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【浦和レッズ】 目指すのは今季も頂点のみ。浦和レッズの2017が始まった―。【J1】

2017/03/14 22:24配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:コラム


J1リーグが開幕して、3節までを終了した。
現在4位の位置に付けているのが、今季もJリーグの「基準」を引っ張る存在となるであろう浦和レッズだ。

今年も一番高いところを目指し戦うこととなるが、目を背くことのできない近年の結果は、タイトルを逃し続けてきたという結果だ。
タイトル争いの中心にいなからも、終盤に自らが結果を掴むことができずタイトルを逃し続け、昨年はクラブ史上最高勝ち点を積み重ね年間1位に立ちながらもチャンピオンシップで敗れ、リーグタイトルを再び手にすることはできなかった。

しかし、昨年はルヴァンカップを獲った。
ペドロヴィッチ監督就任後、はじめてとなるタイトルは、非常に大きな意味を持っていた。
日本代表組が出場したのは決勝のみ。決勝までの戦いを日本代表組不在で戦い、勝ち上がってきた層の厚みと
普段スタメンとして出場している代表組との熾烈な競争があり、各々が意識を高く結果にこだわり突き詰めてきた結果だった。

チャンピオンシップではアウェイで先勝し、真っ赤となった満員の埼玉スタジアムで戦った2戦目では先制しながらの、その後まさかの敗戦。
逃してきた分だけ予想を遥かに超える悔しさを体感している浦和レッズは、立ち上がる度に更なる強さを追求する。

2017シーズン再び、タイトルへと手を伸ばす。

●2017ここまでの戦い

今季はハードなスケジュールからスタートした。
2月12日に行われた、さいたまシティカップ2017×FCソウルとのプレシーズンマッチが行われた後、
18日には鹿島アントラーズとの富士ゼロックススーパーカップで今季初公式戦を迎えた。
結果は、2-3で敗戦。
直接FKを決められ失点した後、シュートがポストに跳ね返ったところフリーで走ることを許していた鹿島・遠藤に決められ2失点目。
その後はPKで1点を返し、武藤のゴールで同点としたものの、バックパスを背後から狙われるというミスで3失点目を許し、喫した。

試合後、夜にはACLを戦うためにシドニーへ向けて出発。
ACLの日程の厳しさは、試合を戦うだけでなく前日の公式練習が行われることにある。
今季のACL開幕戦はアウェイにてオーストラリアの強豪 ウェスタン・シドニーと戦った。

試合は格の違いを見せつける形での 完勝といって良いであろう。
終始試合を制した浦和はACL開幕戦を4-0で制し、白星スタートを飾った。

21日の試合後、帰国し迎えた25日、Jリーグ開幕戦では、アウェイで横浜Fマリノスと対戦。
試合序盤から激しい攻防が続く中、横浜FM・齋藤のドリブルに数人が付くも振り切られる形でスペースへと配球され、そこに走り込んだバブンスキーが強烈なシュート。前半の早い時間に失点してしまう。
しかし、その後新加入ラファエル シルバがACLに続くゴールをたった2分間に2得点決め試合をひっくり返した。
が、その後試合終盤セットプレーで失点すると、ATには再び斎藤のドリブルから起点を作られ1失点目と同じ形で失点を喫し、3失点目。
2-3で開幕黒星スタートを喫した。

ACLでは完勝したものの Jリーグクラブ相手に2試合で6失点という失点の多さが気になる結果となった。

その後も試合は続く。
中2日で迎えた再びACL。埼玉スタジアムの今季初試合となったACL×FCソウル戦では、試合序盤からゴールを重ねる展開に。
立て続けに3ゴールを奪うと、再びセットプレーから直接FKで失点。
しかし、その後も2ゴールを奪い前半だけで5得点を奪い圧倒。
再び試合終了間際に気になる失点があったものの5-2で勝利。ACL国内初勝利、そしてACLでは連勝をマークした。

