CHANT(チャント)

武藤嘉紀復帰、大迫とのFW対決の行方は?

2017/01/27 19:16配信

武蔵

カテゴリ:コラム

ドイツ1部・ブンデスリーガは、1ヶ月ものウインターブレイクを終え

リーグ戦が再開、第17節が行われました。

その中で、マインツのFW武藤嘉紀がケガによる長期離脱から復帰し

4か月ぶりに、公式戦での先発出場を果たしました。


その試合はケルンとのホームゲームであり

この好調なチームでレギュラーを確保している大迫勇也も先発出場しており

武藤と大迫との日本人FW対決が実現しました。

ようやく本格復帰の武藤と、その間に様変わりしたマインツ

最近の武藤には、ケガが付きまとっていました。

昨季2月の右膝側副靭帯の部分断裂を始め

その後の練習復帰直後の負傷で、その残りのシーズンを棒に振ってしまうなど

実際に、ケガに泣かされてきました。


今季も試合勘の不足など、決して万全の状態ではなく

9月の日本代表招集も辞退するなど、順調とは言い難かったものの

開幕戦のドルトムント戦、さらには第3節のアウグスブルグ戦で

いずれも途中出場ながらゴールを奪うなど調子を取り戻し

その間のヨーロッパリーグでは先発出場するなど、信頼も回復

昨季前半戦の快進撃を思い起こさせるようなプレーを見せ始めました。


ただ、その後のヨーロッパリーグ・FKガバラ戦でまたも負傷すると

長期の戦線離脱を余儀なくされました。

今節のケルン戦は先発出場となり、復帰戦となります。

その間、マインツも様変わりをしています。

昨季は6位と躍進し、ヨーロッパリーグ出場権を手に入れるほどでしたが

比較的規模の小さい地方クラブであり

過去にはユルゲン・クロップやトーマス・トゥヘルといった指導者や

ネヴェン・スボティッチやアンドレ・シュールレ

さらには岡崎慎司といった選手たちを「輩出」してきたマインツにとって

チームの躍進は主力選手との別れをも意味します。


今季頭でロリス・カリウスやユリアン・バウムガルトリンガーを放出し

センターラインがグラついたマインツは

さらに今冬、ユヌス・マッリをも引き抜かれてしまいました。

マッリは武藤と4231、あるいは442でコンビを組み、マインツを牽引してきましたが

そのコンビは、武藤が離脱している間に解消することとなってしまいました。


新しくコンビを形成するのは、パブロ・デ・プラシスです。

彼は武藤の離脱の間に定着した、ライバルであるジョン・コルドバとのコンビで

ここまで4得点を挙げ、チーム得点王となっています。

マルティン・シュミット監督の中には、武藤とコルドバの2トップ

といった構想もあるようですが、コルドバはこの日、ベンチを外れました。


では武藤のパフォーマンスはどうだったのでしょうか?

残念ながら、本領発揮といくにはまだ時間が掛かりそうです。

復帰戦の武藤がイマイチだった2つの理由

その理由の1つは、やはりマインツの様変わりがあります。

マインツは変わらずに攻撃時4231、守備時442です。

ただ、バウムガルトリンガー放出後は、効果的なビルドアップが減り

コルドバに向かって長いボールを蹴る場面が増えました。

大きな的となってボールを収めるコルドバと、動きながら起点となる武藤では

やはりその戦術へのフィットについて、違いが出てしまいます。


もう1つの理由は、ケルンの布陣、システム、そして大迫の存在にありました。

ケルンは今季好調で、7節まで負け無し、11節終了時には4位となっていましたが

それ以降の5試合で4分1敗と勝ち切れていません。

引き分けが多く勝ち切れていないということは、一方で負けてもいないということです。

ブンデスで3番目に失点が少ないという特色もあります。

ケルンは攻撃時には3142のような形を取り、442攻略に色気を出しますが

守備時には切り替え早く、541で撤退します。

この時、特に重要な役割を負い、効いているのが大迫です。


大迫は、攻撃開始時には2トップの位置にいながら

ボールサイドのインサイドハーフが落ちるのに合わせて、そのスペースへ落ち

1トップのアントニー・モデスト、あるいは両サイドへと展開させます。


そして守備時、ブロックを築く際には中盤まで落ちます。

決まり事としては、空いているスペースに落ちるというものでしょうが

それ故に、時にはボランチの位置まで落ちることもあります。

大迫の存在があって、3142→532ではなく、541を形成できています。


分かりやすく例えるなら、昨季のミラクル・レスターの岡崎でしょうか。

442でブロックを組みつつ、突破された際には

ボールサイドに動くエンゴロ・カンテと

そのカバーリングのための位置取りをするダニー・ドリンクウォーターが

埋め切れないスペースには岡崎が落ちることで安定感をもたらしていました。

その多大な運動量、勤勉性によってチームにそれをもたらしているという点では

大迫と昨年の岡崎には、共通する部分があります。


だからこそ、そういったFWの運用で安定化するシステムを運用するケルンは

この日のマインツと武藤にとっては、躍動感を奪う理由の1つとなったのです。

ケルンは541で守るため、ブロックの穴は大きくありません。
武藤は得意のサイド流れから、キープを試みる場面もありましたが
相手が5バックであるため、どうしても左右のCBの迎撃を受けることとなってしまい
タスクを成就させることは困難を極めました。

ケルンも順位が下の相手とはいえ、アウェイであることもあり

541で攻撃の手数が減り、スコアが動かなくても仕方ない・・・

そう言える試合運びを見せたことで、試合は膠着状態が長く続きました。

この試合、両チームを通じての最大のチャンスが

前半のダニー・ラッツァのミドルシュートと言えたこと

つまり、エリア内での決定機と言える場面はほぼ無かったこと。

それと、0‐0でありながら、両チームとも選手交代を余したこと

つまり、指揮官がこの試合内容に満足していた

無理してでも打開する必要は無いと判断していたことが

この試合の展開、内容を物語ると言えるでしょう。




復帰戦とはいえ、特に特徴を出せなかった武藤ですが

相手の姿勢もあり、それも致し方なかったと言えるでしょう。

コルドバの負傷の具合、また、シュミット監督の構想にもよりますが

この先も厳しいレギュラー争いが待っていると思われます。


ただ、次節は強豪のドルトムント戦であり、これはチャンスです。

開幕戦ではゴールを奪っており、何よりケルンとは違って攻撃的です。

得点のチャンスも、スペースも、言い訳できないほど生まれるはずです。


代表、さらにはステップアップなど、先の目標には事欠きません。

ケガにより失った時間は取り戻せませんが、まだまだ巻き返しは可能なはずです。

これからの武藤のそれに、期待しましょう。

Good!!(0%) Bad!!(0%)

この記事も読んでみる