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【大宮アルディージャ】 2017シーズン始動 それぞれの持つ「覚悟」と「決意」 【J1】

2017/01/19 21:45配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム

数年に一度と言われるほどの寒波が日本列島を包み、空気が澄んだ青空が拡がるにも関わらず、身が凍え思わず丸くなる姿勢を取るほどの寒さの中。
多くの人たちがオレンジ映えるものたちを身に付け、溢れる期待を抱き集まったのは、NACK5スタジアム大宮。

大宮アルディージャの今季初練習が行われた 1月15日。
ホームスタジアムには約2500人ものサポーターが詰めかけ、新加入選手が加わった新チームと共に2017シーズン第一歩を迎えた。

練習前には、選手・スタッフ・チーム関係者が出席しての必勝祈願が氷川神社にて行われ、新シーズンへの気持ちを引き締め、向かった初練習。

スタジアムDJ高森氏による選手紹介が行われ、ゴール裏に集まったサポーターの前に選手たちが一人一人並んでいく。
サポーターたちに迎え入れられながら、中でも新加入である背番号10 大前元紀の登場時には期待の大きさがわかる一際響く歓声が上がった。

2014シーズン途中から指揮を執り、今季4シーズン目を迎える 渋谷洋樹監督の挨拶では
「天皇杯の決勝に行くと約束したにも関わらず、勝ち上がることができませんでした。
チケットを勝ってくださった方々も多くいたと思います。本当にも申し訳ございませんでした」
と、昨年末 天皇杯準決勝にて川崎フロンターレに敗れ決勝進出が果たせなかった試合を振り返り、真っ先にサポーターにそう、伝えた。
渋谷監督のサポーターと共に戦っているという想いが伝わる第一声から始まった挨拶では、
「皆さんの応援が力になっています」と伝え、今季もサポーターの力を含めたチーム一丸となって戦うというメッセージを伝え、2017シーズン初練習が始まった。

選手たちがスタジアムを周回するようにランニングを始めると、サポーターからは選手たちの名前や今季への期待の声、ガンバレという声等が届けられ、大きな拍手が沸き上がった。
その後、7×7のミニゲームが行われ、リラックスした選手たちは終始笑顔で
観客席からも大きな歓声と笑い声が響き、大宮アルディージャ「らしい」アットホームな雰囲気が包む初練習となった。


練習を終えると、その後は新加入選手6名がゴール裏へ向けて並んで座り、トークショーが行われ
それぞれのサポーターに呼んでほしいニックネームや、注目してほしいプレーなどの紹介があり、新加入選手たちのサッカーの話からサッカー以外の話にも及ぶトークに盛り上がりをみせた。

渋谷監督は今季の6名を迎えた新加入選手について
「就任以来、一番少ない(人数)新加入選手となった。年々新加入の選手たちの人数が少なくなっているということは、チームの基盤が出来てきているということだと思っている。
自分のサッカーを知っている選手たちがいて、その選手たちにプラスして補強するというチーム作りが今年は出来たのかなと感じている」
と、話した。

●タイプは違えど同じ道を歩む二人。比較ではなくそれぞれ持つ『色』に注目

今季はすでにJの舞台でも長年に渡り名を馳せている選手が多く加入したことで、新たな大宮アルディージャがどのようなチームになるのか注目だが
6名の新加入選手の中で、J2で活躍し加入となった瀬川祐輔にも期待が高まっている。

瀬川はザスパクサツ群馬からの加入となったが、どうしても比べられる存在がいる。
―江坂任の存在だ。

偶然ながら同じ道を歩んできただけに、比較の対象となることが多い。
大卒ルーキーとしてザスパクサツ群馬では26を付けた。そしてチームの得点王となり、J2でも大いに話題となるほどの活躍を経て、J1へと挑戦することを決め
共に大宮アルディージャへと進んだ。

ポジション争いも、共存も、あり得る関係性となる今季。
比較されることも多いが、タイプとしては異なる二人が共に同じチームでプレーするのは、初めてのこと。
大宮アルディージャにてお互いが刺激され化学反応を起こす可能性に期待がかかる。

活躍を重ねる度に前年に活躍し、ルーキーながらチームを引っ張った江坂と比べられてきた中で、比較に注目が集まることに本意ではなかったこともある。
自分は自分。
瀬川祐輔は瀬川祐輔であるから、だ。

