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【2017】 2017 J2展望 ~第1回 最短でJ1復帰を狙う3チーム~ 共通する『J1での経験』を持つシーズン 【J2】

2017/02/20 22:00配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


2017年明治安田生命Jリーグ開幕まで、1週間を切った。
J2は昨季プレーオフに出場しなかったチームは20日に閉幕し、約3ヶ月。
J1は11月3日に閉幕したため天皇杯に勝ち残っていた湘南以外の福岡、名古屋についてはそれよりももっと長い4ヶ月弱を経ての開幕とあり、
今季開幕を心待ちにしているサポーターも多いであろう。

近年、戦国時代ともいえる過酷な戦いが繰り広げられてきたJ2だが、今季も混戦が予想され話題となるポイントや注目すべき点が多いシーズンとなりそうだ。

J2は、J1から1日遅れて2月26日に開幕する。
今季もJ1昇格をかけて。J1ライセンスを持たないチームも最上位をかけて。
頂点を目指す戦いが、始まる。


●J1昇格から1年でのJ1最下位と降格という厳しい現実。再度チャレンジするため厚い土台を創るシーズンに アビスパ福岡

2015シーズン。
大宮アルディージャ、ジュビロ磐田とシーズン終盤まで熾烈な昇格争いとなった猛追を経て、82もの勝ち点を積み重ねリーグ3位の位置で挑んだプレーオフで見事昇格を掴み、
5年ぶりのJ1昇格を果たしたアビスパ福岡。
昇格1年目となった昨季はJ1残留・定着を目指し戦ったが、J1という壁は想像以上に厚く高いという現実を噛みしめるシーズンとなった。
思うように勝利を重ねられず、結果を出すことが難しく、ステージの違いを痛感するという経験をした。

プレーオフ導入後、J2からプレーオフ枠で昇格したチームがJ1に残留できたことはこれまでに存在しない。
そのジンクスに沿う気はなく、残留を目指したがアビスパ福岡も一年で降格という道を歩むこととなってしまった。
それだけJ1という場所は、J2で戦って上位であっても簡単には勝つことのできない場所であること、ステージとしての違いがあることを突きつけられた。

J2で多くの勝利を得てチームに自信が持てるようになり、全員で掴んで歓喜を持っての昇格を経て、
J1で思うように勝利を重ねることができず、真正面からJ1の壁にぶつかり苦しむこととなると、それまで積み重ねた自信や手ごたえが少しづつ崩れそうになる。
それを必死で修復しようとするその作業の繰り返しは、大きなメンタル的なダメージを生み、戦い尽くしながらも最下位で降格してしまうと、翌年のJ2での戦いも難しいシーズンとなってしまうことがこれまでは多かった。

しかし、アビスパ福岡は昨季J1での厳しい戦いをした経験を継続することを選択した。
J1昇格、そして降格のどちらも経験した井原正巳監督が就任3シーズン目を迎え、J1で浮き出た課題を持って再チャレンジをすることとなる。

金森や田村といった主力選手がJ1クラブに移籍したが、決して戦力を落としたわけではない。
J1をそしてJ2を サッカーを知っている新戦力加入が今オフは目立ち、層を厚くすることに成功。

最重要ともいえる補強ポイントであったディフェンスラインに強力といって良いであろう選手の補強が出来た点は大きい。
清水、そしてG大阪で活躍。タイトルを経験しACLでも戦ってきた経験豊富なセンターバック岩下敬輔の加入は福岡のディフェンスラインを大きく変えることであろう。
ディフェンスリーダーとなることは間違いなく、福岡の守備に足りない部分を豊富な経験から見出し指摘、カバーできる選手となるであろう。

始動直前に加入が決まった、山瀬功治の存在も大きい。
今季36歳を迎える山瀬だが、昨季は京都サンガでチーム内最高得点を重ねた選手であり、年齢を重ねてもなおそのプレーの質の高さに注目が集まる選手だ。
札幌・浦和・横浜FM・川崎・京都に在籍しそれぞれチームの歴史に残る活躍・ゴールを生み出してきた。日本代表経験も持つベテランは、6チーム目となる福岡でもチームを引っ張る存在となることは必至だ。
名古屋からは松田力、Jリーグでプレー経験を持つ新外国人ジウシ―ニョ、Kリーグ2部で18得点をマークしベストイレブンにも選出されたウィリアン ポッピも獲得。

強力といえる新戦力を迎え、昇格と降格という明暗を短期間で経験し迎える井原体制3シーズン目のアビスパ福岡は、再びJ1へとチャレンジするため、目標に昇格を掲げ戦う。


●再びJ2を引っ張る存在となるか 継続し進化する『湘南スタイル』 湘南ベルマーレ

J1から降格した翌年2014シーズン。
脅威の独走を続け、勝ち点100以上を積み重ねて再びJ1昇格を手にした湘南ベルマーレは、再チャレンジしたJ1にて年間8位という成績を残した。
継続して続けてきた、J1で戦い勝利するために必要となることを詰めた『湘南スタイル』を全員で共有し、結果を重ねたが
存在感を放つということは選手個々の能力にも当然注目が集まることとなり、主力選手たちがビッグクラブに挑戦する形で移籍し、チームから出るという選択をした。

