CHANT(チャント) 流通経済大学サッカー部

【RKU】 劇的勝利で準決勝へ!自信を持った守備コンビ 試合を決めたPKに在ったエースの覚悟 【インカレ】

2017/12/19 11:08配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


チームの集大成となる全日本大学サッカー選手権大会。
12月18日、準々決勝が行われ、流通経済大学は福岡大学と対戦。
延長まで決着が付かなかったこの試合は、3-2で流通経済大学が勝利し、準決勝進出を決めた。

2回戦から登場し、IPU環太平洋大学に1-0で勝利した初戦。
流経大の目指す戦い方において、1-0で勝利できるチームという基盤があるが
まさに1-0というゲームとなり、準々決勝に進んだ。

準々決勝の相手は、九州の強豪 福岡大学。
初戦から中一日で迎えたこの試合は、初戦とは違う顔ぶれで臨んだ。
「誰が固定ということはいつも通りないし、短期決戦だからこそ総力が必要。
誰が出てもおかしくはないし、自信を持って送り出せる」と話した中野監督は、
初戦から6選手を変え、戦いへ挑んだ。

●ディフェンスラインに悩んだ今シーズン 守田今津という「壁」

この試合でセンターバックを務めたのは、4年守田英正(川崎フロンターレ内定)と、同じく4年 今津佑太だった。
流通経済大学では今シーズン、センターバックに誰を起用するか、どう守るかというところで
何度もチャレンジと反省をしながら試行錯誤を繰り返してきた。

リーグが終わり、インカレの準備期間にもディフェンスラインは左右のサイドバック含め
最終ラインをどうするかというところで様々なテストが行われていた。

準々決勝のこの試合、センターバックを務めることになったのは、守田、そして今津だった。

結果的に2失点はしたが、この日の最終ラインはやられたという意識はない。

「自分がまず相手のところにいって、当てたところでこぼれても、ヒデ(守田)がいってくれる。
そういう特徴をヒデがカバーしてくれることで、安心して自信を持って相手にいける。
すごくやりやすいし、自信を持ってやれた。1失点目は相手のスーパーゴール。2失点目は延長で自分たちのゴールが決まってからという
甘さが少し出たかなっていう時間であり、弱さが出てしまったというその失点は反省しないといけないが、今日の試合がひとつまた自信になった」
と、今津。

「自分にはできないことを今津がやってくれて。自分は相手に対して今津のようにバチンッといくことはできないから、
いってくれる今津が当たってこぼれたところを自分が掃除するという意識でやっている。
お互いに持っているもの、持っていないもので出せているので良かったと思う」と、守田も話す。

この日ボランチではなく、センターバックに位置した守田を中野監督は
「いろんなことを試しても、やはり最終ラインに守田がいることが一番安定する。
本当は前にいきたいという気持ちもあると思うが、そこを我慢してやってくれた」と試合後、話した。

守田は、「最終ラインでもボランチでも自分に期待して送り出してくれている監督に応えなくてはと思っている。
センターバックもボランチに比べもちろん嫌なわけではないし、センターバックから学ぶこともあるしボランチでやってきたことがいきることもある」
と、自身のポジションについて語った。

試合の結果やプレー、そしてインカレ中の日々のトレーニングでのプレーを踏まえて
次の試合のディフェンスラインが決まることとなるが、この組み合わせが絶対ではないことは今津も守田も理解している。
しかし、この試合において、二人が感じた手ごたえは自信に繋がり、目指す先へ向けて大きなプラスとなったであろうことを感じる120分だったといって良いであろう。

●チームの「エース」としての理想へ 劇的勝利に繋がった覚悟のPK弾


4年FWジャーメイン良の今シーズンは、非常に過密な1年だった。

全日本大学選抜、チーム、そして内定の決まっているベガルタ仙台での特別強化指定選手としてのトレーニングと試合出場やメンバー入りなど、
海外遠征から国内各所、そして仙台と、国内外移動を多く重ね濃い日々を過ごしてきた。

リーグ戦が終わってから、ベガルタ仙台に合流。
Jリーグの終盤に関わる日々を過ごしながら、龍ヶ崎から離れた仙台で想ったことは
最後の大学サッカー生活、そして離れたからこそ見つめることができた これまでの大学サッカー生活だった。

トップの試合に出場できずに引退していく選手たちもたくさん存在する。
230人以上が常に在籍する中で、限られた最後の大会でのピッチに立つという責任。
負けたら終わりの最後の戦い。

1年生の時、流経大史上はじめてインカレ優勝を果たした。
当時からトップチームでプレーしていたが、そのときとはまるで違う4年生最上学年で迎える今大会。
1年生だった当時、目標とした背中は、今も追いかける存在だ。

大きな大会となると、ゴールという結果でチームを上位にぐいぐいと引っ張っていく。
エースとしての存在感がとにかく大きかったのが、現在Jリーグの舞台で活躍する 江坂任だった。

ジャーメインの口から常に自然と出てくる比較対象、理想の対象だ。
タイプは違うが、エースとしての姿を強烈に焼き付けた先輩の存在は大きい。
自分のゴールでチームを引っ張る。それが最後の大会でエースとして10を付け戦う責任だと思っている。