15日間5連戦というハードスケジュールの最終となったのが、リーグ2節のセレッソ大阪戦。
ここでは格の違いをしっかりと示す圧倒的な試合を展開。
相手の3タッチ目にはボールを奪取し前を向くことが多い、相手がボールを持つことに恐怖に感じていると伝わるほどのプレスを展開し、速いボール回しと取られたら取り返す囲むプレスで相手を威圧。
3-1で快勝したが、再びセットプレーで失点したことが気になった試合だった。

連戦が続いたため、リーグ始まって以来初となる1ヶ月ぶりのオフを経て、試合の周期が通常通りに空いて迎えたリーグ3節はホームにヴァンフォーレ甲府を迎えた。
甲府を相手に圧倒した試合を進め、しっかりと得点を重ねるも、失点し1点差の危険な時間を迎えるも、そこからさらに2得点と突き放す形で
4-1で勝利を重ね、リーグでも連勝を記録した。

●早めに減らしたいセットプレーでの失点

ここまで気になる点を挙げるとするならば、セットプレーからの失点だ。
ゼロックス鹿島戦での直接FK、リーグ・横浜FM戦でのCKからの失点、ACL・ソウル戦での直接FK、リーグ・セレッソ戦でのCKからの失点、とセットプレーからの失点を重ねていることは気がかりだ。

今はリーグとACLを戦っている以上数日ごとに試合がやってくるサイクルであり、ACLの前日公式練習も含めると変化を付けるに充分な時間を費やすことはできないが、
普段からセットプレーの練習に時間を割かないチームではあるものの、セットプレーの失点は気になる部分ではある。

勝利を重ね勝ち点を重ねていくことが第一であり、試合に勝つことが先決で失点を0で抑えることに重点を置いているわけではないが、大事な場面でセットプレーで失点すると相手側に勢いを与えてしまうことにもなり兼ねない。
1つのゴールで試合がガラリと変わってしまうこともあるだけに、セットプレーでの失点は避けたいところであることは確かだ。

直接FKに関しては、ゴール前で相手にセットプレーを与えないことに尽きるが、CKからの奪われるゴールに関しても避けたいところだ。
逆に浦和のセットプレーでの得点も増えていくと、タイトルに向かっていく上で武器が増すこととなる。
浦和は流れの中で得点を奪うチームであるが、セットプレーから得点が少ないチームともいえる。
これもセットプレーからの得点の練習にはあまり時間を費やしていないこともあるが、セットプレーでの迫力が増すと、さらなる一手を生むことに繋がる可能性も秘めているであろう。

●熟成する連動 奪われたら奪い返す、ボールが動く前に動く

セレッソ大阪戦やACLウェスタン・シドニー戦で魅せた圧倒の根源は、浦和レッズ独自の熟成された速い連動にあるといえるであろう。
ボールを持った時には、受け手の選手たちはすでに動き出しており、スペースからスペースへと走り込んでいる。

多くのチームで鳥かごと呼ばれるパス回しの練習が行われているが、練習前のリラックスのアップに用いられていることが多い。
が、浦和レッズの鳥かごは、とにかく人が動く。
足元から足元へ ではなく、ボールよりも先に人が連動し動きボールに触る。
スタジアムで上から見ているよりも実際にピッチレベルで見ると、想像を超えた速さがあり、その違いは明らか。
ボールがものすごい速さで正確に連動しながら流れていくことで、相手に相当な威圧感を与える。

ボールを奪ったとしても、すぐにプレスへと向かい数タッチ目には複数で囲みボールを奪いに行く。
その前のプレスの圧によってボールを速く出さなければ奪われてしまうという恐怖感を与えることで、受け手がまだ準備ができていない読めていない状況で中途半端なボールが配球されることとなり
ルーズとなったボールを見逃すことなく、即時に奪う。

圧のある、連動。
ペドロヴィッチ監督が就任して6年目。連動して囲むことを意識したのは昨シーズンから。
熟成にプラス要素を重ねながら進化する、浦和レッズの武器だ。


●待っていた全体練習合流という知らせ

今季、新加入7選手を獲得しているが、現在主力として試合に大きく絡んでいるのはラファエル シルバのみ。
新戦力の選手たちがチームの大きな戦力となる役割をまだ担っているとは言えないが、日本を代表する主力選手たちの中に覚悟を持って挑戦してきた選手たちであることは間違いなく、今後浦和のサッカーに自らの能力を重ねながら
トレーニングや練習試合を経て、アピールし戦力としての一手となっていくことが期待される。

