CHANT(チャント) 日本代表

格下相手にまさかのドロー…ハリルジャパンが抱える問題とは

2017/10/12 19:58配信

武蔵

カテゴリ:コラム

「長年監督をやってきて、ここまで内容が悪い試合は見たことがない」

ハイチ戦終了後の記者会見の場で指揮官は力なくそう語った。それもそのはずだ。

この日、キリンチャレンジカップ第2戦に臨んだ日本代表は、格下と見られていたハイチ代表相手に3-3のドロー。

試合開始早々に幸先良く2点を先制したものの、守備陣の連携ミスから逆転を許し、

終了間際まで相手にリードされるなど、W杯行きが決定しているチームの戦いぶりとは到底思えないようなパフォーマンスに終始した。

先日行われたニュージーランドとの試合も勝利こそ挙げたが、消化不良の感は否めない。

当初格下と見られていた2チームへの思わぬ苦戦に対して、指揮官は何を感じ、何を得たのだろうか。

見つからない吉田・大迫の代役

指揮官がメンバー発表会見で明言していたように、今回のキリンチャレンジカップのテーマは、以前から代表に招集されながらも出場機会を得ることができなかった選手にチャンスを与えることだった。

そして、宣言通り、この2連戦では約20名の選手が実際に出場機会を与えられている。

期待外れに終わった選手がいる一方、スタメン奪取とまではいかなくとも、バックアッパーとしての実力をしっかりと証明した選手もいると思う。

しかし、個人的に今の日本代表には危機感を覚えざるをえない。

なぜなら、日本代表の命運を握る選手たちのバックアッパー、つまり吉田と大迫の代役を見つけ出すことができていないからである。

いまや代表において吉田と大迫は替えのきかない絶対的な存在と言っていい。

前者は日本人離れした高い対人能力を持ち、守備陣を統率するディフェンスリーダー。

アジア最終予選では全試合フル出場を果たすなど、ハリルからの信頼は厚い。

後者は絶対的なターゲットマンとして前線に君臨し、ハリルホジッチの志す“縦に速いサッカー”の実現に向けて欠かすことのできないピースとなっている。

今回のハイチ戦では吉田、大迫をベンチに置いた状態で戦うことになったが、代役となる選手が見つかったとは言い難い。

吉田不在のバックラインは連携ミスが目立ち、ハイチ相手に3失点。いずれもほとんどプレッシャーのかかっていない状態で自由にプレーさせてしまったことによる失点ということで、吉田不在時に誰がリーダーシップを取って守備陣を統率するのかという問題が浮き彫りになった形だ。

大迫の代役としての働きを期待された杉本もアピールに成功したとは言えない。

得点こそ挙げたものの、ポストマンとして前線でボールを収めるシーンは数えるほどで、攻撃の起点になることはできなかった。

後半はほとんどボールに触れることすらできず途中交代を命じられるなど、不完全燃焼に終わった。

もし攻守の柱である吉田・大迫が負傷した場合、ハリルはどのように対応していくのか。解決策の導出が迫られている。

適材適所の選手起用を

ただ、こうしたバックアップメンバーの不在は選手たちだけの責任とも言い切れないのではないだろうか。

私はむしろハリルホジッチの起用法にも問題があるように感じた。顕著な例が杉本だ。

ハイチ戦では大迫のような働きを求められた杉本だったが、本来大迫と杉本は異なるタイプの選手だ。

大迫が万能型のFWだとすれば、杉本はよりボックス内の駆け引きに特化したストライカータイプ。

セレッソ大阪ではフィニッシュワークに集中できる環境が整っているからこそ結果を出せていると言える。

そういう意味では、杉本の長所を引き出す環境を整えることができなかったハリルにも責任があるのではないだろうか。

これは杉本に限った話ではない。

これまで試合を見てきて思ったことなのだが、ハリルホジッチの中には、まずそのポジションの理想形があって、そこに選手を当てはめていく傾向があるように感じる。それも1つの正解かもしれない。

ただ、代表監督としては選手たちの特性を理解し、互いにプレーしやすいように組み合わせる能力も必要なのではないだろうか。

そう考えれば、純粋に大迫の役割を担うことのできる人材を探すのではなく、大迫不在時は2トップにシフトするといった対応も考慮に入ってくる。

この2連戦を通して、そうした柔軟な対応も見てみたかったと思う。

今回のテストマッチは非常に残念な結果に終わってしまったが、

むしろW杯まで猶予のあるこの時期に問題が明確化して良かったという捉え方もできる。

11月にはベルギーやブラジルといった世界の強豪国との試合も控えている。W杯に向けて課題をどこまで修正していけるのか、期待したい。

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