初戦となった2回戦の戦いを「全然ダメだった」と自らのプレーに不満足さを口にした。
「少しコンディションが落ちていると感じていたが、最近は少しずつ戻ってきていたのに初戦は全然ダメ。
このままではいけないと思っている」と挑んだ準々決勝。

前半は相手の出方を手探りしていた状態もあり、なかなかスピードのある攻撃を仕掛けることはできず
ジャーメインの良さが出る場面は少なかったが、苦しい時間帯を経て後半終盤からチームは何度も流経大らしい攻撃を仕掛けた。

今シーズン武器のひとつである3年 左サイドバック小池裕太からの正確なボールが
右サイドの前線を走るジャーメインに届けられる場面も。
「ボールを持った時に、すでに動き出してくれているので」と小池。
この日は直接ゴールに結びはつかなかったものの 阿吽の呼吸で今季ゴールを奪ってきたコンビ。
左右前後と距離が離れていても、ピタリと合うものが二人の間にはあるのだ。
美しい残像が残るボールは左の後ろから、右の前線にいつジャーメインへと届けられる。
レーザービームは攻撃の選択肢の強力な一手となっている。

得点を獲っては奪い返されの試合展開で、苦しい120分間近となった 延長後半AT。
相手のハンドの判定でPKとなった。

チームメイトから魂を託され、ボールをセットしたのは、ジャーメイン良。
「相手の福岡大学のGKは全日本大学選抜でも毎日一緒に練習した永石。毎日練習終わりにPKを蹴っていた。
だから自分のコースも知っていると思っていたし、素晴らしい能力を持つGKということもわかっている。
それでも、自分が決めるんだと思って自信を持って蹴った」
というキックは、左の狙ったコースに飛び、ゴールネットを揺らした―。

応援スタンドとベンチ、すべての歓喜が一体となったその瞬間、試合終了を告げるホイッスルが鳴るという劇的勝利。
エースのPKが、試合を決めた。

PKの場面、中野監督はベンチの影でPKの瞬間から目を逸らしていた。
あまりの緊張の場面で見つめることができなかったのだ。
「相手のGK永石くんが抜群に良いGKであることを知っているだけに、延長が終わりPK戦になると厳しいという考えもあった。
最後の最後にPKという判定でジャーメインが蹴ることになって。ボールをセットしたからには覚悟を持って蹴ると決めたんだろうし、
周りの選手たちも託したんだろうから、こっちから言えることはなにもなかった。
でも彼らは全日本大学選抜で毎日シュートを打ち受けた仲。それだけに本当に…見れなかったですね」と中野監督。

大学サッカー屈指の守護神を前にした 1対1の戦いがそこに在った。


今大会は、波乱が多く起きているといって良いであろう。
どこが勝つかはわからない。それがトーナメント戦にあるものだ。
関東リーグを制した筑波大学、関東リーグ2位で強力な攻撃力を持つ順天堂大学が、準々決勝で姿を消した。
これまでに阪南大学、明治大学等上位候補たちが敗退し、ベスト4には法政大学、東京国際大学、関西大学、そして流通経済大学が勝ち上がった。

準決勝の相手は、東京国際大学。
関東2部から昇格したチームとは思えぬ強さを持ち、リーグで存在感をシーズン通して示し、インカレ出場を決めた。
「強いチーム。今年2部から上がってきたチームだと下に見てはいけない力を持っていることを突き付けられたチームでもある」と守田。
インカレ前に練習試合を行い、結果はドロー。
お互いを知っている相手との対戦となる。

「準決勝まで東国さんは1試合うちより多く戦っている。
1試合と2試合ではそんなに違いはないが、3試合と4試合では疲労の蓄積が変わってくるもの。
だからこそ、うちがしっかり運動量を持って戦わなくてはいけないし、なんとしても勝って決勝にいけるよう戦いたい」
と、中野監督。

中野監督は先日タイトルを獲るという難しさを今季のJリーグに例え、話していた。
「鹿島さんがひとつ勝てば優勝という中で勝てずにタイトルを逃してしまったことも、改めてタイトルへの勝利というのは難しいものだと。
川崎さんは逆に勝つしかない、相手になにかあれば優勝できるという勢いがあって、1つ勝てば相手に関係なく優勝できる鹿島さん側のメンタルと
川崎さん側のメンタルは全く違うもので。タイトルへ向かうということは本当に難しいなと」
大学サッカー界で多くのタイトルを獲ってきた流通経済大学だが、毎年同じチームは、ない。
毎年同じメンバーで戦うこともできない。
どのタイトルを振り返っても、同じものはひとつもない。

まずは、目の前の試合に集中し、1つの勝利にこだわること。
その勝利をもってはじめて、目標とする舞台へ進むことができる。
決勝やタイトルばかりを見つめると、目の前の戦いと向き合うことができず苦しい試合となってしまう。

まずは、集中。
劇的勝利を持って。自分たちもプレーヤーにも関わらずスタンドで応援してくれるチームメイトたちの想いを持って。
準決勝 東京国際大学戦に、挑む。

12月21日
柏の葉公園総合競技場にて、12時キックオフ。

(Witing / Tomoko Iimori)

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