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【RKU】 FW ジャーメイン良 ベガルタ仙台内定発表。今季『ストライカーコーチ』導入で得た手応えと進化 【流通経済大学】

2017/06/01 22:32配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


今季、大学サッカー界を引っ張る注目選手の一人である 流通経済大学 FWジャーメイン良。

昨季から引き続き、チームのエースとして10を背負いピッチに立っている。
その存在感は絶大であり、大学屈指のストライカーだ。

今季はこれまでJR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ1部にて7節までを消化し、4得点をマークした。
ジャーメイン良の今季の変化を感じさせるのが、2ゴールずつを決めた試合が2試合、という結果だ。
1試合に複数得点を重ねることは「今までほとんどなかった」と流通経済大学 中野雄二監督は振り返る。

最上学年を迎えたジャーメイン良は、『エース』として、ストライカーというその立場に、貪欲に取り組んでいる。

●自身と向き合いスタートした最上学年イヤー エースとしての自覚と覚悟

「自分の自信は勘違いによるものだった。これまでは周りにいかされることで、自分は得点を重ねることができていたんだと痛感した。」
そう話した、昨季終盤。
チームの結果が出なかった要因のひとつとして、ジャーメイン良は自分の責任を口にした。

流通経済大学には言わず語らずとも知られる輝かしい歴史を重ねてきているが、リーグ戦で結果を残したシーズンであってもこれまで得点王が生まれた過去はない。
現在、浦和レッズに所属するOB武藤雄樹が得点ランキング2位となったのが、流大におけるストライカーの最高記録だ。

「守備をしっかりという戦い方という点もあり、流大からは得点王はでない、と周囲からも言われ続けてきた。どの試合でも得点が決められるFWというのはチームを助けることにも繋がり、結果にも繋がる。」
「流大からは得点王が生まれないなんてことはない。自分が獲って証明したい。」
と、話したのは、1年前の同じ頃だった。

得点を思うように重ねることができなかった昨季を経て、チームのエースとしてはもちろん、大学サッカー選手を代表する全日本大学選抜で戦う上でも、もっと向上しなければならないと感じたという。
同じ大学世代で戦う選手たちの活躍から得る刺激に加え、シーズンを通し多くのJクラブと練習試合という形で対戦する流通経済大学の恵まれた環境もあり、Jリーグで戦うプロ選手たちからも多くの刺激を常に得てきた。

その中には、同じく流通経済大学で戦い自身も共に戦い目指してきた先輩も存在する。
大学時代を知っているだけに、プロで活躍する今と過去を比べ、変化を感じることができることも流大の持つ恵まれた『環境』のひとつだ。
違いや変化を感じるからこそ、プロに行くということがどういうことなのかを学び、刺激になってきた。
自分に足りないものも自分で模索し、取り組んできた。

中野監督やコーチ陣は、すべての答えを選手に与えるような指導や教育はしない。
「卒業し、今後プロにいくにしても社会人になるにしても、自分自身で自分を見つめ、疑問や課題・答えを導き出せない人間だと困ることになる」
「ヒントは与えても、すべての答えは与えず自身で考えさせる。これからを生きていくのも今戦っているのも指導者ではなく選手自身」と、中野監督は常に話す。

ジャーメインは何度も自身と向き合い、ここまでを戦ってきた。
そして今季は、最上学年を迎えより貪欲に自身を高めることに着手した。

今シーズンを迎え、全日本大学選抜として宮崎合宿に参加。
Jリーグ開幕前の複数のJリーグクラブと対戦し、その後デンソーチャレンジカップで戦った。
その後のドイツ遠征メンバーにも選出され、初めてとなるドイツへと渡った。

「日本では経験できないことがたくさんあって、毎日が刺激で溢れていた。」と話すドイツ遠征は、
はじめての海外のプロ選手・チームを相手にしてのプレーとなり、そこで手ごたえを掴んだことで自信が生まれた。
「自分でも調子が上がってきているという感覚があったけど、久しぶりに監督に(中野監督)褒められた。その言葉が嬉しくて、自分のやってきていることは間違いじゃないんだ、と。自信になった」と話す。

ドイツ遠征、日韓定期戦を終えチームの宮崎合宿に合流し、全日本大学選抜での疲れを癒すため3日間のオフを与えられた。
全日本大学選抜であってもスタメンが確定されているわけではなく、チームでの競争は常に激しく自分にはない能力を持った選手たちが身近に感じていることもあり、ここからリーグへと向けてチームで存在感をと思っていた矢先、合流1試合目で負傷してしまった。
チームの今季初公式戦となった 天皇杯茨城県予選決勝はスタンドからピッチに立つ選手たちを応援した。
「怪我はリーグまでに間に合う予定。ここでピッチに立っている選手との競争が改めて再スタートすることになる。今年は4年になったということもあり、自覚と覚悟をより一層持っての最後の年にしたい。」
雨の中、ピッチを見つめ語った決意。