「ここに来た以上、あたるくんの移籍1年目と比べられることになると思っている。
群馬時代から同じ道を歩んできているから比較はされるものだと思っているし、比較されて光栄だと思っている。
ただ、これからは比較を超えて、瀬川という存在を認めてもらえるような活躍をしたいし、自分を出していきたい」
と、語った。

J2で魅せた得点力ももちろん魅力のひとつだが、瀬川のストロングは周囲を多彩に使えることにもある。
アシストの数が多かった昨季の結果をみてもわかるように、得点を生み出すことのできるラストパスを供給できることも大きな魅力、そして武器のひとつだ。

「瀬川くんは元気がいい。非常にアグレッシブで気持ちがいい」
と、瀬川の印象を話した、渋谷監督。

明治大学時、Jリーグ内定組の記者会見には出席していなかった瀬川。
プロへ進むことが決まっていなかった当時、Jリーグ内定組の記者会見には立つことができなかった。
その後に訪れた転機によってJリーガーとなり、昨季J1の舞台で出場を重ねた同期も多くいる中で、J2ながら同期の中で一番注目されるルーキーイヤーを過ごした瀬川祐輔は今季、J1へと挑む。


大宮2年目を迎えた江坂任は、瀬川を含め前線の選手が増えたことによるさらなる競争を前に
「アキさん(家長昭博・川崎フロンターレへと移籍)がいなくなったことで、点が取れなくなったと思わせたくない。
だからこそ、より自分が生かされること、そして周りも生かしていけるような存在にならなくては、と思っている」
と、次期エースとしての覚悟を口にした。

同じくエース候補となる新加入、大前のプレーをこの日、リラックスゲームではじめて体感した印象を
「ひとつひとつのボールタッチだったり、足元だったり、やっぱりうまいなと感じたし、得点が獲れる選手であることを ちょっとの時間ボールを蹴っただけでも感じた」
と、話す。
大前が「得点王を狙っていきたい」と話したが、江坂は「昨季以上」と昨季重ねた8ゴール以上を目標に挙げた。

チームを後ろから守り戦ったGK塩田は、日々のトレーニングでも共に居残り練習をこなしシーズンを通じて江坂のシュートを受けてきた。
「アタルは今年はより頭を使わなければいけなくなるシーズンになると思う。
昨季の活躍によって対戦する相手は警戒を強めるし、たくさんの材料を持って分析されると思う。
昨季よりも厳しくなるであろう状況の中で、どう自分を持って戦えるか、という部分が重要になる」
多くの選手たちを見て、受け、対峙してきたベテランGK塩田だからこそ、江坂の「これから」に必要なこととしてそう挙げた。

天皇杯を観たハリルホジッチ監督に存在を評価されたことも刺激となり、日本代表への意識もこれまでより鮮明になり、強く持っている。
「今年は最終予選が行われ大事な場面を迎えるということもあり、意識はしている。呼んでもらうためにはチームで結果を出すこと。もっと自分を高めなくてはいけないと思っている」

チームでランニングを開始してから、江坂は瀬川と共に走り、笑い声が聞こえるほど共に笑顔で一歩一歩を進んだ。
俺についてこい、というわかりやすいタイプではないが、後輩への面倒見が良く、距離感も自ら近く入り込むことで 良い意味で相手からの壁をできるだけ壊していく。
さまざまなタイミングと偶然が重なり、歩んできた道で比較されてしまうことを、江坂が一番気遣っている。
自らが移籍を選択した時の経験を重ねるからこそ、瀬川が大宮に慣れるまでを積極的にサポートしていくつもりであろうことが、江坂の姿から見えた。

チームメイトとして絆を深める一方、ライバルとしてこれからの競争もお互いに刺激になる。
比較ではなく、江坂と瀬川それぞれの能力と存在感が発揮されることが大宮アルディージャにとって大きな力となることであろう。

大宮アルディージャの2017シーズンが始まった。
「笑って楽しいのは1月いっぱいくらいかなと思います。2月に入るとメンバーも見えてきて選手たちの競争が鮮明になって、目の色が変わるはず」
と、渋谷監督。

1月19日より沖縄にて1次キャンプ、1月30日からは宮崎にて2次キャンプが行われる。
2017シーズンチームが、さらなる高みを目指し、動き出した。

(Writing Tomoko Iimori / Photo Yasuko Tohyama)

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