CHANT(チャント) 流通経済大学サッカー部

【RKU】 今季最終決戦へ―。己との闘い。チームとしての集大成。曇りなく目指す先は、大学の頂点 【流通経済大学】

2017/12/11 20:26配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


Jリーグの今季は先日閉幕したが、幼い頃から夢見たプロの舞台へと進む、Jリーグ入りがすでに内定している選手たちを含め、
プロサッカー選手を目指し大学サッカーという舞台で戦う選手たちが、チームの集大成として挑む 大学の頂点を決める大会が、今年も幕を開ける。

第66回 全日本大学サッカー選手権大会が、12月12日から関東で開幕する。

各地域の大学リーグで結果を残し、全国大会へと挑戦する24チームが、大学の頂点を懸け激突することとなる。
1回戦は12日、2回戦は16日、準々決勝は18日、準決勝は21日、決勝はクリスマス・イヴの24日に行われる。

関東大学リーグを3位という結果で終え、インカレ出場を決めた流通経済大学が目指す場所は、なんの曇りもなく 一番高きところ、だ。

今季シーズン当初からチームが掲げた目標は「リーグ優勝」であったが、優勝には届かず関東大学リーグを終えた。
リーグでは3位、総理大臣杯ではベスト4という結果だった流通経済大学。
今季最後となることの大会で目指すのは、頂点一点のみだ。

個性的で実力者揃いであることは間違いないが、ピッチに立つ選手たちだけが戦う場ではない。
試合に出られないメンバーやピッチに立てないすべての仲間の想い、ピッチに立つ選手に自分たちの魂を託し声援と気持ちで戦う選手たちの想い
チームとしての熟成が必要となる、それが今シーズンのチーム 最後の戦い インカレ、だ。


●今季ぶつかったライバルたち。最終決戦のために勝ち上がらなくてはならない ひとつひとつの決戦。

今季、常に流通経済大学の前に立ち塞がったのは、ライバルである筑波大学、そして順天堂大学だった。
筑波大には前期リーグで勝利したものの 今シーズンのスタートとなった天皇杯茨城県予選決勝から始まり、リーグの勝敗だけでなく天皇杯での筑波大の活躍など、一番近き地域に位置するライバルにことごとく前を走られた。
総理大臣杯では同じくベスト4だったが、リーグでは目標としてきた優勝という位置に立ったのは、筑波大学だった。

順天堂大学には、シーズン唯一のダブルを喫し、前期も後期もチームにとって順位に関係する大事な局面で敗戦を喫してきた。

中野監督は開幕前から、「うちと筑波大学、順天堂大学の争いになる」と話していたが、今季は中野監督の読み通りの展開となり、
流通経済大学はその3チームの中では一番下の3位という位置でのフィニッシュとなった。
「その順番を変えるチャンスは、もうインカレしか残っていない。筑波大学、そして順天堂大学と直接やるためには自分たちが勝ち上がるしかない」
と、中野監督だけでなくどの選手に話を聞いても強く意識していることがわかるほど、直接対決を見つめている。

「もちろん、なにが起こるかわからない。関東だけでなく関西も力があるし、そのほかの大学にだって同じだけの可能性がある。自分たちもそうだし、筑波大学や順天堂大学もそう。
どうなるかどう勝ち上がるかはわからないが、これまでの戦いを考えてもおそらく勝ち上がった時には再び戦うことになるであろう、と思っている」と、中野監督。

インカレの大本命は、関東上位3つの強豪が最終決着という形で中心となるかもしれない。
そして流通経済大学が勝てていない相手は上位の2つの大学だけではない。
大きく勝ち点差は開いたものの、リーグ最終順位4位まで上がってきてリーグを終えた明治大学だ。
リーグでは1分1敗。総理大臣杯では準決勝で敗れた。
明治大学に勝利することもまた流通経済大学にとってひとつの乗り越えなくてはならない壁。
インカレのトーナメント組み合わせを見ると、いずれのチームとも勝ち上がらなくては対戦はない。
ひとつひとつをまずは着実に勝ち上がり、戦いながら決戦に向けて力をさらに付けていくことが求められる。

●一人一人にある己との向き合い、そして戦い。それを越えてチームとしてさらなる成長へ

11月18日に関東大学サッカーリーグを終え、インカレまでの約1か月間は公式戦がない中で準備を重ねてきた。
「公式戦がないことで、ちょっと…緊張感がない状況が続いているなと危機感を持っている」
と話したのは、キャプテン4年 石田和希。

7月のアミノバイタルカップで負った怪我の影響で、総理大臣杯ではフルに出場することは難しく、チームの切り札として痛みを推し出場。
総理大臣杯後は、その怪我によりなかなか痛みが消えない状態が続き欠場しなくてはならず、10月下旬に行われた明治大学戦の後半途中から復帰。
チームの頼もしい存在がピッチに帰ってきたことは明るい材料となったが、自らのプレーに「精細なんてものは全然感じられないほど、全然ダメだった。サッカーが出来ていない。チームに迷惑をかけただけだった」と悔しさを口にした復帰直後。

今、石田は最後の戦いに向け、プレーヤーとしてそしてキャプテンとしての自分の役割を見つめ全うしようと準備中だ。

総理大臣杯前にも、公式戦が途切れるとどこかチームが「フワッとした感じになった」と危機感を持ち、
チームをまとめられるよう努めたが、なかなかうまくいかず大会の数日前からやっと緊張感を再び持って全員で前を向くことができたと話していたが、
「今回もそうなってしまうのではという危機感を感じさせる空気がある」と、チーム全体の雰囲気に気を張り巡らし、インカレに向かうため自分のできることに努めなければならないと石田。

