太が追求するゴールというこだわり Jリーグでまず目指すのはあの背中 【アルビレックス新潟】

2017/12/28 14:28配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


「とにかく、点を取りたい」。
誰よりも常に貪欲にゴールを求め、「どんなに良いプレーをしても、自分で点を決めないと満足はできない」とまで言い切る 根っこの部分からの点取り気質。

インカレ決勝試合後、監督会見にて対戦相手である法政大学の長山監督が名を挙げて語った。
「渡邉新太くんが、嫌でした」。

後半途中から投入された渡邉新太は、前線で効果的な動きをすることで
流通経済大学の攻撃力を存分に発揮させ、試合終盤の爆発的な得点に繋がるプレーを魅せた。
前線でマイボールにすること、良い位置でファールをもらうこと、ゴールに一番近いプレーを導き出せること。
流経大・中野監督も「渡邉新太のプレーは勝利を引き寄せてくれた」と評した。

両指揮官から名を挙げられるほどの存在感を放った渡邉新太だが、やはり試合後には喜びの言葉を並べながらも、
「でも、今日は…PKだけじゃなく、ゴールしたかったですね」と口にした。

なんとも渡邉新太らしい、言葉だった。

幼稚園の頃に、兄の影響ではじめたというサッカー。
小さな頃から、とにかくゴールを決めることが好きで「小さい頃からバリバリのFWだった」と振り返る。

新潟で生まれた渡邉にとって、アルビレックス新潟は地元地域に在る目指すべき場所となった。
プロという舞台でのサッカーを初めて観に行ったのは、思い出せないほどにあたりまえ。
「たぶんビッグスワンに観に行ったのが最初だったと思いますね。日常的にあたりまえにアルビレックスの試合を観に行ってましたから」。

Jリーグのチームといえば、アルビレックス新潟―。
自然と目指すべきところと定め、アルビレックス新潟ユースへと進むことに、時間もかからず迷いもなかった。

ボールを蹴るようになってから、あたりまえのように自分の将来を考えると
「プロになりたいと思っていた」という。
本格的にプロになりたいという想いが現実的になってきたのは、新潟ユースでの日々。
評価されればされるほどに、徐々に真実味を帯びてきた。

アルビレックス新潟ユース最高傑作―。
そう評された渡邉新太は、とにかく得点を獲るFWとして注目を集めた。
「めっちゃ点獲ってたんですよ。でもレベルがレベルなんで。プレミアなわけでもないし(高円宮杯プレミアリーグ)、
北信越なんで全国レベルに比べるとまだまだだった。その中で点を獲ってたっていうだけなんで。
狭いですよ、まだまだ上には上がいたはずですね、今思えば」。

アカデミー最高傑作と評された渡邉は、トップチームの練習に参加したりサテライトチームで試合に出場したりと、プロの中に入りプレーするという経験を重ねる。
その時、サテライトチームが流通経済大学と練習試合を行い、渡邉新太も出場したことで、流経大の目に留まることとなる。

トップ昇格が叶わないという現実にぶつかってから、渡邉は悩んでいた。
「自分の中ではプロという道しか考えていなかったから、トップに上がれないのなら海外に行こうと思ってました。
海外の何部リーグでもいいから、向こうにいってチームを探そうと」
「自分の今後について周囲に相談したんです。海外に行こうと思うって親とかアルビの指導者とか。
いろいろな人に相談した結果、練習試合がきっかけで声をかけてくれていた流通経済大学に行ったらどうだっていう意見があって。
プロに行くことしか考えていなかったので、プロの選手を多く出してるっていうことも聞いて、じゃあ、行こうと」。

大学サッカーに関して、流通経済大学に関しての情報も知識もなにもなかった。
「事前に練習参加もしなかったし、施設面とかもなにも見学もしなかったし。まっさらな状態で入りました。それが逆に良かったのかもしれない、と今は思いますね」。

流通経済大学は、大学のネームバリューというところで引けを取る現実がある、と常に話すのは中野監督。
「早稲田大学さんや慶応大学さん、明治大学さんなど、どこの大学を出ているかというのは一生ものですから、どこの大学を出ているかという印象も含めて
先を決める選手たちやご家族が多いのは事実。だからうちに来る選手たちは、ドラフトでいうと5番手、6番手の選手たち。
志望した大学から振るいにかけられ、漏れて来た選手も多い。でも、そこで「負けて」きたからこそここで大きくなってやるとモチベーションになっている選手も多い。
結果として4年後の同じ出口に立った時に、うちからプロになる選手はそういう選手たちが多い」と、話す。

渡邉新太は、逆にそういった先入観は全くなかった選手だった。
目指すところはただ一点。プロになるため、だった。
そのために、流通経済大学という道一点を決めた。
プロには届かなかったという反骨精神を持って、大学サッカーの門をくぐった。

1年生の夏。
総理大臣杯からトップチームで起用された渡邉は、全試合に途中交代なども含め出場し、総理大臣杯を獲った。
大学に入り自身初となる全国制覇を経験したが、「全試合に出たけど、自分でゴールを決めたわけではなかったし、貢献はできなかったなと感じていた。
ただ、先輩たちに自由にやらせてもらって良い経験をしましたね」。
やはり、ゴールという結果にこだわった。
自身の評価に、ゴールという結果を常に重ね合わせる。

その年のインカレでは、1年生で出場し、チーム初となる念願のインカレ優勝を果たした1人となった。
「インカレでは、ゴールも決めることができたことで、チームの力になれたかなと思ったし、
すごく自信に繋がった。全国を獲ることに自分の力も必要だったんだな、と感じることができたタイトルだった」。

