CHANT(チャント) 日本代表

ハリルの示し続けた基準、ピークを迎える

2017/05/29 18:09配信

武蔵

カテゴリ:コラム

6月シリーズに臨む日本代表メンバー25名が発表されました。

このメンバーは、日本時間6月13日の21時25分に行われる

ロシアW杯アジア地区最終予選、アウェイ・イラク戦に向けたもので

その叩き台として、6月7日に東京スタジアム(味スタ)でシリアとも戦います。


叩き台+予選本番という形は昨年の11月シリーズと同じです。

調整期間を長く取ることができ、力が上の日本には好都合な日程と言えるでしょう。

気になる選手やシステムを試すこともできます。

外れた常連と新顔

まず、ハリルホジッチ監督が常々言っていたことは

「最終予選中はあまりイジれないし、イジらない」

という趣旨のことでした。

そのため、ここにきて大ナタを振るってきたことは、少々どころか意外と言えます。


とはいえ、西川周作、清武弘嗣は

代表において、川島永嗣や香川真司といった実績ある選手たちに復権を許しており

レギュラーとは言えませんでした。

従って、理屈で言えば、選外となるのは不思議ではないことです。


出場を続け、レギュラーと言えた森重真人の選外はサプライズと言えました。

ただ、彼に関しては名指しで「ここのところパフォーマンスが良くない」とされ

直近のリーグ戦である神戸戦の失点シーンのウェスクレイへの対応を始め

代表選出へのアピールが出来なかったと見ることができます。

出場を続けてきた森重が外れたことで、レギュラー枠が空いたと言えます。

ここには、今回はCBとして招集されたと見える槙野智章や

ACLにリーグにとフル回転を続ける昌子源に加え

初招集の三浦弦太にもチャンスがありそうです。


三浦は今季、清水からG大阪へ1億円とも言われる違約金で完全移籍を果たしました。

3バック時には鋭い出足と対角線のフィードで欠かせない戦力となり

チームが4バックに再移行してからも定着し続け、評価を高めていました。


これについては後述しますが、ボランチの選手層という事情もあり

また、森重が抜けたことで、特に注目が集まるのはCBのビルドアップ能力です。

今まで、森重も十分な評価を受けていたワケではありませんが

それでもその役目の比重は、吉田麻也よりも森重の方が高かったように思えます。

基本となるCBとしての守備能力もさることながら

ビルドアップ能力に関しても、練習時から厳しい目に晒されることとなるでしょう。



「ここのところのパフォーマンス」といえば

図抜けた活躍を見せ、柏の快進撃を支えている中村航輔が招集されました。

リーグ戦6連勝を支えたのは、間違いなく

驚異の反応速度と足下でチームを下支えしてきた彼の存在があります。

「5番手くらい」(ハリルホジッチ監督)というように

決して現時点で西川らを上回ったという評価ではありませんが

今回はその順番が入れ替わることとなりました。


3番手までに入れなくとも、年齢のこともあり、掴んだチャンスです。

練習から試合まで、大いに刺激を受けて糧としたいところです。

ハリルの選手選考は、1つのピークを迎えたのではないか

今回、最大のサプライズと言えたのが加藤恒平の初招集でしょう。

日本では町田でプレーしたのち、モンテネグロ1部、ポーランド1部を経て

現在のブルガリア1部・ベロエに所属する27歳の選手です。


プレースタイルとしては、強い球際を生かすファイタータイプで

「山口蛍に似ている」(ハリルホジッチ監督)という分かりやすい例えが出ています。



今回の、加藤の招集を始めとするボランチの構成には

これまで示されてきたハリルホジッチ監督の選考基準を感じますし

そして私は、ここにピークを迎えた、という感想を持ちます。

ハリルホジッチ監督は、まず「イラク戦に勝たねばならない」としました。

そのために「相手の短所を突き、長所を消しにいく」としています。

この2つは、前者は当然のこと、後者は氏が今まで示してきた戦い方です。

優れた戦術家であるハリルホジッチ監督は、今予選で

アウェイのオーストラリア戦やUAE戦などを代表例に、そうしてきました。

そして、イラク戦もそう戦う、ということに他なりません。

そのために「戦いが好きで、ボールを奪うのが大好きな選手を選んだ」ということです。


長谷部誠を欠くため、山口蛍を中心とし

未だリーグ戦に復帰を果たしていない今野泰幸を強行招集し、加藤を呼んだこと。

その次に控えるのは酒井高徳でしょうし

発表順が示す序列の最後尾に置くのも井手口陽介です。

そこには柏木陽介も柴崎岳もおらず、高萩洋次郎の名前もありません。

今回、故障が無ければ招集したかも、とした大島僚太も

昨年9月の招集時には、その理由として「球際での進歩」が挙げられました。


ここまで来ると、ハリルホジッチ監督の必要とする選手

持つ能力、特性の優先順位が、いい加減に分かってくるというものです。

特にこのポジションに求められるのは、ボールプレーよりも球際の強さです。


そして、最終予選を突破したのちも、これがW杯本番まで続くと考えられます。

それがハリルホジッチ監督の得意技であることもあり、アジア相手でこうなのだから

日本のボール支配率が下がるであろう世界の強豪と対峙した時でも変わることはない。

そう見るのが自然と言えます。


何が言いたいかというと、現実として監督の示す方向性を直視し

全てのサポーターがチームと同じ方向を向けたら良い、ということです。

ただ、印象としては、これがピークではないかというところもあります。

つまり、ここまで示されてきた基準や優先順位は前提として

当然のことながら、その基準を満たしたボールプレーヤーには出番がありそうです。

そして、ハリルホジッチ監督はその候補を、倉田秋以外にも見つけているようです。


ハリルホジッチ監督は、小林祐希を選出外とした理由について

あくまでイラク戦だから、イラクの特徴を踏まえてのことだとしました。

わざわざ名前を挙げたことを思うと

「守備のところでアグレッシブにボールを奪う」という課題を解決すれば

すぐに招集される序列にあると見ることができるでしょう。

そして、この点においては前述の大島とともに、大きな期待を受けていると言えます。



大島や小林などは、ハリルホジッチ監督が示してきた基準に対応できるのでしょうか?

もしそうなれば、バランスの良い人材として重宝されることでしょうし

今回のようにハッキリとしたメンバー選考は、これで最後になります。


W杯の最終メンバー発表まであと1年。

ハリルホジッチ監督が期待を寄せるボールプレーヤー達が成長すれば・・・

という条件付きで、氏が一貫して示してきた基準による選手選考が

ピークを迎えるに至ったのでした。

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