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ブラジル、ベルギーに2連敗の日本代表…欧州遠征で突きつけられた課題とは

2017/11/17 19:10配信

武蔵

カテゴリ:コラム

ブラジル戦での完敗を受けて臨んだ欧州遠征2戦目となる対ベルギー戦。

「赤い悪魔」の異名を持つ世界屈指のタレント集団を相手に、前半から必死に食らいついたハリルジャパンだったが、終盤に一瞬の隙を突かれ、0-1での敗戦を喫した。

ワールドクラスのプレイヤーを次々と輩出し、欧州でも指折りの強豪国に成り上がったベルギーに対して0-1なら十分健闘したと言いたいところだが、ベルギーは大黒柱のE・アザールを筆頭に、アルデルヴァイレルト、クルトワら主力を欠く、いわば“1.5軍”。

しかも、日本はそんなベストメンバーではないベルギーを相手に1試合を通してほとんどチャンスらしいチャンスを作ることはできなかった。

これでは手放しで選手たちを称えることはできないだろう。

12月に控える東アジアカップは国内組だけで戦うため、海外組を交えたテストマッチはこれで年内最後となる。

この欧州遠征2連敗という厳しい結果を受けて、日本代表はこれからどのように変わっていかなければならないのだろうか。

守備面での成長が収穫か

敗れたとはいえ、ベルギー戦で何の収穫も無かったかと言われれば、そんなことはない。

中でも、ブラジル戦から大幅に改善されたディフェンス面は評価に値するだろう。

ブラジル戦では、中途半端な前からのプレッシングをいとも簡単に破られて、幾度もカウンターから決定的なチャンスを作られた日本代表だったが、ベルギー戦では「守備の使い分け」がチーム全体でしっかりと共有されていたように感じた。

後ろの状況が整っている際は、前線の選手がコースを限定しながら積極的にプレスをかけ、中盤の位置でボールを奪う。

後ろの陣形が整っていないときは縦のパスコースを切りながら、相手の攻撃を遅らせて、自陣に守備ブロックを敷いてから守備に入る。

ブラジル戦では雑然としていた守備時の約束事が明確になったのは、大きな進歩だろう。まだまだ出足の遅さや1対1の局面で後手に回る部分は多かったものの、ハリルホジッチが掲げるサッカーの基盤となるソリッドで組織化された守備体系は、着実にチームに根付いてきていると言ってもよいのかもしれない。

規律づけられた守備からの不規律なカウンター

確かにハリルホジッチ監督のもと、守備は大幅に整備された。ベルギー戦では規律づけられた組織的なプレッシングにより高い位置でボールを奪う機会も決して少なくなかった。

問題はボールを奪った後、日本代表から攻撃のビジョンがまったく感じられないことだ。

今の日本代表は両ウイングがワイドにポジションを取るので、前線の3枚がそれぞれ孤立し、最終的には両ウイングのスピードに頼った攻撃になってしまいがちだ。その結果、ボールを簡単に奪われるシーンが増え、必然的に守備に回る時間が長くなり、体力の消耗に繋がってしまう。


ブラジルのカウンターを思い出してもらいたい。後方からの縦パスがスイッチとなって、3トップが連動した動きで相手を撹乱しながらボールを一気に運び、そこに後ろから飛び出してきた選手が次々と絡んでいく。そうしたスピーディかつ厚みのあるカウンターこそ、日本代表が目指すべき形である。

もちろんブラジルのカウンターは個人の能力に依る部分も大きく、そうそう真似できるものでないのは百も承知だ。ネイマールほどの局面打開力を持った選手も、ウィリアンほどの加速力を持った選手も日本には存在しない。

しかし、オフ・ザ・ボールの動きなどは個人の努力次第で十分改善することが可能だと思う。

現在、日本代表の攻撃は大迫のポストプレーに依存する部分が大きいが、この2連戦の結果が示す通り、強豪を相手にした場合、そうしたサッカーには限界がある。むしろ大迫が引いてくることで生まれる背後のスペースに原口や浅野といったウイングの選手が走りこむ、そのフリーランで生まれたサイドのスペースに今度はSBが走りこむといった、常に数人の選手がボールに関わるような連動性のある攻撃が増えていかない限り、W杯で強豪国相手に渡り合うのは到底無理な話である。
これまでハリルホジッチ監督はチームに守備のルールを植え付けてきた。まだまだ未熟ではあるが、ベルギーとの一戦ではその成果を垣間見ることができた。しかし、W杯を7ヶ月後に控えた現在、日本代表は次の段階に足を踏み入れているのではないだろうか。

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