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2008年以来となるアジアの頂点へ…浦和レッズがACLを制覇

2017/11/27 20:06配信

武蔵

カテゴリ:コラム

試合前、スタジアムには圧巻の光景が広がった。

バックスタンドから両サイドのスタンドにかけて浮かび上がった、浦和レッズのエンブレムとACLのカップを表す巨大なコレオグラフィー。

世界でも類を見ないその完成度の高さに、選手たちも思わず息を飲んだ。

この日、浦和レッズの本拠地である埼玉スタジアム2002には5万人を超えるサポーターたちが集結。

日本勢としては9年ぶり、そして浦和レッズとしては10年ぶりとなるアジア制覇に向けて、チームが一丸になった瞬間だっただろう。

11月25日に行われたACL決勝2ndレグ、大観衆のサポーターの後押しを受けた浦和レッズは、サウジアラビア王者アル・ヒラルを1-0で撃破。

1stレグの結果とあわせてトータルスコアを2-1とし、悲願のACL優勝を達成した。

耐えしのいで掴んだ栄冠

敵地で行われた1stレグ同様、試合を支配したのはアル・ヒラルだった。

サウジアラビア代表選手を10人以上抱える強豪は、序盤から卓越したパスワークでボールを支配し、個人技による突破で何度も浦和ゴールに迫った。

そんな個の力で劣るアル・ヒラルに対し、浦和の戦い方は明確だった。

アウェーでの1stレグを1-1で引き分けたアドバンテージを活かし、失点しないことを念頭に置いた戦い方でアル・ヒラルの猛攻を11人で耐えしのぐ。

1トップの興梠、両サイドの武藤、R・シルバが相手のバックラインに圧力をかけ、不用意な縦パスには長澤や両SBがアグレッシブに対応。ボールを奪うと、少ない手数でショートカウンターに繋げた。

その一方で、取りどころを設定できずにボールを自陣まで運ばれた際は、全員が一度自陣深くまで戻り、しっかりと守備ブロックを築いてからアル・ヒラルの攻撃を受け止めた。

事実、アル・ヒラルは終始ボールを支配していたものの、最終的なシュート本数は7本にまで抑え込まれている。

ファイナルサードで浦和の守備陣が集中力を切らさなかった結果と言えるだろう。

ボールは支配していてもゴールが遠い。そんな展開が続き、焦りが見え始めたアル・ヒラルは、フラストレーションからか、ラフプレーを連発。

後半34分にはアルダウサリが2枚目のイエローカードで退場してしまう。これで数的有利に立った浦和だったが、気を緩めることなく最後まで集中力を切らさない。

そして、後半43分、武藤のパスに反応したR・シルバが相手DFと上手く身体を入れ替え、ペナルティエリア内に侵入し、右足一閃。

1stレグでも値千金のアウェーゴールを奪ったエースの一撃で試合を決めた。

個人としての能力は、アル・ヒラルの方が1枚2枚上手だっただろう。

しかし、浦和レッズは組織的な守備でアル・ヒラルの攻撃をシャットアウト。堅守を武器に、見事アジアの頂点へ登りつめた。

逆境の中に見る浦和レッズの強さ

今大会は浦和レッズにとって相当タフなものになっただろう。

大会を通して幾度となく逆境に見舞われ、そして、その度にチームが一丸となり逆境を跳ね返してきた。

史上最高と謳われた攻撃力を武器に危なげなくGS突破を決めた浦和レッズだったが、続く決勝トーナメント1回戦で済州ユナイテッドと激突。アウェーでいきなり0-2と大きなビハインドを背負ってしまう。

しかし、この逆境にも浦和レッズは折れることなく立ち向かった。ホームに済州を迎えると、延長戦の末3-0で大逆転。

最後は乱闘騒ぎに発展するなど、文字通りの“死闘”を制した。

準々決勝では川崎フロンターレとのJリーグ対決が実現。しかし、1stレグでは一方的に押し込まれ、1-3と惨敗してしまう。

今度こそACL制覇の道は断たれたかに思われたが、2ndレグでまたしても4-1の逆転勝利を収めて、準決勝にまで駒を進めた。

準決勝の相手は優勝候補筆頭の上海上港。莫大なチャイナマネーを背景に集められたアジア屈指のタレント集団を相手に、浦和レッズは2試合を通じて高い集中力を披露。

タイトな守備で上海の攻撃陣をほぼパーフェクトに抑え込み、トータルスコア2-1で日本勢9年ぶりとなる決勝進出を決めた。

そして迎えた決勝戦、超満員のサポーターに見守られながら、ついにアジアの頂点に輝いた浦和レッズ。

リーグ戦での不調やペトロヴィッチ監督の解任など、決して順風満帆なシーズンではなかった。

しかし、勝負どころで驚異の集中力を発揮する彼らの姿は、ある種、浦和レッズが長年求めてきた勝負強さを体現していたと言えるのではないか。

今回の偉業が浦和レッズというチームを真の意味での強豪クラブに変えるキッカケになるのか、来シーズン以降の浦和レッズにも注目していきたい。

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