今季のチームを創る上で、新戦力にも注目が集まるが、浦和レッズとして重要となる戦力の一人であり、
チームとして必要不可欠といって良いであろう選手が、ついに全体練習に復帰したというニュースが巡った。
―梅崎司だ。

浦和在籍10シーズン目を迎える今季。
昨年、ルヴァンカップ神戸戦。プロサッカー選手となってから2度目の前十字靭帯損傷を負った。
十字靭帯の怪我はサッカー選手にとって大きな大きな怪我だ。
手術、長いリハビリ期間を要し、半月板へのリスクや再発などその後も慎重な経過が必要となる。
スポーツ医学の発展は常に進んでいるもののそれでもいまだ十字靭帯の負傷から癒えるには長い時間を要し、復帰をしてからも完治をしたとは言い難い状況となることもある難しい箇所の怪我といえる。
前回は右膝。そして昨年は左膝と十字靭帯損傷を負い、リハビリをしながらチームのルヴァンカップでのタイトル。そしてリーグのタイトルを掲げられなかった場面を見てきた梅崎。

梅崎はスタメン出場が近年では少なくなっていたものの、後半から試合に入ることが多かった欠かせない選手で在った。
それでも、梅崎はその自分のポジションに満足は決してしていなかった。
浦和は少しでも気を抜くと自分のポジションはすぐになくなると表現する選手もいるように、能力の高い選手が多く常に熾烈なポジション争いがあるが、スタメンを奪取するには主力組よりももっともっと意識を高め、それ以上を追求しないことには
スタートから使ってもらえないという覚悟の下、梅崎は日々のトレーニングに全力で向かう選手だ。

他のチームではスライディング禁止や接触禁止など所謂「球際」の部分が全くない負傷を避けた練習試合が存在するところもあるが、浦和の練習試合ではとにかく梅崎の全力さが際立つ。
梅崎は相手がプロであっても大学生であっても球際厳しく、身体の当たりも強烈な音を立てるほどの勢いで向かい、ぶつかっていく。
声が漏れるほどの激しい息遣いは体力の限りで目の前の試合に取り組んでいる姿であり、戦いながらも相手となっている選手やチームへの敬意も忘れない。

そういった姿があるからこそ、他の選手たちも練習試合本来の目的を見失わず「ココで出来なきゃ使われない」という意識を持って、真剣に戦いの場として取り組むことができ全体の志気が上がる。
常に全力である姿から、主力選手たちも同時にもっともっとと高めることに意識を置く。

梅崎司という存在は、そういう存在なのだ。

梅崎は途中から試合に出場することが多くても、それに満足はしない。
スタートから出て90分チームのためにピッチに立つ。そして結果を出すことを貪欲に追及している。
サッカー選手でいる以上、自分にできることのすべてはやり遂げたい。追求したい。

長く主力として戦うと。
長くベンチの選手として途中から出場の選手となると。
長くベンチ外の選手として絡めない日々が続くと。
人間だからこそ、ついその状況に置かれ続けるとその状況に慣れてしまうことがある。
それが当たり前ではないと、変えていかなくてはならないとわかっていても、慣れが出てしまうことがある。
しかし、梅崎はその状況に常に満足はしない選手であり、さらなる高みを目指せる選手である。
そういった選手の存在は、チームにとって大きな大きな存在であるはずだ。


タイトルを目指すチームであっても、昨年、一昨年、さらにその前…と同じであってはいけない。
「基準」となるチームだからこそ常に細密な分析を受ける立場であり、進化が必要となる。
レギュレーションに泣いたシーズンであっても、それでもタイトルを獲れなかったチームであることは受け止めなくてはならない。
だからこそ、なにが必要なのか―。

どのチームよりもその追求は経験を持って体験してきたはずだからこそ、
今季の浦和レッズはどんな道を辿り、どんな変化を受けて、頂点を目指していくのか―。


2017シーズンも、浦和レッズは頂点を目指し、戦う。

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