2つの大きなタイトルに貢献した1年生。能力と存在感を示した渡邉新太だったが、
2年生そして3年生では、「試合に出たり出なかったり。思うようにゴールも獲れなかった悔しい年でしたね」。
思うようにいかない現実に、イライラし態度にも出してしまうこともあったと話す 渡邉新太。
「出たり出なかったりという状況ながら、トップチームで試合に絡めているんだからと周囲から見るとそんな悩みなんて、と思われていたかもしれない。
でも自分にとっては、全然順風満帆なんかじゃなかった。焦りもあったし、もっと自分はできないとダメだと思っていた。満足なんて全然してなかった」。

「よく試合中にも言われるんですよ。ムキになりすぎるなって。でもその時期は練習中もムキになってやっていた。
とにかくゴールを、とにかく試合に出るために結果を、って練習でも100%以上を出そうと必死だった」
自分自身に課していた 自分ができるあたりまえのラインという部分に充分に届いてはいなかった。
プロになるためには、大学でやれるのは当たり前。それでも充分ではないと思っていた渡邉は、日々のトレーニングや筋トレ、そして居残り練習に費やしぶつけた。

シュート練習は、こだわりを持って毎日行った。
大平コーチにアドバイスをもらい、シュートのバリエーションが増えたことで、よりゴールへの執着が強くなった。
「打てるシュートが増えた分、それを決めないと意味がないし、決めて実感したかった。
自分が練習して身に付けたことを、実践するためには試合に出場することが絶対だった」

今年のスタートとなった選抜大会 デンソーチャレンジカップでは関東選抜Aとして出場。
ベストイレブンに選出されたが、全日本大学選抜に選出されることはなかった。
「1年生から流大で出ていて、良い4年間だったでしょと言う人もいるけど、結果的にユニバ(ユニバーシアード大会)にも出ることができなかった。
実はかなり悔しかったし、もっと結果を出せていたらと思うこともあった」と、振り返る。
大学の代表としてのチームに行きたいと強く思い目指したが、それは叶わなかった。
チームから多く選出されていく選手たちに悔しさを抱かないわけはなかった。だが、そこで負けるわけにはいかない。
「プロに行くため」に大学へ進んだからこそ、必ずプロサッカー選手となり卒業するという使命が渡邉にあった。

アルビレックス新潟のキャンプに呼ばれる形で参加した、今オフ。
「大卒で入るとなれば、やれてあたりまえじゃなきゃいけない。
即戦力でないと大卒は意味がないと思っているから、全力で自分の持っているものを出そうと。
手応えはありました」。

シーズン中、何度か長期でアルビレックス新潟の練習に参加し、特別強化指定選手としてベンチ入りも果たした。
出番こそなかったが、即戦力としての取り扱いであると示された気がした、ベンチ入りだった。
「練習試合でもゴールを決めることができていたし、やれるという自信を持って向かえていた。
やれてあたりまえなんで。決められた短期間の中で結果を残すことも大事だとユースの頃から感じてた部分もあるし、
そういう意味で結果を残せたかなと思う部分はある」。
シーズン中にチームを離れ、アルビレックス新潟でまた違ったサッカーに触れ経験することで、チームに戻ってそれをプラスとして実践する、良い化学反応もあった。

今季、渡邉新太はリーグ戦だけで2ケタに届くゴールを決めた。
「それでもまだまだ足りない。ゴールを多く決めた…後期は確かに決められたなと思っているけど、
まだまだ外しちゃいけないところで外したなと悔しい気持ちの方が強いし、全然満足していませんね」
「チームが優勝に向かうためには、自分のゴールが必要。できるだけ満足できるようゴールを決めたい」

「どんなに良いプレーをしても、自分的にはゴールしないと、満足できないので」。

GOAL.
サッカーにおいて、勝敗が決まるのはゴールの数。
目に見える一番の結果が、ゴールである。
サッカーで一番魅力あるシーンとなることも確かだ。

とにかくゴールに執着し、ゴールを決めるためにプレーしているかのように、渡邉新太は常にゴールを目指し続ける。


インカレ準々決勝 延長に入りすぐに渡邉新太らしいゴールが決まり、
流通経済大学に渡邉新太、在り。を魅せつけた場面もあった。
大会を通して、前線でその存在を放ち、ゴールに近い位置で数多くの決定機に繋がる機会を演出した。
決勝では、自らもPKで1得点を決め、優勝という最高の結果で、大学サッカー4年間を、締めくくった。

「新潟の攻撃は、外国人の能力が左右するというところがあると思うが、
自分がゴールに繋がるプレーやゴールを決めて、新しい新潟のサッカーを確立してみたい。
そのくらいやれてあたりまえ、という気持ちを持って、次のJリーグというステージでチャレンジしたいと思っています」

常に前を走り続けてくれている、一番身近な先輩であり大きな存在である選手の名を挙げて具体的な目標を言葉にした。
「江坂任の初年度よりもゴールを獲りたいですね。江坂超えを目指します」

1年時、チームの絶対的エースとして大きな大きな存在だった 当時4年生だった江坂任。
その背中を、常に追ってきた。
憧れ、そして悔しさを持って、プロで今活躍する江坂を追う。

江坂がザスパクサツ群馬に在籍していた2015年、決めたゴールはチームトップの13ゴール。
誰よりゴールにこだわる渡邉新太が、魅せるJリーグはどんな世界となるであろうか。

試合に出ることを目標とするのではなく、それは大前提。
小さな頃からワクワクする気持ちを持って通った、多くの人々によってオレンジ色に染まるビッグスワンを
自分のゴールで歓喜に導き、今度は自身がゴールを持って多くの子供たちに伝えたい。

「サッカー選手になりたい」は、叶う。
と、いうことを―。

Writing 飯守友子 Photo 遠山ヤスコ

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