CHANT(チャント) 日本 U-23代表

U-20日本vsU-20南アフリカ 「前線の最適解」

2017/05/22 19:06配信

武蔵

カテゴリ:コラム

U-20W杯が開幕しました。

グループリーグで南アフリカ、ウルグアイ、イタリアと同組となった日本は

21日、初戦の南アフリカと対戦しました。

2位までが無条件で決勝トーナメント進出となり

3位でも成績次第によって進出できるというレギュレーションです。

日本は442です。

15日に行われたホンジュラス戦からは1人が入れ替わり

ボランチの原輝綺が板倉滉となりました。

キャプテンで10番の坂井大将と板倉は、ホンジュラス戦では合わせていません。


対する南アフリカは4141で守備ブロックを敷きました。

内紛があり、チームの合流が遅れた選手はいずれもベンチスタートとなりました。

低調な立ち上がりの日本は徐々にペースを掴む

立ち上がりの日本は攻守で低調なデキを披露することとなりました。

守備時には連動せず、1列目のプレスがかわされて間延びする場面もあり

また、1列目がボールマークを十分に行えていない中で高いラインを敷くことで

ロングボールでその裏を散々脅かされることとなりました。

7分の失点シーンはまさにその形です。

立ち上がりの日本は、組織的な守備が行えていませんでした。


それは切り替え、攻撃面でも表れました。

プレスが連動してくると

相手に意図せぬロングボールを蹴らせることに成功し始めます。

ただ、それを中盤で回収したのちも、速い攻撃に繋げることはできませんでした。

南アフリカの切り替えは整備されていなかったものの、日本の守→攻も同様でした。

また、先制され、ボールを持てるようになってからも

持ち味であるはずのポゼッションも、序盤は思うようにいきませんでした。

準備した通り、両SHがハーフスペースで縦パスを引き出し、SBを大外から進出させ

主に裏抜けを担当する岩崎悠人を合わせたこの3人で三角形を作りボールを運ぶ。

そのため、岩崎のいる左サイドからの攻撃が多くなるのですが

相手の4141のアンカー脇を上手く使えてはいたものの

この三角形の角度が十分に付けられなかったり

三好康児が持っても仕掛けられなかったりと、相手の脅威とはなりませんでした。


国際大会の初戦特有の難しさがあったり、芝の長さに対応できなかったり

あるいはアフリカ勢の身体能力への戸惑いというものがあったかもしれません。


前半の日本は、小川航基の2つの決定機は、セットプレーと単純なクロスによるもので

あまり狙いどおりの形は出せませんでした。

ただ、立ち上がりの体たらくから、やられっ放しではなく

アフリカ勢相手でもシンプルな攻撃で相手に脅威を与えていけるというところが

このチームの強みと言えるかもしれません。



そのシンプルなプレーが良い流れを呼び込んだのか

後半開始早々に日本が追い付きます。

それはやはり、左サイドでの崩しから生まれたものでした。

ローテーションした舩木渉を離してしまう相手右CBのまずい対応はありましたが

岩崎の裏抜けで奥行きを作ってからのペナ角3対3で決定機を迎えるというのは

この試合の左サイドの崩しの大きな狙いであったことは確かでしょう。

エース・小川の持ち味である動き出しも見事でした。

久保が投入されてからが日本の本領か?

同点に追い付いた日本ですが

59分にして最初のカード、三好に代えて久保建英を投入します。

久保は、守備時は小川と並びましたが、攻撃時は1.5列目という位置取りでした。

それに伴い岩崎が左SHとなり、サイドでの仕事に専念するようになります。


久保のファーストプレーは小川への決定的なスルーパスでした。

これは南アフリカのGKが首尾良く飛び出して防ぎましたが

選手交代の効果がすぐに表れ、士気も上がるというものです。

そして、この場面に日本の最適解が表れているように思えます。


このチームのエースは小川です。

強力なポストプレーのみならず、ストライカーらしい動き出しを武器とします。

エースのその武器を生かす場合、様々な選択肢がある中でパートナーに選びたいのは

トップ下的にスルーパスを狙える久保なのではないでしょうか?

久保のファーストプレーはそれを示したものと言えます。


そして、久保を置く際には中央が密集しないように

SHにはサイドに置いておいても力を発揮する選手が好ましく

できれば久保に足りない裏抜けが武器の選手を置きたいところです。

久保投入後の岩崎はそういった意図があったことでしょうし

このチームには、岩崎ほどの俊足でなくとも

遠藤渓太や高木彰人などが控えていることから汎用性も見込めます。


日本の勝ち越しは自陣のFKからでしたが

遠藤がサイドに張ってボールを受けることで相手の布陣を引き伸ばし

その際に空いたスペースを堂安律と久保が上手く使うことができました。



ただ、これはあくまで攻撃面での最適解だと言いたいところです。

久保はフィジカル面のあらゆる点において、年少者の弱みを持っています。

そのため、途中投入された選手に期待されるべき頑張りにおいては

あまり期待することができません。

そういう選手は、やはり先発で起用するのも難しいでしょう。


それは岩崎のサイド起用にも言えることです。

66分の被決定機は、板倉と岩崎の間を通されたところから始まっています。



つまり、南アフリカ戦で分かったことは

エース・小川を生かす=決定機を作るために、久保の起用が最適解であること。

ただ、久保は先発で起用すると収支が安定しないため、途中出場とすること。

久保を投入する際には、活躍するべきスペースを与える処置を施すこと。

これらのことです。


これらが、今大会の日本の本領発揮に必要な材料だと言えるでしょう。

しかしなんにせよ久保の投入が、その分かりやすい目安となります。

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