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札幌FWジェイが持病を告白…てんかんとスポーツについて考える

2017/11/15 18:38配信

武蔵

カテゴリ:コラム

4日、宮の沢に緊張が走った。コンサドーレ札幌の練習中、FWのジェイ・ボスロイドが突然ピッチに倒れ込んだのだ。

心配して彼のもとへ駆け寄るチームメイトやスタッフ。ジェイにはすぐさま応急処置が施され、なんとか容態は回復したものの、救急車で病院へ緊急搬送されることとなり、練習場は一時騒然となった。幸いなことに、精密検査の結果、心臓の発作ではなかったことが判明。

ジェイ本人も自身のツイッターで「心配してくれてありがとう。ちょっと気を失っただけで深刻なものではないよ」とツイートし、関係者やサポーターはひとまず胸をなでおろした。

そんな事件から1週間後の11日、ジェイが4日の発作は持病のてんかんによるものだったことを公表した。ジェイは幼少期からてんかんを持っており、薬を服用することで発作を抑えていたが、その日は薬を飲み忘れてしまったらしく、今回のような結果を招いてしまったと説明。

てんかんによるプレーへの影響はなく、今後もこれまで通りサッカー選手としてプレーを続けていくと発表した。その後の回復ぶりも順調で11日の岩教大との練習試合に出場するなど、またピッチ上で元気な姿を見せている。

てんかんってどんな病気?

そもそも皆さんは「てんかん」という病気をご存知だろうか。日本には、現在、100万人ほどのてんかん患者がいると言われている。

これは日本国民の100人に1人がてんかんを持っているという計算になり、決して珍しい病気ではないことが分かるだろう。

もしかすると気づいていないだけで、あなたの周りにもてんかんを持っている人がいるかもしれないのだ。そのため、てんかんについて正しい知識を身につけておくことが大切である。

人間の脳というのは微弱な電気信号を送り合うことで情報を伝達している。こうした電気活動が過度に活発化してしまうことで引き起こされるのが、てんかん発作だ。そして、この発作が繰り返し起こってしまう病気のことをてんかんと呼ぶ。

てんかん発作の症状は人それぞれ。今回のジェイのように突然意識を失って倒れ込んでしまうケースもあれば、身体の一部が勝手に動く、視覚・聴覚・言語に異常をきたす、ふと動きが止まってしまうといった症状もあるそうだ。

だいたい発作は一時的なもので、10〜20分以内に意識を取り戻すことが多いが、けいれんが長時間続いたり、意識が戻らない場合は、病院での処置が必要になるとのこと。万が一、てんかん発作に見舞われた人を見かけたら、落ち着いて対応できるようにしておこう。

てんかんとスポーツの関わり方

今回、自身がてんかんであることを告白するにあたって、ジェイは「てんかんを持っていても素晴らしい人生を送れることを知ってほしい。

自分を信じて普通の人生を送ってほしい」と語っている。幼い頃から持病と向き合い、イングランド代表にまで上り詰めたプレイヤーの言葉は、てんかんに悩む多くの若いアスリートたちの胸に届いたはずだ。


未だに「てんかん患者がスポーツをするのは危険だ」という偏見を持っている人もいるようだが、現在、てんかんを持つ人の80%は薬で症状を抑えることができると言われている。

つまり、主治医の指示のもとで発作をコントロールすることができれば、てんかんを持たない人と同じようにスポーツを楽しむことができるのだ。こうしたことから、もはやてんかんはスポーツをする上で特別高いハードルではなくなってきていると言えるのかもしれない。

周りの理解と手助けが必要

とはいえ、てんかんを持つ人がスポーツをする際には注意しなければならないことも多い。

今回のように薬を飲み忘れてしまう場合もあれば、薬を飲んでいても突発的に発作に襲われる可能性もゼロではない。

特に水泳や自転車などのスポーツでは一瞬の発作が命の危機に繋がりかねないため、普通の人以上に注意しなくてはならないだろう。

そうした最悪の事態を防ぐためには、周りの人々がてんかんについて情報を共有し、理解してあげることが不可欠だ。

少しでも様子がおかしければ声をかけたり、日頃から発作が出たときの対処法について話し合っておいたりするなど、日頃からの心がけで発作による事故のリスクというのは減らすことができる。

今回の件を受けて、コンサドーレ札幌側も「クラブとして薬を保管するなど、しっかりフォローしていきたい」と協力体制の強化を発表している。てんかんを持つ人が何の心配もなくスポーツを楽しめるような環境を、周りの人間が作っていくことが大切だ。

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