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最近よく話題に上がる「FFP」って何?

2017/08/09 20:10配信

武蔵

カテゴリ:コラム

シーズン開幕を目前に、海外では日々ビッグディールが締結している。

近年では移籍金が高騰し、かつてでは考えられないような数字が紙面を賑わわせている。

レアル・マドリードからチェルシーに移籍したアルバロ・モラタに8000万ユーロ(104億5900万円)、

エバートンからマンチェスターUに移籍したロメル・ルカクに8470万ユーロ(110億7300万円)、

そして極めつけはバルセロナからPSGへの移籍を果たしたネイマール。

その移籍金は何と2億2200万ユーロ(290億2700万円)。まさに天文学的数字だ。

去年、史上最高額でマンチェスターU復帰を果たしたポール・ポグバの約2倍というのだから、近年のサッカー界の異常性が伺える。

そんなド派手な移籍が次々と成立する中で「FFP」という言葉を耳に挟む機会も多いと思う。

だが、この「FFP」、正直あまり理解していないという人も多いだろう。そこで今回は「FFP」について説明していければと思う。

FFPって何?

FFPの正式名称は、「ファイナンシャル・フェアプレー」。

UEFAが定めた財政面のルールである。クラブ経営の健全化・安定化のために赤字経営を禁止し、財政破綻を未然に防ぐという目的で制定された。

簡単に言うと、クラブの支出は収入の範囲内で行わなければいけないということだ。

収支は過去3シーズンの合計で審査され、赤字経営の可能性があるクラブは制裁を受けることになる。

2014年に実施された同ルールだが、本格導入は2018年から。

それまでは猶予期間として、2015年までは4500万ユーロ、2018年までは3000万ユーロの赤字許容額が設定されている。

このルールの注目したいポイントは、クラブの資金にオーナーのポケットマネーが含まれないということ。

つまり、これまで移籍資金などをオーナーの資金力に頼りきっていたクラブは、体制の見直しを迫られることになったのだ。

ベルルスコーニ会長の資金力にものを言わせて各国のトッププレイヤーを獲得してきたACミランは、

FFPの制定によってズラタン・イブラヒモビッチやチアゴ・シウバら主力を放出。

ACミランのライバルチームであるインテル・ミラノも同様にFFPにより資金力が低下し、主力の流出が進行。

その結果、セリアAの両雄は揃って下降線を辿る羽目になったのだ。

もちろん他のビッグクラブも他人事ではなく、各クラブが対応に追われているといった状況だ。

違反したらどうなる?

もしもFFPに違反すると、厳重注意や警告が下される。

それでも改善が見られない場合は、巨額の罰則金、勝ち点の剥奪、カップ戦への登録メンバーの削減、総サラリー額の締結などの罰則が科せられる。

そして、最悪の場合はUEFAクラブライセンスの剥奪といった重いペナルティが与えられる可能性もある。

こうなると、UEFAが主催するCLやELなどの大会への参加が認められず、クラブとしても大打撃を受けることになるのだ。

PSGはFFPに違反している?

いまサッカーファンの間ではネイマール移籍の話で持ちきりだが、この移籍がFFPに抵触するのではないかという疑念の声も多い。

確かに選手を数人放出したとしても健全経営を維持しながら、2億2200万ユーロという破格の移籍金を支払うというのは現実的にかなり難しい。

そこでPSGは“FFPの抜け穴”とでも言うべき形でネイマールの移籍資金を捻出しようしていると見られている。

どういうことかというと、オーナーと関連のある企業とスポンサー契約を結び、実質的にオーナーのポケットマネーを利用しようというのだ。

これならば、“一応は”FFPの規定に抵触することなく、大量の資金を利用することができる。

しかし、これにはスペイン・プロサッカー機構のハビエル・テバス会長も違反に当たるとして申し立てを行う構え。

PSGは以前にもカタール観光局とのスポンサー契約を巡ってUEFAから処分を受けたばかり。今回の移籍もまだまだ尾を引きそうだ。

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