「自分を含め4年生にとっては本当にこのチームでやる最後ですからね。自分の中で迷いもありますが…でもとにかく良い結果で笑って最高のチームで終わりたい」。
迷い、というのは 複数ポジションをこなす自身への自問自答だ。
流通経済大学では、すべての選手にすべての答えは与えない。どんな状況であっても自分で自分の答えを見つけ出すことを第一とする。
現在、さまざまなポジションをこなす石田にとって、慣れないことへの迷いが生じているが、「自分で答えを見つけ出さないとインカレを迎えられない」と、必死に自分と向かい合っている。


今季Jリーグで初のタイトル・リーグ優勝を掲げた川崎フロンターレへの入団が決まっている 副キャプテン4年守田英正は、「全然ダメですね」と自分へ鞭を打った。
「普段ではしないようなミスを連発したり、ボールが集まってくる感覚がない。それは自分がダメだからだし、ピッチ上で余裕がなさすぎて人のせいにしてしまったりする。
言い訳にしかならない言葉が口から出てしまうこともあって、チームの空気を悪くしている」と、守田。
「チームに迷惑をかけるようでは全然ダメ。当然プロにいったらこんなことでは通用しない。自分の弱さがここにきて出てしまっていることに危機感を感じている。
どうしたら良いかと具体的には今はわからないけど、自分で気づいているのにどうにもできないではダメ。どうにかしなければ、進めない」と自らに感じる不調と、弱さを自分に言い聞かせるように言葉にした。

シーズンを通して、チームになくてはならない中心である存在としてチームを引っ張り続け、常に進化を感じさせてきた守田。
常に冷静で落ち着きがあるのが守田だが、最後の大会を前に見せた自分との闘い。

キャプテン石田と副キャプテン守田は常にチームのために、と話し合いを重ね、お互いがお互いの考えていることがわかると理解しあってきた。
チームにとって主軸となる二人の大黒柱が、お互いが感じ取っているチーム全体の違和感と、自身の迷いを乗り越えられることで、
インカレでさらなるチームの熟成を感じさせてくれることに繋がるであろう。

「公式戦が長い間ないと過ごし方が難しい。でもこの準備期間になにができるかで勝てなかった筑波大学や順天堂大学を追い越せるポイントがあると思っている」
と話した石田もまた、今季自分たちよりも上の順位で結果を出したライバルたちに意識を置く。


アルビレックス新潟に内定し、今季リーグ10得点を重ねた渡邉新太だが、2ケタ得点を重ねた自身の得点を
「全然満足していない」と、話す。

「前期に比べると後期の方がゴールが多かったけれど、それでも全然。まだまだ獲れたなと思い返す場面が多かったし、もっと獲れたと思うので」
「チームの勝利に結びつくゴールをもっと獲りたいですね」
ゴールにまだまだ飢えていると語るのは、それだけ自分の状態が良くボールを受けた時に鮮明にゴールへのイメージを描くことができるからだ。
多彩なイメージと同時に身体もキレを持って動く。
結果としてゴールを決めても、決めたことに満足するのではなく、振り返るとあの場面もこの場面も、と得点を奪えるはずだった瞬間を思い返し反省し、次こそはと課題を持って前を向く。

今季の流通経済大学の前線は、大学サッカー界屈指の強力なラインナップが揃う。
渡邉新太の他に、ベガルタ仙台に内定し、今季仙台でデビューも果たしたジャーメイン良。
最前線で重厚な戦車のごとく走る4年星野秀平に、力強さのあるドリブルと広い範囲から適格なシュートが打てる立花歩夢。
身体は小さいながらも巧みな技術でボールを奪い操り、技ありのパスで強力な攻撃陣を多彩に動かす森永卓。
どのチームも警戒強める強力な前線だからこそ、ゴールを量産できる可能性を常に持ち続けている。

中野監督は言う。
「サッカーは守れといったら守れ。攻めろといったら攻めろ。これがまずできないことには自分のポジションを全うしていない、といつも選手たちに話します」
「後ろの選手はボランチが…とか、中盤でもっと…とか言い訳めいた言葉よりも先に、自分たちは守備の人間ですから。
まずは守れないと意味がない。攻撃の選手たちは攻撃陣の守備で頑張っていることももちろん評価するが、攻撃の選手たちはまずは攻め。それが仕事。
あたりまえのことだが、その根本が大切。」

指揮官が話す「原点」は現在プロも含めさまざまなサッカーシーンに当てはめても、改めて考えさせられ頷けることだ。
守田がいう「人のせいにしてしまう自分がいる」というのはまさにこの事であり、明確な自分の役割をまずは果たせなくては、という考えあってのことだ。
中野監督が常に選手たちに諭すサッカーとしての原点が、戦う選手たちの大切な根本となり貪欲さを生んでいる。

ゴールをもっと。
渡邉新太が自分に課した「使命」。まだ足りないというゴール数を伸ばす場所は、最後の戦いとなるインカレしか残されていない。


流通経済大学にとって、2年ぶりのインカレの舞台。
去年はすべての全国大会に出場することができなかった、厳しいシーズンを過ごした。
チームとして苦しい時期を経て、チーム内での問題やうまくいかない時期にもがき立て直そうと全員で立ち上がった経験を経て、
集大成。現チームでの最後の大会を迎える。

現在、全力で準備期間を過ごしている。

「優勝を目指して」。
監督、スタッフ、選手、マネージャー…チームに関わる全員が言葉にする「決意」。

「一日でも長く、このチームでサッカーがしたい」。
その想いを胸に。
冬の戦いが、ついに始まる―。

12月16日 流通経済大学、全日本大学サッカー選手権大会初戦。
2回戦 仙台大学×IPU・環太平洋大学の勝者
上柚木公園陸上競技場にて11:00キックオフ。

Writing&Photo / Tomoko Iimori

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