ジャーメイン良の2017シーズンが 幕を開けた。


●新たに取り入れた『ストライカーコーチ』。ストライカーに特化したトレーニング強化

「GKコーチがいるのと同じく、ストライカーにもストライカーコーチがいてもいい」と、話すのは流通経済大学 大平正軌コーチ。
「GKと同じく、またはそれ以上に、スペシャルなトレーニングがストライカーにも必要。」
と、ストライカーに特化したトレーニングの必要性を説く。

流大スタッフ陣全員が感じていたという、ジャーメイン良のシュートについての問題点があった。
「とにかく、ジャメ(ジャーメイン)はシュートが下手だった。」
中野監督、そして大平コーチ、川本コーチもそう話す。

「1試合に3回は大きな決定機がやってくる。その内2本は我慢しなければならない、という感じがこれまで続いてきた。
1本目の決定機を外し、2回目も外す。やっと3本目で決めることができるかどうか。
それを覚悟しながら見ていないと、イライラが止まらなくなってしまう。なんでそれが決められないのか、という場面が毎試合必ずあった。」
と、振り返る 中野監督。

裏に抜けてのドリブルからのシュート、ジャーメインを語る上で絶対の代名詞であるスピードをいかしたプレーなど、すでに超大学級の選手であるという評価であるものの、
それでもシュートに関する問題点に取り組むことで、「チームのためはもちろん、全日本大学選抜のFW候補選手としてジャーメイン良の得点力アップに繋がることは必要な強化」と考え、
ストライカーに特化したメニューを取り入れてのトレーニングが始まったという。

「クロスに合わせる得点が少ない」と感じていたという大平コーチは、ジャーメインのプレーをみていてボールへのミートができていないという部分に気が付いたという。
「ボールの中心を当てていないと感じた。それならばサッカーボールよりも小さいボールを使ってミート面の角度など様々な要素の改善に着目し、取り組んだ」と、大平コーチ。

今季は、元日本代表 秋田豊氏の指導も加わりヘディングでの練習を強化したという。

「自分の時代には、もっとヘディングの練習をしたものです。毎日ヘディングの練習を重ねたことで、絶対の自身を持つことができた経験がある」と話すのは、中野監督。
「大学生になって今、ヘディングの練習を改めてしているところはないでしょうね。でも練習は重要。ボールを競る時も背が高い低いだけではない。相手より飛ぶにはどうしたら良いのか。ポジション取りや駆け引き、身体を使った勝負が存在する。」
「そういった細かな部分の練習を日々の練習で取り入れることで、試合になったときに自分のヘディングにもっと自信が持てる。」
高校選手権に3年間3度出場し、2度の優勝 大学時にも大学制覇という選手時代の経歴を持つ中野監督は、強く戦うためにはヘディングの向上が必要と力強く話す。

そして、変化はすぐに結果となって出ている。
1試合複数ゴール。そしてヘディングでの得点だ。
ジャーメインは「今年はヘッドでしかゴールを決めていないのではと感じるほどに、自分でも変化を感じています。」と、自身の変化について手応えを得ていた。
「ボールをミートする位置が変わったし、これまでは打ち付けていたところをきちんとミートすることで当てるだけでパワーは出るんだ、と知りました。」と語る。

チームのエースとして。
ユニバーシアードで日の丸を背負うこととなる全日本大学選抜を目指して。
そして、今後のプロサッカー選手としての自身の未来に。

より自信を持って、より結果を出すための
出来る限りのストライカーとしての準備を日々、重ねている。


今季、大学サッカー界で大きな注目とされてきた 流通経済大学 ジャーメイン良のベガルタ仙台内定が発表された。

実際に、ベガルタ仙台へと練習参加し、ホームスタジアムで試合を観戦し、仙台の街を自身の足で歩いた。
「すごく良い雰囲気だと思った。チームもスタジアムも仙台の街も。」

すぐに届いたオファーと熱意に、熱くなった。
プロサッカー選手を目指し、その夢が叶うことになることを「素直に。すごく嬉しい。」と話した。

流通経済大学での日々はプロサッカー選手という『夢』を『目標』にした。
自身が関わった同じピッチで戦ってきた先輩たちがプロの舞台で活躍することや、練習試合として、天皇杯での公式戦としてJクラブと対戦を重ねてきたことで、プロサッカー選手という目標がよりリアルになった。
「プロサッカー選手になることがゴールではないとわかっていても、プロサッカー選手になることだけを目標にしていた頃と今は全然違っているな、と感じる。」
「自分でいつそうなったのかというきっかけがあるわけではないけれど、プロサッカー選手になる、ということがいつしか絶対になった。なってからの先が重要で、もっともっと先に行きたいという気持ちが強い。」とジャーメイン。

熱意を持って必要と伝えてくれたベガルタ仙台で、ストライカーとして多くゴールを決め、チームの勝利のために戦うことを誓う。

「自分の今感じている向上や変化に、満足はしていられない。もっと上はいる。」と危機感を常に持ち、その上で
「自分にしかない武器がある、という自信も持っている」と、強く言葉にした。


流通経済大学『エース』ジャーメイン良が持つ ストライカーとしての決意と覚悟。
プロへの挑戦を前に、大学サッカーから新たな『挑戦』を発信する―。

Writing by Tomoko Iimori / Photo by Yasuko Tohyama

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