新たに新戦力を迎えるも、積み重ねてきた湘南の走るサッカーを浸透させるのは簡単ではなかったが、
結果を積み重ねることができなかった2016シーズン、曺監督は決して選手たちの責任だという言い回しを口にすることはなかった。

自分が求めている戦い方を頑なに変えなかったという責任がある、と絞り出した言葉。
監督を務める人によって、それぞれ選手たちとの距離感に違いがあるが、曺監督は選手たちの気持ちの部分にとても近く在る監督で想いを大切にする監督だ。

だからこそ、選手たちからの信頼も、サポーターからの信頼も厚い。
人と人の部分を大切にする監督だからこそ生み出せるものが、湘南スタイルの根本にあるのではないかと感じさせるほど、湘南スタイルの確立には日々監督と選手で積み重ねた練習の時間が必要不可欠なものであると伝わってくる。

J1で2シーズンを過ごし、結果を出した1年、そして結果を重ねることができなかった昨季を経て、
6シーズン目を迎える長期政権・曺監督指揮の下、湘南ベルマーレはJ2で再びJ1で戦えるチームを目指し戦うこととなる。

J2で勝てるチームではなく、J1で勝てるチームを意識し目指し結果を重ねたJ2での2014シーズン。
どうしても比較をされてしまうであろう自らが積み重ねた歴史に残る勝ち点100以上を重ねたシーズンを意識しつつ、高みを目指す。
J1で勝てるチームは当然J2でも勝てなければならないという意識を再び強く持ち、昇格をすることで良しとするのではなく再びJ1で湘南スタイルで勝負できるよう進化のシーズンとしなくてはならない。

今季もチームの顔となる選手が、ビッグクラブへと移籍した。
湘南といえば、という選手たちが次々と他チームから求められるということは、チームにとっては厳しい状況ではあるが、それだけJリーグ全体に重要かつ戦力となるインパクトのある選手を生み出してきているということだ。
曺監督が育てた選手たちが、Jリーグのトップクラブにて躍動している事実。
湘南ベルマーレから発せられているfootballが日本のサッカーを大きく動かしているという真実。

昨季もスプリント回数ランキングではトップ、1試合で走る距離も総合2位と上位に入ることが当たり前となっている、湘南の走力。
今季も始動からとにかく走ることにこだわり、始動したてとは思えないようなトレーニングを重ね続けてきた。
ワンタッチにこだわり、速さを持って、連動する。
湘南スタイルがJ2で再び今季、輝くことに期待したい。

●初めてのJ2でJ1チームの威厳を魅せつけることができるか 名古屋グランパス

まさかの―。
昨季、上位チームの他に大きな話題となったことがある。それが、名古屋グランパスの不振、低迷だった。
オリジナル10クラブの中でも降格経験のなかった名古屋グランパスは昨季、シーズン中の監督交代や一度構想外とした選手を戻すなど、さまざまな策に出たものの J2降格は避けられなかった。

オフに入ると主力選手たちが次々とチームを去った。
クラブ内の確執や問題が表面化するなど、激震のシーズンオフを過ごした名古屋グランパスだが、
一早く、渦中の中で名古屋グランパスへの加入を発表した選手、それが佐藤寿人だった。

Jを代表するストライカーである佐藤寿人は、サンフレッチェ広島で出場機会が減少。
34歳とベテランになった佐藤寿人が選択した道は、チャレンジへの道だった。
試合に出てゴールを決めることをあきらめてはいない。まだまだチャレンジができる、チャレンジすべきであることを、佐藤寿人は新たな挑戦を持って示した。
広島でのプレーの印象が強い佐藤寿人だが、ジェフからプロ生活をはじめ、その後はセレッソ大阪、ベガルタ仙台と移籍を重ねながら、各チームで結果を重ね、評価を高めてきた選手である。
移籍によってチャレンジしてきた経験を持っているからこそ、今の佐藤寿人がある。
名古屋グランパスはJ2ではじめて戦う今季、クラブとして新たに生まれ変わるというほどの強い気持ちを持って挑む年となるが、佐藤寿人をキャプテンに任命。
強いキャプテンシーを放つからこそ、チームの選手たちがどう反応しまとまることができるのか注目だ。

川崎フロンターレで指揮を採り、昨季はついにJリーグの主役の一角となるまでに存在感を示した川崎フロンターレを築いた、風間八宏監督が就任。
風間サッカーは川崎フロンターレでも完成したわけではないと、名古屋グランパスでその完成形を目指すとしている。
Jリーグで今、観ていて一番面白いサッカーを創り上げることができる監督が再びJ1で戦えるのが「当たり前」となるチームを創る。

20人の選手が去り、18人の選手が新たに加わった新生名古屋グランパスは、クラブとしてもチームとしても変革の時を迎えている。
愛されたいクラブとして、地域に密着しながらJ1へと1年で戻ることを最低目標とし、戦う。

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