CHANT(チャント) 横浜F・マリノス

「空中分解」しなかったマリノス 必要な世代交代とするために

2017/02/14 19:36配信

武蔵

カテゴリ:コラム

クラブ単位でオフの話題をさらったクラブといえば

J1の横浜F・マリノスでしょう。

話題の中心となったのは、齋藤学の海外移籍問題もそうですが

一部で「空中分解寸前」とまで話題とされたことにあります。


構図としては、2014年7月からマリノスの経営に参加している

シティ・フットボール・ジャパンから派遣される形であるマリノスの現経営陣と

マリノスの古参選手である中村俊輔らの対立というものでした。

これが、問題が無いよりは有った方が良い複数のメディアが

選手側に立った記事を頻発したことにより、今オフが一時、盛り上がりました。


しかし、そのメディアが主導したその「騒動」も

現在は跡形も無く沈静化してしまったと言えるでしょう。

それは何故かというと、現在のマリノスはとても好仕上がりを見せているからです。

マリノスにとって必要な政策

クラブは中村俊輔、榎本哲也、小林祐三、兵藤慎剛らを放出するも

平均年齢が33歳となる上記の放出選手と比べると9歳も若い

平均年齢24歳となる8人の選手を獲得しました。


もちろんアーセナルではないので、編成は若ければ良いというものではありませんが

若ければそれだけ、稼働率が高く、計算しやすいということは否定できません。

特に中村俊輔と兵藤に関しては、近年の稼働率がネックとなっていました。


マリノスは、親会社であった日産自動車が

CFG(シティ・フットボール・グループ)に一部の経営権を譲渡した余波もあり

経営面での抜本的な改革を迫られており

この点に関しては、稼働率と特に高年俸がマイナスポイントとなりました。


また、新たな選手の評価基準の導入により

例えば、守備的な選手であっても攻撃に関与できる選手が求められ

サイドハーフは、裏抜けとサイドで起点となることが求められます。

従って、どんなレジェンドであれ、貢献度の高い選手であれ例外なく

選手の入れ替えは必須となっている、というのが現状です。

榎本哲也や小林祐三の「戦力外」はこのルートによる放出でしょう。

もし、経営難による選手放出であれば、戦力ダウンは不可避であります。

しかし、新加入のポルトガル人FWウーゴ・ヴィエイラは

昨季のセルビア1部リーグの得点ランク2位で、MVPを獲得した実績ある選手です。

今季も10試合で7得点と好調を維持していた彼と

同じくマリノスに新加入をなったダビド・バブンスキーが来日を果たしたのは

彼らの前所属であるレッドスターとマリノスが提携したから

というのが大きいでしょう。


タイトルも獲得し、黄金期となった2013年シーズンを形作った選手たちが去るなら

単純に戦力的な話において不安となるところもありますが

実績十分の彼らが、セーフティーネットとして計算されているようです。


そして、肝心のエース・齋藤学も残留を果たしました。

この「練習生」は契約延長し、新たに10番を背負うこととなりました。

現エースとして、今度は新しい下部組織出身のレジェンドを目指すこととなります。



マリノスのフロントの採った政策はいずれも必要なものでした。

まだ結果は出ていませんが、彼らは世代交代をし、予算を圧縮し

かといって戦力はなるべく落とさず、エースは残留させました。

このクラブのサポーターで有れば、一定の評価は下したくなるところです。


放出された選手たちは、いずれもJ1の他チームへの移籍を果たしました。

現在でも、その実力は否定されるものではありません。

ただ、どんなレジェンドであろうとも、チームコンセプトや稼働率の問題と

無関係ではいられないということであり、それは他のクラブにも通用する話と言えます。

何が言いたいかというと、そこに騒動を見出す必要はない、ということです。

「レジェンドの放出は必要なものであった」と言うには?

新生マリノスに必要なのは、当然のことながら、結果となります。

そして、予算を削ったとは思えない陣容であることもあり

その期待が持てるシーズンとなっています。


プレシーズンにおいては3センターに着手しました。

その狙いはやはり、エース・齋藤学を生かすことにあります。


従来の4231では、齋藤学はサイドハーフとなります。

セット時には選手がしっかり下がり、44のブロックに加わらねばなりません。

まず、それが守備的な負担となります。

また44で守ることが設計されていれば、サイドハーフは守備時に戻らねばなりません。

そう設計されている上で戻れないのであれば、そこは守備の穴となってしまいます。

これでは、ゴール前で決定的な仕事をすることでチームを助けるべきであるエースを

最大限生かすことは難しいものとなってしまいます。

天皇杯準決勝の鹿島戦でトップ下として起用されたのは

ここを慮っての起用という側面を持っていました。


そこを3センターにすることにより、解決を図っているようです。

43のブロックでは、後ろの枚数が減り、個々の負担が増えますが

そこはエリク・モンバエルツ監督の手腕が試されることとなります。

代わりに負担の減った齋藤学が、昨季以上に猛威を振るうこととなるでしょう。


個人的には、攻守において設計、戦略面のアプローチに優れながらも

ゴール前でのアイデアに乏しいところもあったモンバエルツ監督が

ウーゴやバブンスキー、あるいはマルティノスなども含めた

個の力を生かす方向に向かうことは、マリノスの怖さを増幅せしめると考えます。


ただ基本的にこのチームのエースは、今季も齋藤学となるでしょう。

マリノスが、彼の長所を生かすチームとなることは間違いなさそうです。

着手している3センターは、4321にしろ433にしろトップ下を置かない布陣です。

これが成功すれば、今オフでの、あのレジェンドの放出劇は

クラブにとって必要な世代交代であったと言えるようになるでしょう。

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